富士フイルム、HD動画記録対応3Dデジカメ「FinePix REAL 3D W3」の発表会


FinePix REAL 3D W3

 富士フイルムは17日、3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W3」の発表会を都内で開催した。

 FinePix REAL 3D W3は、最大1,280×720ピクセルの3D動画を撮影可能なコンパクトデジタルカメラ。発売は9月4日。価格はオープンプライス。店頭予想価格は4万8,000円前後の見込み。スペックなど詳しくは関連記事を参照されたい。


正面背面
上面背面操作ボタン類は右側に集約された
HDMI出力の設定赤外線通信機能IrSSに対応

今後も3D映像を楽しむ機会を提供したい

代表取締役CEOの古森重隆氏

 代表取締役CEOの古森重隆氏は、2009年ごろより市場に3D対応テレビが登場して以来、世界的に3D映像を見る環境が整いつつあるとし、「映像分野での3D化の流れは今後も加速する」と予想。その一方で、3Dコンテンツの不足についても指摘した。FinePix REAL 3Dに関しては、「今後も3Dデジタルカメラの市場を作っていくとともに、ユーザーが簡単に身近な3D映像を楽しむ機会を提供したい」と展望を語った。

 また、FinePixシリーズ全体については、コスト競争力の強化とサプライチェーンマネジメントの改善を行なった点を強調。国内・海外を合わせた2010年度の売り上げは台数ベースで1,200万台、シェア10%の達成を見込む。

3Dシステムを柱にしたい

 富士フイルムの3Dに関する取り組みについて説明したのは、取締役常務執行役員電子映像事業部長の樋口武氏。

 同氏は商品コンセプトを「『撮る3D』、『観る3D』、『残す3D』」と紹介。動画と静止画の両方を3Dで楽しめることに加え、裸眼で3Dを観賞できる点、3Dプリントを楽しめる点を長所としてアピールした。

取締役常務執行役員電子映像事業部長の樋口武氏3D対応テレビ・PCの普及台数は、2013年には6,000万台を超えるとしている
3D映像は、自然な立体になることを目指したという

 また、2009年8月発売の「FinePix REAL 3D W1」を「第一世代」と位置付け、FinePix REAL 3D W3を「第二世代」とした。主な違いとして、「背面液晶モニターの高画質化」、「3DのHD動画撮影機能の追加」、「HDMI端子の搭載」を挙げた。サービス面では、3Dプリントサービスに「クリアタイプ」を追加する。クリアタイプは、レンチキュラーシートに熱昇華方式で3D画像を直接プリントするもの。従来より用意していた方式は、印画紙とレンチキュラーシートを一体化するタイプ。

 樋口氏は3Dデジタルカメラおよびプリントサービスを含めた3Dシステムを「電子映像事業部の柱のひとつにしたい」と表明した。

「第一世代」のFinePix REAL 3D W1とプリントサービス「第二世代」のFinePix REAL 3D W3では3DのHD動画機能やHDMI端子を搭載し、プリントサービスも拡充した
3Dのプロモーション

 3Dに関して、今後のプロモーションについても言及した。海外を含め、3,000店舗以上で販売窓口を開拓するほか、店頭に3D対応テレビなどを設置し、3Dを体験できるようにするという。また、テレビCM、シネアド、Webなどでプロモーションを展開する予定。

 さらに樋口氏は発表会終了後の質疑応答で、FinePix REAL 3D W1の販売実績とFinePix REAL 3D W3の売り上げ目標について言及。販売実績は非公表(売上目標は10万台)とし、FinePix REAL 3D W3については40万台の売上目標を明らかにした。

発表会場ではタッチアンドトライを実施HDMIケーブルを3D対応テレビに接続して画像を写すデモを行なっていた
IrSS対応テレビへの通信転送を試せた各社の3D対応テレビを展示
3D対応ディスプレイ搭載のPCも展示したFinePix REAL 3D W3専用水中ハウジング。発売時期は未定。実売価格は5万円前後の見込み。
背面クリップオンストロボを装着できる
3Dプリントシステムによるプリントを展示した分解モデル
画像処理エンジンを「リアルフォトエンジン3D」から「リアルフォトエンジン3D HD」に刷新メインフレームの一部にはステンレスを使用した
ボタン位置は大幅に変更した


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2010/8/17 20:34