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Inter BEE 2025(後編):自動で水平になる電動雲台や高速規格対応のメモリーカードなど
照明、三脚、マイク、モニター関連で見つけた気になるもの
2025年11月22日 12:00
動画機材・サービス関連が集まるイベント「Inter BEE 2025」が、11月19日(水)〜11月21日(金)に幕張メッセで開催された。
前編に続き後編では、メモリーカード、照明、三脚などの撮影用品を紹介する。なお前編ではカメラ、レンズ、フィルターなどを取り上げているので参照されたい。
VPG1600/400両対応カードをお披露目(Nextrage)
このほど開発発表した、世界初というVPG1600とVPG400の両方に対応するCFexpress Type Bカード「NX-B2PRO+」シリーズを参考展示していた。2026年初頭に発売する。価格は未定。
VPG1600は、最低継続書き込み速度1,600MB/sを保証する新しい規格。現時点で対応するカメラは登場していないが、将来的にカメラへの採用を見込んで製品化する。
VPG1600対応のカードは他社にも存在するが、VPG400にも対応しているのは本製品だけとのこと。VPG1600とVPG400はプロファイルの種類が異なるため、VPG400非対応のカードでVPG1600に対応したとしても、自動的にVPG400対応にはならないそうだ。
今はVPG400対応のカメラで使いつつ、将来のVPG1600対応カメラでもそのまま使えるカードとして訴求する。容量は1,330GBと660GBを用意する。
カードリーダーの新モデルも展示されていた。「NX-MFB1SE」と「NX-MFA1SE」は、いずれもSDメモリーカードに対応するほか、前者はCFexpress Type B、後者はCFexpress Type Aとのダブルスロットとなっている。
各スロットにプロテクトスイッチを備えており、誤って消去するといったリスクが軽減できるとする。
また、SDメモリーカードとmicroSDカードのダブルスロットカードリーダー「NX-MMF1CL」も新たに発売する。
両スロットともUHS-IIにも対応。両端がUSB Type-C端子のアダプターが同梱されており、スマホやタブレットでも使いやすいとしている。
NANLITEのかわいらしいスマホ用ライト(VANLINKS)
スマホ用の小型LEDライト「cookie」シリーズが展示されていた。丸形の「cookie」と角形の「cookie-s」があり、価格は2,970円。発売時期は未定。
バッテリーは搭載していない。スマホとUSB Type-Cで接続することで発光する。両面にLEDライトがあり、背面はディフューザー付きのソフトライト面となっている。
光量と色温度が3段階で調節できる。両面の同時発光も可能で、自分と対象物を同時に照らしながらのデュアル撮影にも対応するという。
いずれも形以外の仕様はほぼ同一。重量は20g強と非常に軽い。チャームにもなるバッグ型の収納ケースが付属する。
本格的な外付けEVF(KPI)
外付けモニターなどを手がけるPortKeysから本格的な外付けEVF「LEYE III」が登場した。発売日は未定。価格は7万9,800円。
カメラとHDMIで接続して使うEVF。4K30P入力に対応する。接眼部が丸形のスポンジ製で、メガネを掛けたままでも視認可能としている。アイポイントも長く見やすいとのこと。レッドオークの視度調整ダイヤルも備える。
外付けモニター同様に、LUT、ピーキング、ゼブラ、オーディオメーター、ガイド、フォルスカラーなどの各種サポート表示にも対応する。
電源は有線供給のほか、LP-E6タイプが使用できる。SDI入力対応バージョンも用意される。
またGODOXのLEDライト「MA5R」も新製品。モバイルバッテリーとしても使えるのが特徴となっている。価格は8,900円。
5W出力のマルチカラータイプ。ワイヤレス充電やマグネット装着にも対応している。スマホアプリでのコントロールも可能。背面に自撮り用のライトを備えており、スマホに貼り付けた状態で使用できる。
本体色はブラック、レッド、ピンク、ブルー、グリーン、ホワイト。ディフューザーが付属する。
amaranの高コスパLEDライト(アガイ商事)
amaranのモノブロック型LEDライト「Ray 360c」と「Ray 660c」を展示していた。2025年内の発売を予定している。Ray 360cは360Wで4万1,800円、Ray 660cは660Wで11万3,300円。特にRay 660cは出力に対して価格が抑えられているとのこと。
いずれもフルカラータイプで、ボーエンズマウントを備える。電源部も内蔵で使いやすいとする。演色性の良さもアピールしていた。実測のスペクトルでは紫域が出ており、ジーンズなどの青紫系の発色にも優れるという。
自動で水平になるBENROの三脚(VANLINKS)
BENROのブースでは三脚や一脚などが多数参考展示されていた。いずれも国内での発売は未定となっている。
「THETA Smart Auto-Levelling Tripod」は、大まかに設置して本体のボタンを押すと、電動でそれぞれの脚が伸縮して自動的に水平に調整されるという三脚。USB Type-Cで充電して使用する。
なお、セッティング時の脚の引き出しと収納時に脚を縮める操作は電動では行えず、ユーザーが一般的な三脚のように行う。クイックシュー式の自由雲台を備えている。
ハンドル操作で簡単に伸縮できる一脚「InstaStalk One-Click Lifting Monopod」もあった。セッティングが素早くできるとしている。パイプを外して三脚と雲台を直接繋ぐこともでき、低めの三脚としても使用可能だ。
ハンドルで一気に伸ばせる三脚に安価版(SmallRig)
本体から伸びたハンドルを握ると脚のロックが解除され、セッティングや収納が迅速にできる三脚「SmallRig×Potato Jet TRIBEX SE」が展示されていた。価格は6万6,890円。
従来、同じ機構を持つカーボンタイプがあったが価格が14万円ほどと高価だった。今回アルミパイプを採用することで、半額以下の価格で提供できるようになったとのこと。
伸ばす際は自重で脚が降りるので、段差のある場所などでも設置がしやすいのも特徴となっている。
また新製品としては、iPhone 17 Proシリーズ用のケースやリグをリリース。ブースではデモが行われていた
縦位置撮影に対応した三脚(ヴィデンダムメディアソリューションズ)
新型動画三脚「Manfrotto ONE 500X カーボン三脚」が展示されていた。2025年内に発売し、価格は17万7,180円。
ビデオ雲台を備えるが、上部が90度回転して簡単に縦位置動画が撮影できるようになっているのが特徴。レベリング機構やセンターポールを90度倒して俯瞰撮影ができるといった機能も備えている。写真撮影でも使えるとしている。
縦位置対応の動画用雲台(スリック)
雲台上部を90度回転できる雲台「スリック バーチカルビデオヘッド」を展示していた。価格は1万2,700円。11月28日に発売する。
縦位置動画の需要が高まっていることから企画したという製品。仕組みをシンプルにすることで価格も抑えたとしている。
クイックシューを採用する。また三脚取り付け部は金属製で、細ネジと太ネジの両対応となっている。
30年ぶりに刷新された入門動画三脚(平和精機工業)
Libecブランドのエントリー向け動画三脚「TH-650X」が12月中旬に発売される。価格は2万6,500円。長らくローエンドモデルを担っていた650シリーズが30年ぶりにフルモデルチェンジした。
今回、アルカスイス互換のクイックシューに変更した。ミラーレスカメラなどで動画を始めるスチルユーザーが使いやすいように、写真業界で普及している規格を採用したとのこと。
ヘッドの動きも進化したほか、無段階のフリクション一体型ロックを採用した。カウンターバランスは固定式となっている。すべての脚の根本にアームなどが装着できるネジ穴も備える。
底部はフラットベースになっており、スライダーや一般的な写真用三脚に付けて活用することもできる。
カメラ対応の小型ワイヤレスマイク(銀一)
RODEの「Wireless Micro Camera Kit」が参考展示されていた。近日発売する。価格は未定。
同社のスマホ用マイクとほぼ同じサイズ感ながら、ミラーレスカメラなどへの接続に対応したモデルとなっている。カメラとは3.5mmTRSで接続する。スマホとカメラの両方で気軽に使いたいユーザーに向ける。
同じくRODEのスイッチャー「Caster Video S」も参考展示品となる。従来の「Caster Video」よりもチャンネルを絞り込むなどして、小型化・低価格化を実現した。オーディオミキサー機能を備えており、音声と映像を直感的に操作できるとしている。
ニコンZR対応の音声アダプター(ティアック)
アクセサリーシュー経由で「ニコンZR」にデジタルで音声を転送できるTASCAMブランドの音声アダプター「CA-XLR2d-N」が展示されていた。8月に発売済み。
XLR端子を使用するマイクが使えるアダプター。ファンタム電源の供給ができるほか、アッテネーター、リミッター、ローカットフィルターなどで音を整えられる。ニコンZR用ということで注目され、引き合いが多いとのこと。
CA-XLR2dシリーズはシュー部分が交換式となっている。ニコン用のシュー「CA-AK1-N」を買えば、他社用のCA-XLR2dシリーズをZRに対応させることができる。
低価格なカメラ用マイク(アツデン)
ハンドヘルドカメラ用の単一指向性マイク「SGM-PD III」を参考展示していた。2026年春に、1万円台前半で発売する。
昨今、低価格のコンデンサー式カメラマイクが市場で入手しづらくなっていることから、同社の定番モデルをリニューアルして投入するという。
現行モデルは長期間販売されているモデルだが、新たにS/Nの向上など音質も見直した。価格も2万円以上の現行品から値下げする形になる。コネクタはXLRで動作にはファンタム電源が必要。
同じく参考展示として「PODCASTマイクロホン」があった。発売時期や価格は未定。
同社が手がけているアマチュア無線用マイクを応用して開発しているという。声の収録に向けたダイナミックマイクで、単一指向性と無指向性をスイッチで切り換えられる。
価格を抑えたキャリブレーションツール(イメージビジョン)
datacolorのモニターキャリブレーションツールでは、新製品として「Spyder Express」が展示されていた。発売済みで価格は2万5,000円。初心者やWebデザイナーなどに向ける。
Spyderシリーズのローエンドモデルで、上位モデルが対応していたガンマ、色温度、輝度などの設定が1つの固有値のみとなる。また環境光調整などの機能も非対応となる。
Mac用の拡張ストレージなど(OWC)
Mac用のストレージシステム「OWC StudioStack」を展示していた。発売は未定。Mac StudioやMac miniに対応したストレージシステム。内部にM.2 SSDや2.5インチHDDを搭載する。
Thunderbolt 5接続で高速なアクセスを実現するほか、ThunderboltとUSB-A端子を計6ポート備え、ドックとしても活躍する。Mac本体にマッチするデザインとなっている。
また、PCI Expressスロット1本を増設できるボックス「OWC Mercury Helios 5S」もあった。12月に5万6,300円で発売する。
PCI Expressスロットの無いノートPCなどとThunderboltなどで接続することで、拡張カードが利用できるシステム。PCIe 4.0×4のカードをフルスピードで動作させられるという。






















































