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プロ向け展示会「PHOTONEXT 2014」が開幕

PENTAX 645Zや最新カメラバッグの体験も

 フォトビジネスおよびプロフォトグラファーを対象としたイベント「PHOTONEXT 2014」が6月17日、東京ビッグサイトの西4ホールで開幕した。会期は6月18日17時まで。入場無料。

 プロ機材や撮影ソリューションなどの展示とセミナーが主なイベント。本稿では、会場で試せるデジタルカメラなどの新製品についてレポートする。

リコーイメージング

 6月27日に発売する中判デジタル一眼レフカメラ「PENTAX 645Z」を展示。実機の操作を試せるほか、テザーソフトも含めたスタジオや写真館向けのデモを実施。セミナー中はブース前に人だかりができていた。

PENTAX 645Z

 645Zではハイアマだけでなくプロの使用も意識したという。「中判デジタルカメラなのに100万円以内でシステム構築可能」という点を大きく謳っていた。

価格をアピール

 また、CP+2014で参考出品された「フィルムデュプリケーター」も実機展示。発売済みの製品で、店舗におけるフィルムのデジタル化サービスにも使ってほしいとのことだった。デジタルカメラとクリップオンストロボを組み合わせる。

PENTAXフィルムデュプリケーター。マウントホルダーは6×9用サイズまで用意

キヤノン

 EOS用の35mmフルサイズ対応広角ズームレンズ「EF 16-35mm F4L IS USM」(6月19日発売)、APS-C用の広角ズームレンズ「EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM」(5月29日発売)を実機展示していた。

EF 16-35mm F4L IS USM装着例
EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM装着例

DNPフォトルシオ

 デモコーナーにPhaseOneの新しい広角ズームレンズ「Schneider Kreuznach 40-80mm LS F4-5.6」を展示。最高1/1,000秒のリーフシャッターを搭載する。35mm判換算25-50mm相当の画角を得られる。価格は税別125万円、6月20日発売。

Schneider Kreuznach 40-80mm LS F4-5.6の装着例
CaptureOneと組み合わせた撮影デモコーナー

ケンコー・トキナー

 5月30日に発売したトキナーの「AT-X 70-200mm F4 PRO FX VCM-S」を展示。同社初の超音波モーターと手ブレ補正機構を採用している。

AT-X 70-200mm F4 PRO FX VCM-S

 iPhone 5s用ケース「GIZMON iCA」(ギズモン アイカ)シリーズを用意。一眼レフ風の新製品「iCA SLR」が展示されていた。会場ではそのほかコンバージョンレンズをはじめ、iPhoneのヘッドフォン端子を利用したケーブルレリーズ、三脚、ストロボなどが取り揃えられ、iCAシステムのアクセサリー拡充を実感する。

GIZMON iCA SLR
GIZMON iCAシリーズ

 iCAアクセサリーには、ソニーのレンズスタイルカメラQXシリーズを装着するためのアダプターも用意されていた。

アダプター装着例。ここにQXをマウントする

KPI(ケンコープロフェッショナルイメージング)

 ホースマンのビューカメラ「Axella」を展示。従来モデルよりアオリ操作などの自由度が高まり、撮影のセッティングが容易になったというビューカメラ。マミヤ645マウント、キヤノンEFマウント、ニコンFマウント、ソニーEマウントのデジタルバックおよびカメラに対応する。価格はカメラ本体とマウント部込みで税別58万円(マミヤ645用は59万円)。

ホースマンAxella。PhaseOneデジタルバックを装着

 iPhoneなどiOS端末と組み合わせて利用する分光計「Lighting Passport」を出展。定常光のみ対応の製品だが、その測光の細かさに動画ユーザーから熱い視線を浴びていた。

 Bluetoothでペアリングし、専用アプリ「Spectrum Genius Mobile」から測定とデータ管理を行なう。測定結果や機材の写真などを一括でメール送信できる点から、複数のライトを扱う照明部などで便利に活用できるのでは、としていた。

 発売は6月20日。価格はLighting Passportとフル機能のソフトを含むスタンダードパッケージで税別22万8,000円。Android版アプリの予定もあるという。

センサー部分とはBluetoothでペアリングする
メニュー画面。測定した情報の管理・共有ができるのも特徴
測定イメージ
測定結果。一般的というR1〜R8の範囲より広く測定できる点が特徴

富士フイルム

 正式発表された高倍率ズームレンズ「XF 18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR」を展示。実機を手に取ることができた。ズーム操作で伸縮するタイプの鏡筒で防塵防滴を実現すべく、空気の出し入れと気密性を確保するための工夫が施されているという。

XF 18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR
X-T1への装着例

 同レンズはショールームでの発売前展示も行なうという。

 ステージでは、X-T1用のテザー撮影ソフトをデモ。現在はカメラとパソコンをUSB接続する。写真館やスタジオ撮影での活用を見込む。

参考出品のX-T1専用コントロールソフトをデモしていた

ニッシンジャパン

 小型ながら本格機能を搭載したクリップオンストロボ「i40」が目玉。発売になったばかりのフォーサーズ用も展示していた。そのほかの既存製品も試せる。

i40。フォーサーズ用のほか、キヤノン用、ニコン用も試せる
アクセサリーとの組み合わせも提案
ストロボセミナーが賑わっていた

EIZO

 4K対応の高色域ColorEdgeを参考出展。31.1型と23.8型があった。機能はいずれも同様という。カラーキャリブレーション用のセンサーを内蔵し、出荷時の調整をColorEdgeシリーズ同様の基準で行なうというのが既発4K対応モニターとの違い。今年度中の発売を見込む。

参考出展の高色域4K ColorEdgeモニター。31.1型
こちらは同機能の23.8型。解像度は3,840×2,160

 また、LED採用の色評価用スタンドも展示。発売済みの製品だが、LEDスタンドで照らしたプリントと、キャリブレーション済みのモニターでの表示を比較できるようになっていた。

LEDの色評価用スタンド「Z-80pro-EIZO」。直販価格は税込3万8,000円
ボタン長押しで調光できる
色調整済みモニターとの比較が可能

ベルボン

 新しい脚ロック機構「V-Lock System」を参考展示。これまでのナットロックより少ない回転角で、素早くロックと解除の操作ができる。また、同機構の採用により脚部の伸縮比も向上するという。採用製品は、秋頃に一脚を発売予定、三脚があとに続くそうだ。

従来のナットロック(左)とV-Lock(右)。ロックが解除されたところで回転が止まり、解除されたことがわかりやすい
一脚のロック機構をV-Lockとした参考展示。一番左は従来製品。軽量・高耐久も謳う

 同じく参考出品のレボルビング雲台は、カメラを縦位置にしても重心位置が変わらないのが特徴の製品。単体製品「アングルチェンジャー」と同様の機構を搭載した雲台だという。

レボルビング雲台。横位置の状態
LOCKと書かれたノブを解除すると動く。
縦位置に切り替えた状態。一つのノブでロック/解除できるのが特徴
無地のノブを解除すると、シュープレート取り付け部の角度が微調整できる

浅沼商会

 脚をたためばハンドグリップとしても使えるミニ三脚を展示。ボール雲台を採用する。6月21日発売としていた。

Fotoproブランドのミニ三脚。想定売価は税別2,546円
キャップ部分に紐がついていて、携帯しやすい

銀一

 ドンケ(Domke)の“ネクストジェネレーション”というカメラバッグ新製品を展示していた。F-2に代表されるドンケらしい意匠を外観に残しつつ、クッション性のある内装や細かなポケットなどモダンな仕上がりになっていた。8月発売予定。

ドンケのネクストジェネレーション各モデル。左上が中核モデルと見られる「クロニクル」
クロニクル内部。ベルクロ式の仕切りを採用。赤いポケットもベルクロで任意の場所に付く
外ポケットはどちらもマチを広げられる
サイドポケットを広げたところ
ベルクロを無効化できる点も今風
背面。上部から機材の簡易な出し入れが可能。トロリーのハンドルに通せるようにもなっている

 マインドシフト(MindShift)は、同じく銀一が取り扱うシンクタンクフォトのクリエイターによって発足したというブランド。報道向けのイメージが強いシンクタンクフォトに対し、マインドシフトはアウトドア色が強く出ている。

アウトドア色の強いマインドシフト製品群
マインドシフトの最大モデル。カメラ機材の入る底部を体の前に回転させられる
カメラ収納部。仕切りやパーツ類はシンクタンクフォト製品で見慣れたもの
こちらはマインドシフトの中型リュックサック。同様の機構を持つ
ウエストバッグ部分を固定するパーツは、下にスライドさせないと外れないが、装着する際は近づけるだけで磁石でピタリと吸い付く
カメラ用の防水カバーもラインナップ
畳むと小さくまとまる。必要時にバッグから取り出して使うことを想定

 ミゴ(miggo)は、カメララップおよびカメラストラップとして機能するアイデア製品を展開。幅広のカメラストラップ部分をジッパーで1本に繋げ、そのままカメラを巻いていくとカメララップとなる。発売予定の製品。

ミゴの「ストラップ&ラップ」および「グリップ&ラップ」(。それぞれ大小の2サイズと7種デザインを用意
ストラップ&ラップの使用イメージ。カメラストラップとして機能している状態
ジッパーを閉じて1本の帯状にする
そのまま巻いていくと、最後に先端の穴をレンズ部に引っ掛けて固定できる

ハクバ写真産業

 ハクバブランドのカメラバッグ「GW-ADVANCE」および「GW-PRO」を試せる。GW-ADVANCEは、日本人の体型に合わせた設計をはじめ、背中の負担を減らすことを意識。カメラを吊り下げて首の負担を減らす機構を組み込むなど、細やかな設計になっていた。

GW-ADVANCEシリーズ
GW-ADVANCEカメラリュックの背面。日本人体型を意識したストラップの取り付け幅や、カメラストラップを引っ掛けるフックが特徴

 GW-PROシリーズでは、防水のカメラバッグおよびポーチをアピール。インナーまで一体化した設計である点が特徴。

GW-PROシリーズ
防水バッグの内部。インナーが一体化している

(本誌:鈴木誠)