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キヤノンの4,500万画素機「EOS R5 Mark II」が登場…カメラ内アップスケーリングで“約1億7,900万画素”に

視線入力に対応 8K 60pの動画RAWデータ記録も

キヤノンは、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5 Mark II」を8月に発売する。価格はオープン。キヤノンオンラインショップでの参考価格は、ボディ単体が65万4,500円、RF24-105mm F4 L IS USMを同梱したレンズキットが80万8,500円前後。

2020年7月に発売した「EOS R5」の後継機。有効約4,500万画素のCMOSセンサーを採用し、EOS Rシステムのラインアップにおける“高画素モデル”の位置づけを踏襲した。

イメージセンサーおよび画像処理エンジンは従来機より刷新。同日に発表したフラッグシップモデル「EOS R1」と同様のデバイス構成となっている。

有効約4,500万画素のCMOSセンサーは、裏面照射積層型を採用。EOS R3で初採用したセンサーだが、EOS R5 Mark II向けに開発・最適化している。読み出し速度の高速化により、ローリングシャッター歪みを低減した。

画像処理エンジンは、「DIGIC X」と新開発の「DIGIC Accelerator」を搭載した。従来モデルではDIGIC Xのみで担っていたAE/AF検出などの解析処理を、DIGIC Acceleratorと分担することで処理速度を高速化。フラッグシップモデル「EOS R1」と同じく「Accelerated Captureシステム」を採用した形となっている。

イメージセンサー
中央左がDIGIC Accelerator、右がDIGIC X

従来機からの大きな変更点は、カメラ内アップスケーリングと、ニューラルネットワークノイズ低減を搭載したところ。同社のデジタルカメラ関連ソフトウェア「Digital Photo Professional」で使える「Neural network Image Processing Tool」に相当する機能で、本来はPCなどを介して行う処理をカメラ内で実行できるようになった。

カメラ内アップスケーリングは、縦横の画素数をそれぞれ2倍に拡大、トータルの画素数を4倍に拡大する機能。有効約4,500万画素のセンサーを積んでいる「EOS R5 Mark II」で使えば、最大約1億7,900万画素が得られるとしている。

ニューラルネットワークノイズ低減も同様に、カメラ内の処理で画像のノイズを低減できる機能となっている。

また人肌、空、緑色の植物検出時のホワイトバランスも向上した。

AFは従来機に搭載されたデュアルピクセルCMOS AF IIから、Accelerated Captureおよびディープラーニング技術をベースに進化させた「Dual Pixel Inteligent AF」に刷新した。こちらもフラッグシップモデル「EOS R1」と同じ。

主に追従性能が大きく進化しており、類似被写体が交錯するシーンでも逃さずに追尾できるという。

「アクション優先」機能に対応。サッカー、バスケットボール、バレーボールの3競技において、シュートやドリブルなど特定のアクションをしている被写体を認識してAFフレームを移動させる。

あらかじめ登録した被写体を検出して追尾する「登場人物優先AF」も搭載している。

ただし、EOS R1で対応した「クロスAF」は、「EOS R5 Mark II」では非搭載となっている。

RF24-105mm F4 L IS USMを装着

EOS R1と同じく「視線入力」にも対応した。「EOS R3」の視線入力よりも検出フレームレート約2倍になっている。光学系も新開発のものになった。

EVFは約576万ドット。最大倍率は0.76倍。

5軸のボディ内手ブレ補正機構を搭載。対応レンズとの協調制御において、最高8.5段分の補正効果を有する。アルゴリズムの改善により、ローリング方向のブレ対応幅がEOS R3の2倍に拡大したという。ちなみに従来機の「EOS R5」は補正段数が8段分だった。

手振れ補正ユニット

連写速度は電子シャッター時で最高約30コマ/秒。メカシャッター時で最高約12コマ/秒。従来モデルの最高約20コマ/秒(電子シャッター時)を上回り、EOS R3に匹敵する連写性能となった。ブラックアウトフリー撮影にも対応する。

シャッター全押し以前(半押し中)の画像を記録する静止画プリ連続撮影にも対応する。

8K 60pのRAW動画記録に対応する。動画撮影中の静止画記録や、プレ記録設定機能も備えた。露出状況を正確に把握できるモニター機能を装備。「フォルスカラー」「ゼブラ表示」のほかに、入力信号の輝度レベルをリアルタイムに表示する「波形モニター」の表示が可能としている。Cinema EOSと共通のカラープリセット「カスタムピクチャー」も搭載した。

HDMI端子からのRAWデータ外部出力に対応。ATOMOS社製レコーダーでProRes RAWデータの記録が可能としている。

動画の撮影中を示すタリーランプを備えた。

電源には新しいバッテリーパック「LP-E6P」を採用。電池容量は従来の「LP-E6NH」と同じ2,130mAhだが、「LP-E6P」を使用することで8K動画記録や動画撮影中の静止画記録、プリ連続撮影などの機能が利用できるようになる。

LP-E6P

オプションで各種バッテリーグリップも用意する。バッテリーグリップ「BG-R20」、Ether付きバッテリーグリップ「BG-R20EP」に加え、今回は動画性能を引き出すためのクーリングファン「CF-R20EP」も発売。

対応メモリーカードはCFexpress Type BおよびSDカード。

バッテリーグリップ「BG-R20EP」を装着。縦位置撮影に対応するほか、Ethrnet 2.5GBASE-Tを備える

Wi-Fiは6E/6に対応。有線LAN高速規格2.5GBase-Tも搭載した。

新アプリ「Content Transfer Professional」(有償)との接続に対応。スチルカメラ用「Mobile File Transfer」とビデオカメラ用「Content Transfer Mobile」を統合したアプリで、対応スマートフォンを介して静止画・動画を高速で転送できる。

外形寸法は138.5×101.2mm。重量は655g(本体のみ)。従来モデル「EOS R5」は138.5×97.5mm、650gだった。

本誌:宮本義朗