国内向け市場が好転…世界全体でミラーレス人気が顕著に

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移　出典：一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）

一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）は12月1日（金）、2023年10月のデジタルカメラ生産出荷実績（同工業会統計）を公開した。

ミラーレスカメラの好調が際立つ結果に

2023年10月のデジタルカメラ総出荷台数は79万9,184台、金額は776億1,335万6,000円だった。前年同月比では台数が96.2％と若干下回ったものの、金額は102.4％と微増する結果となった。

前月比では台数96.2％、金額94.4％といずれも減少。1～10月の累計（台数649万1,157台、金額6,029億1,730万6,000円）では、前年同月比で台数99.0％、金額110.4％だった。

カメラ区分で見ると、前年同月を上回ったのはミラーレスカメラのみ。台数129.8％、金額110.3％とおおむね好調な数字となった。前月比では台数97.4％、金額93.1％となっている。

好調に転じた国内向け市場。欧・米向け市場は振るわず

日本国内向け市場におけるデジタルカメラ総出荷台数は8万9,990台、金額は62億6,585万7,000円だった。前年同月比では台数118.6％、金額128.2％といずれも上昇。前月比では台数124.3％、金額106.6％。7月以降不調が続いていた国内向け市場だったが、好調に転じる結果となった。

カメラ区分では、ミラーレスカメラがとくに好調だった。前年同月比で台数168.5％、金額142.2%といずれも大きく伸長した。前月比でも台数133.6％、金額106.5％と上昇している。

レンズ一体型カメラは、前月から台数121.6％、金額119.6％と伸長。しかし前年同月比では台数82.9％、金額90.0％と苦戦した。

国外向け（日本以外）のデジタルカメラ総出荷台数は70万9,194台、金額は713億4,749万9,000円だった。前年同月比では台数93.9％、金額100.6％を記録。前月比では台数93.5％、金額93.4％といずれも減少している。

地域別でみると、欧州向け市場では前年同月比で台数85.3％、金額93.4％と落ち込む結果となった。ミラーレスカメラは同じく台数131.0％、金額102.2％と好調を維持したものの、レンズ一体型カメラと一眼レフカメラはいずれも台数が50％台まで減少する状況となっている。

米州向け市場でも台数91.6％、金額96.9％と振るわない結果だった。カメラ区分でみた傾向は欧州向け市場と似ており、ミラーレスカメラの好調と、レンズ一体型カメラおよび一眼レフカメラの不調が明暗を分けた格好だ。

好調がつづいている中国向け市場は、前年同月比で台数106.5％、金額103.9％を記録。ミラーレスカメラの好調は他の地域と同様だが、レンズ一体型カメラにおいても金額が109.7％と上向いたのが特徴となっている（台数は82.9％）。