中国でミラーレス・レンズ一体型カメラが好調　国内市場は伸び悩み続く

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移　出典：一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）

一般社団法人カメラ映像機器工業会（CIPA）は11月1日、2023年9月のデジタルカメラ生産出荷実績（同工業会統計）を公開した。

出荷台数・金額ともに前年同月比越え

2023年9月のデジタルカメラ総出荷台数は83万1,098台、金額は822億4,462万2,000円だった。前年同月比では台数が107.7％、金額が123.4％と伸長する結果となった。

前月比でも台数121.6％、金額133.8％と大きく上昇。1～9月の累計（台数569万1,973台、金額5,253億395万円）では、前年同期比で台数99.4％と若干下回ったものの、金額では111.7％と上回った。

カメラ区分で見ると、ミラーレスカメラが前年同月比で台数137.5％、金額135.1％と好調だった。前月比でも台数128.3％、金額138.0％と大きく伸長している。

一方、一眼レフカメラは前年同月比で台数63.9％、金額66.9％と振るわず。前月比では台数110.3％、金額109.7％だった。

不調の日本国内、好調の中国向け市場

日本国内向け市場におけるデジタルカメラ総出荷台数は7万2,395台、金額は58億7,784万5,000円だった。前年同月比では台数77.0％、金額96.0％と減少しており、7月の統計から不調が続いている。前月比は台数93.2％、金額122.9％。

カメラ区分で見ると、ミラーレスカメラが前年同月比で台数109.3％、金額109.4％と伸長したのみで、一眼レフカメラとレンズ一体型カメラは軒並み減少傾向となった。

しかし一眼レフカメラの結果を見ると、前年同月比では台数79.7％、金額91.3％と下降しているものの、世界全体の動きと比較するとその減少率は抑えられている印象。前月比で台数163.6％、金額155.0％と大きく伸長しており、それが影響しているとみられる。

国外向け市場（日本以外）のデジタルカメラ総出荷台数は75万8,703台、金額は763億6,677万7,000円を記録した。前年同月比では台数111.9％、金額126.2％と好調。前月比でも台数125.3％、金額134.8％と伸長した。

地域別で見ると、中国向け市場の好調が目を引く状況が続いている。9月の統計ではミラーレスカメラが前年同月比で台数153.6％、金額145.1％と好調だったのに加えて、レンズ一体型カメラにおいても同じく台数156.8％、金額184.1％と大きく増加するという動きを見せている。一眼レフカメラは台数53.7％、金額51.7%だった。

米州向け市場も概ね好調。とくにミラーレスカメラは台数141.6％、金額129.4％を記録しており、好調を維持している。そのほかレンズ一体型カメラも台数103.5％、金額122.3％と伸長した一方で、一眼レフカメラは台数54.4％、金額62.9％と振るわなかった。

欧州向け市場で前年同月を上回ったのはミラーレスカメラのみだった。台数117.3％、金額132.3％を記録。レンズ一体型カメラ、一眼レフカメラともに前年同月を割っている。