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国内向け市場は下降気味に…米州では「一眼レフカメラ」が好調

CIPA7月統計

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は9月1日、2023年7月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。

一眼レフカメラが健闘か

2023年7月のデジタルカメラ総出荷台数は74万1,734台、金額は679億579万2,000円だった。前年同月比では台数が102.2%、金額が103.2%といずれも微増する結果となった。

前月比では台数が110.5%、金額は108.3%を記録。年初から続いていた好調がストップした前月と一転、再び好調に転じた。1~7月の累計(台数417万7,648台、金額3,816億1,086万1,000円)で見ると、前年同期比で台数99.1%と微減しているが、金額は110.8%と成長する結果となった。

カメラ区分で見ると、特徴的な動きを見せたのは一眼レフカメラだった。台数13万3,678台、金額59億3,768万7,000円を記録し、前月から台数141.3%、金額128.4%と大きく伸長。前年同月比では台数99.3%、金額78.0%と下回ったが、ここ数カ月の動きより下げ幅は小さかった。

レンズ一体型カメラとミラーレスカメラも概ね好調。レンズ一体型カメラは前年同月比で台数87.8%と落ち込んだものの、金額では121.8%と上昇した。ミラーレスカメラは前年同月比で台数108.9%、金額104.9%を記録している。

2023年7月デジタルカメラ出荷実績(世界全体)
区分実績前年同月比
デジタルカメラ合計741,734台102.2%
67,905,792円103.2%
レンズ一体型149,088台87.8%
6,595,716千円121.8%
一眼レフ133,678台99.3%
5,937,687千円78.0%
ミラーレス458,968台108.9%
55,372,389千円104.9%

不調の国内向け市場…米州で一眼レフカメラが好調に

日本国内向け市場におけるデジタルカメラ総出荷台数は7万6,506台、金額は53億787万7,000円だった。前年同月比は台数が82.5%、金額が76.4%で、世界全体の動きとは反対に大きく落ち込む結果となった。

カメラ区分で見ると、こちらは世界全体の動きと同様に一眼レフカメラが前月比で台数118.2%、金額107.4%と好調を見せた。しかし前年同月比で見ると台数53.8%、金額40.7%と減少幅が大きい状況となっている。ミラーレスカメラにおいても、前年同月比で台数85.7%、金額74.5%と減少する結果となった。

2023年7月デジタルカメラ出荷実績(日本国内)
区分実績前年同月比
デジタルカメラ合計76,506台82.5%
5,307,877千円76.4%
レンズ一体型30,342台82.7%
932,207千円104.2%
一眼レフ3,178台53.8%
158,382千円40.7%
ミラーレス42,986台85.7%
4,217,288千円74.5%

国外向け市場(日本以外)のデジタルカメラ総出荷台数は66万5,228台、金額は625億9,791万5,000円だった。前年同月比で台数が105.1%、金額106.3%といずれも微増する結果となった。

地域別で見ると、特に好調だったのは中国向け市場だった。前年同月比で台数159.2%、金額144.7%と伸長。地域別では唯一、一眼レフカメラの台数と金額が前月から落ち込んだが、レンズ一体型カメラとミラーレスカメラはいずれも大きく上昇している。

次いで好調だったのが米州向け市場。目を見張るのは一眼レフカメラで、台数5万4,708台、金額21億2,687万7000円を記録。前年同月比で台数138.6%、金額110.4%と好調ぶりを見せている。

一方、振るわなかったのは欧州向け市場。いずれのカメラ区分も前年同月から落ち込む結果となったが、とくにレンズ一体型カメラが台数57.2%、金額78.4%と減少幅が大きかった。

2023年7月デジタルカメラ出荷実績(地域別)
地域実績前年同月比
中国向け157,758台159.2%
17,860,893千円144.7%
アジア向け(日本・中国以外)92,299台85.5%
9,110,144千円88.1%
欧州向け183,413台76.2%
15,518,780千円82.1%
米州向け205,257台129.1%
17,510,066千円118.6%
その他地域向け26,501台100.4%
2,598,032千円103.6%
本誌:宮本義朗