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キヤノン、「EOS R5 C」などシネマカメラのファームウェアアップデートを予告。VIDEO/PHOTO切り替え時間短縮、AF精度向上など

キヤノンは、同社シネマカメラ製品4モデルの最新ファームウェアを6月下旬から順次提供開始する。対象カメラと公開時期(予定)は、「EOS R5 C」が6月下旬、「EOS C70」「EOS C500 Mark II」「C300 Mark III」が7月下旬。

とくにEOS R5 Cにおいては、最多となる14項目のファームウェアアップデートを予定。同社によると、なかでも「VIDEO/PHOTO切り替え時間短縮」「AF性能の向上」「省電力モードの追加」の3点が注目のトピックとしている。

動画撮影のVIDEOモードと、静止画撮影のPHOTOモードの切り替え時間が短縮される。目安として、VIDEO→PHOTOが70%、PHOTO→VIDEOが40%の短縮となる。ミラーレスカメラ「EOS R5」相当の静止画撮影性能も有するEOS R5 Cは、動画/静止画いずれも使用するユーザーが多く、以前から同切り替え時間短縮を要望する声があったという。

AF性能においては、AF時の追尾枠の可変に対応した。従来は被写体に関わらずAF枠が正方形に固定されていたが、最新版では被写体の形に合わせてAF枠のサイズが変化するようになる。よりコントラストがある部分で測距し合焦角度が高くなることで、AF精度が向上するという。また、顔検出が“後ろ向き”や“横向き”、“ヘルメット装着時”にも対応可能になるとしている。

省電力モードの追加により、4K60P(デフォルト設定)での駆動時間が約30%改善する。省電力設定時には、「RAW」「8K MP4」「4K XF-AVC(Intra)Slow&Fast」のほか、外部とのUSB/ネットワーク通信、カメラからアクセサリーへの給電など一部機能に制限がかかる。

その他、各機種の更新内容は次の通り。

EOS R5 C(14項目)

  • キヤノンレンズへの対応
    →FLEX ZOOMレンズに対応
    →RF-Sレンズに対応
    →マウントアダプター「EF EOS R 0.71x」使用時の対応レンズ拡充
  • EOS R5のアップデート内容をキャッチアップ
    →EOS R5の2022年7月・11月、2023年3月のファームウェアアップデート内容を盛り込む(IBISなどは非対応)
  • 8KRAW収録時、VR動画収録時の左右切替
    →マグニファイ時にワンタッチでの左右切替(ダイヤル切り替え)に対応
  • クリアスキャン分解能拡大(フリッカー対応)
    →シャッター速度の1/50~1/250の範囲でクリアスキャンの分解能を拡大
  • デジタルテレコン(1.5/2/2.5/3倍)を追加
  • WFM(波形モニター)の表示サイズ・透過度対応
    →波形モニターの表示サイズ(通常/2倍)
    →ベクトルスコープのゲイン(1倍/2倍)をタッチ・メニューで変更可能に
    →波形モニター/ベクトルスコープの透過度を変更可能に
  • VIDEO/PHOTO切り替え時間短縮
  • 省電力モードの追加
  • AF性能の向上
  • 8K MP4収録時のマグニファイ(2倍)
  • Canon709/CMT709に対応(EOS C70/EOS C500 Mark II/C300 Mark IIIは対応済み)
  • Canon PictuerのWhite BalanceにG Gain追加(EOS C70/EOS C500 Mark II/C300 Mark IIIは対応済み)
  • オーディオメーターの4CH表示に対応(EOS C70/EOS C500 Mark II/C300 Mark IIIは対応済み)
  • コントロールリング/ダイヤルで顔選択

EOS C70(5項目)

  • キヤノンレンズへの対応
    →FLEX ZOOMレンズに対応
  • クリアスキャン分解能拡大(フリッカー対応)
    →シャッター速度の1/50~1/250の範囲でクリアスキャンの分解能を拡大
  • WFM(波形モニター)の表示サイズ・透過度対応
    →波形モニターの表示サイズ(通常/2倍)
    →ベクトルスコープのゲイン(1倍/2倍)をタッチ・メニューで変更可能に
    →波形モニター/ベクトルスコープの透過度を変更可能に
  • AF性能の向上
  • コントロールリング/ダイヤルで顔選択

EOS C500 Mark II/C300 Mark III(4項目)

  • キヤノンレンズへの対応
    →FLEX ZOOMレンズに対応
  • クリアスキャン分解能拡大(フリッカー対応)
    →シャッター速度の1/50~1/250の範囲でクリアスキャンの分解能を拡大
  • WFM(波形モニター)の表示サイズ・透過度対応
    →波形モニターの表示サイズ(通常/2倍)
    →ベクトルスコープのゲイン(1倍/2倍)をタッチ・メニューで変更可能に
    →波形モニター/ベクトルスコープの透過度を変更可能に
  • SDI-Out端子の機能拡充
本誌:宮本義朗