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キューブリック映画で使われた「Planar 0.7/50」、独ツァイス博物館に展示中

「バリー・リンドン」の撮影で使われたPlanar 0.7/50

カールツァイスは9月21日、ドイツ本社のZEISS光学博物館で「Planar 0.7/50」の展示を開始したと発表した。

NASAのアポロ計画のために特別に開発され、10本が製造されたレンズ。3本を映画監督のスタンリー・キューブリック氏が購入し、映画「バリー・リンドン」における、ロウソクの光で照らされた屋内シーンの撮影に用いたことで知られる。

キューブリック監督の全作品のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたヤン・ハーラン氏が、キューブリック監督の指示で同レンズを調達したのが1972年。このほどハーラン氏がカールツァイス・ドイツ本社の光学博物館を訪れ、撮影に使われたレンズが博物館に長期貸し出しされることになった。

キューブリック監督の指示で同レンズを調達したヤン・ハーラン氏。同レンズを博物館に貸し出す
「バリー・リンドン」で使用されたロウソク。少しでも明るく灯すため、芯を3本に増やしている

同レンズは後玉からフィルム面までが5mm程度しかなく、既存の映画撮影用カメラでは使えないとの説明を受けたキューブリック監督は、同レンズ専用に加工したカメラを調達して撮影に挑んだという。

ZEISS光学博物館では、ハーラン氏の来館に合わせてPlanar 0.7/50の特別展を開催
本誌:鈴木誠