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富士フイルム、ARも楽しめる“チェキ”プリンター「instax mini Link 2」。1.6万円

チェキフィルムの生産ラインが増設

富士フイルムは、スマートフォン用プリンター“チェキ”「instax mini Link 2」(以下、Link 2)を7月28日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税込1万5,800円前後。カラーは、ソフトピンク、クレイホワイト、スペースブルーの3色を用意する。

カードサイズのチェキフィルム「instax mini」に対応するスマートフォン用プリンター。専用アプリとBluetoothで接続し、スマートフォンで撮影または保存した画像を手軽にプリントできる「Link」シリーズの最新モデル。主な新機能として、空間描画機能「instaxAiR」を搭載。日頃からSNSに投稿する写真や動画にエフェクトをかけて楽しむ若い世代に向けて訴求する。

ソフトピンク
クレイホワイト
スペースブルー

instaxAiRは、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を利用して、静止画や動画にエフェクトを重ねられる機能。専用アプリを利用してスマートフォンで撮影する際に、画面上を指でなぞり、「スプレー」「花びら」「シャボン玉」といったエフェクトをかけることができる。

また、被写体となる人がLink 2を手に持ち、本体側面のLEDをスマートフォンに向けて動かすことで、その動きに合わせてエフェクトを重ねられる機能も備えた。“空間描画”をする際には動きに合わせてLink 2が振動。例えばスプレーエフェクトを使用する際、実際にスプレー缶で噴射しているような感覚が得られるという。

instaxAiRを利用した15秒尺の動画撮影にも対応。動画の一部を切り取りQRコードを添付してプリント。QRコードを読み取るだけで簡単に他者と共有できる。また、撮影した動画にinstaxプリントのフレームや、好きな背景をつけてスマートフォンへの保存が可能としている。

以下の動画では、最初にアプリ画面を指でなぞってエフェクトをかける様子を、次にLink 2を動かしてエフェクトをかける様子を写している。

instaxAiRでエフェクトをかける様子

Link 2をリモコンとして使用できる「instax Camera」機能を搭載。内蔵の加速度センサーにより、本体の傾きでズームイン/アウトができるほか、スマートフォンのシャッターボタンと連動させることも可能。

相性診断機能「Match Test」に「直感診断」メニューを追加した。画面内に写った2人がそれぞれ気分に合う色を選択すると、相性のパーセンテージと選択した色がチェキプリントに表示される。

縦縞のデザインは従来機から踏襲しているが、縦縞の幅が広くなっている。従来機より“柔らかい印象”に仕立てているという
真横から見た様子

スマートフォン・タブレット向けアプリの「FUJIFILM Camera Remote」を利用して、同社製デジタルカメラからの画像データ受信およびプリントにも対応する。なお、ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-S10」はカメラから直接画像を送信できる。

外形寸法は91.9×36.4×124.8mm(突起部除く)。重量は210g(フィルム別)。製品には充電用のMicro USB ケーブルが付属する。

関連製品

ミニフォーマットフィルム「SPRAY ART」

フレームに“スプレーで勢いよく描いたようなデザイン”をあしらった新フィルム。1パック10枚入り。同梱された10枚はすべて違ったデザインになっているという。店頭予想価格は税込870円前後。7月28日発売。

mini Link 2プリンターケース

Link 2やケーブル、チェキプリントが収納できるハードケース。ピンク、ネイビーブルー、ホワイトの3色を用意。店頭予想価格は税込1,980円前後。7月28日発売。

空間描画機能「instaxAiR」の使い方

「instaxAiR」機能の操作方法を確認した。利用するには専用アプリとの接続が前提となる。従来モデル「instax mini Link」と共有のアプリとなっており、初めに設定を「instax mini Link 2」に変更する必要がある。

設定メニューから「instax mini Link 2」を選択する
アプリのメイン画面(Fun Mode)
右下に「instaxAiR」のアイコンがある
instaxAiRの画面。静止画と動画の選択が可能
エフェクトの種類も選択できる
アプリからの操作で、Link 2のLEDが点灯。それによってLink 2でエフェクトを描けるようになる

Link 2を利用してエフェクトを描く場合、本体上部の「Featureボタン」を押しながら、スマートフォンに向けて動かす。ボタンは半押し/全押しの使いわけに対応。例えばスプレーエフェクトを使用する場合、半押しの時は細く、全押しの時は太くスプレーをかけられる。

画面手前の本体角に「Featureボタン」を備える

以下のデモ動画にあるように、動画撮影の場合は動きのあるエフェクトをそのまま映像として記録できる。動画を共有するには、プリントしたQRコードを読み取るか、動画をSNSに投稿するといった手段がある。一方、静止画撮影においては、動きのあるエフェクトを静止画として切り取るイメージになる。スプレーなどのエフェクトであらかじめ描画しておいて、そこに被写体を入れ込んで撮るといったことも可能。

実際に「instaxAiR」機能を利用する様子
公式チュートリアル動画

チェキフィルム生産ラインを増設。生産能力を2割増しに

富士フイルム株式会社代表取締役社長・CEO 後藤禎一氏

7月7日に開催した同製品の発表会では、富士フイルム株式会社代表取締役社長・CEO 後藤禎一氏より、富士フイルムホールディングスおよびイメージングソリューション事業の取り組みについて説明があった。

2021年度の富士フイルムホールディングス全体の連結売上高は2兆5,258億円(対前年比15.2%増)、営業利益は2,297億円(対前年比38.8%増)で過去最高を記録。前年度からの大幅な増収・増益を達成した。

イメージングセグメントについては、2021年度はカラー印画紙や放送・シネマ用レンズなどがコロナ禍から回復傾向にあった。加えて、インスタントフォトシステムやデジタルカメラ製品の投入で販売が好調に推移。イメージングセグメントとしての売上高は3,334億円(対前年比16.9%増)、営業利益は370億円(対前年2.4倍)を記録。売り上げ・利益ともにコロナ禍以前の2019年度を上回る結果となった。

インスタントフォトシステムにおいては、2021年に「instax mini 40」「instax Link WIDE」「instax mini Evo」の3製品を投入。いずれも市場から高く評価受け、販売は好調に推移したという。特にinstax mini Evoの販売数は発売時の計画から2倍超となった。こうした流れを受けてinstaxフィルムの販売も順調に推移。同社はinstaxフィルム生産ラインの増設投資を決定。生産能力は従来の2割増になるという。

後藤氏は同社イメージングセグメントの目指す姿についても言及。「イメージングの未来を作るというビジョンのもと、付加価値の高い製品サービスソリューションの提供を通じて、様々な思い出や出来事を写真という形にすることで、心の豊かさや人々のつながりを強めることに貢献してまいります」と説明した。

「これまでのチェキと違うワクワク感」

製品発表会に登場したのは女優の広瀬すずさんと、伊原六花さん。七夕にあわせて色鮮やかな着物姿で駆け付けた。

事前にLink 2を使ってみたというお二人。広瀬さんは「これまでのチェキと違うワクワク感があって、今までにない機能もありとても楽しかったです」とコメント。伊原さんは撮影現場にLink 2を持っていった際に、「撮影現場で人気者になりました」とエピソードを披露してくれた。

七夕をイメージしたセットが登場
舞台上でお二人による撮影会が始まる
撮影を試みる広瀬さん
撮影を楽しむお二人
舞台上で撮影した写真(以下同)
本誌:宮本義朗