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カメラグランプリ2022大賞は「ニコン Z 9」。読者投票部門とダブル受賞

カメラグランプリ2022実行委員会は5月19日、カメラグランプリ2022の結果を発表した。

カメラグランプリは、写真・カメラ専門媒体の担当者の集まりであるカメラ記者クラブが1984年から開催。今回は、2021年4月1日〜2022年3月31日に発売された製品を対象に、カメラ記者クラブの会員、加盟誌の代表者、カメラグランプリ実行委員が委託した外部選考委員、特別選考委員(学識経験者、カメラメカニズムライター、写真家、写真関連団体の代表など)、および特別会員のTIPA(The Technical Image Press Association:欧州を中心とした24媒体およびカメラ記者クラブが加盟する写真・映像雑誌の団体)による46名が選考した。

大賞:ニコン Z 9

選考委員の配点により決まる賞。1位はニコン Z 9(188点)に決まった。

2位はキヤノンEOS R3(136点)、3位はOM SYSTEM OM-1(54点)、4位はソニーα7 IV(35点)、5位はシグマfp L(12点)。

選考理由(引用)

有効画素数4,571万画素の積層型CMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED 7」の組み合わせにより、追従性の高いライブビュー表示、世界最多9種類の被写体検出、歪みを抑えた電子シャッター撮影などを実現したフラッグシップモデル。メカニカルシャッターを廃したことで、シャッターの動作音、および、動作耐久を気にする必要がなくなった点も評価された。

レンズ賞:ソニーFE 50mm F1.2 GM

選考委員の配点により決まる賞。1位はソニーFE 50mm F1.2 GM(61点)に決まった。

2位はキヤノンRF100mm F2.8 L MACRO IS USM(59点)、3位はニコンNIKKOR Z 24-120mm f/4 S(37点)、4位はタムロン35-150mm F/2-2.8 Di III VXD(34点)、5位はソニーFE 70-200mm F2.8 GM OSS II(27点)。

選考理由(引用)

高解像とボケ味の両立を実現しつつ、F1.2の明るさを持つミラーレスカメラ用の大口径レンズとしては小型で、カメラボディのサイズ感にマッチしているという声が集まった。また、AFスピードの速さやMF時の操作感も、こだわりを感じる要素として高く評価された。

あなたが選ぶベストカメラ賞:ニコン Z 9

Webでの読者投票により決まる賞。ニコン Z 9が最も多くの票を集めた。

投票理由の一部抜粋(引用)

・ニコンZシリーズの最高峰。これさえあればなんでも撮れる
・現時点で、機能と大きさ、コストパフォーマンスのバランスが最もとれている素晴らしいカメラだと思うので
・電子シャッターなのに歪まない、ファインダーがどこのメーカーよりも見やすい、フラッグシップにしてはコスパが良すぎる
・メカシャッターレスなどフラッグシップ機における新しい水準を提示
・人類がカメラに注いだ技術の一つの到達点・プロ向けとして申し分ないスペックを詰め込みながら、センサーの高速読み出しによるメカシャッターレスの実現など、チャレンジングな製品だと評価できる
・メカシャッターレス、4K動画撮影が時間制限なくできる、8K30P撮影が2時間以上撮影可能など、エポックメイキングな新しい時代のカメラだと感じたから
・完全ブラックアウトフリー、メカシャッターレスが革新的。それに加え、低コストで下級機への転用が現実的である
・待ちに待ったニコンのミラーレスフラッグシップカメラ。機能、機構、性能、そして価格と、いろいろ驚かされたカメラだったから

カメラ記者クラブ賞

カメラ記者クラブ会員の合議による賞。ニコン Z fcの商品企画を「企画賞」、キヤノンEOS R3の視線入力を「技術賞」として選出した。

【企画賞】ニコン Z fc

・選考理由(引用)
若い新規ユーザーの目を引くニコン銀塩一眼レフカメラ風のスタイリングと、すでに性能面で定評あるミラーレスカメラ「Z 50」の基本性能を融合。カタログデザインにもファッション性を取り入れるなど、新規層開拓に向け一貫性のある商品企画を展開。往年の銀塩一眼レフカメラを懐かしむ層も巻き込み、大きな話題となった点も評価した。

【技術賞】キヤノンEOS R3

・選考理由(引用)
ファインダー内の見つめた先にAFフレームを移動させる「視線入力」機能は、現在のデジタルカメラにおいてキヤノン独自のもの。指先で扱うスティック状やタッチパッド状のコントローラーに加え、視線を使ってAFフレームを指定するという新規性を評価した。開発発表時には、銀塩EOSシリーズに搭載されていた“視線入力AF”の復活としても注目された。

本誌:鈴木誠