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キヤノン、国宝「風神雷神図屏風」をEOS R5で再現。自動分割撮影で42億画素に

YouTubeで制作過程が公開

国宝「風神雷神図屏風」の高精細複製品

キヤノンは1月7日、文化財の保存を目的とした「綴プロジェクト」の技術を紹介する動画を、同社公式YouTubeチャンネルにて公開した。

綴プロジェクトは、文化財の保存および高精細複製品を活用することを目的として、2007年から同社と京都文化協会が共同で推進しているプロジェクト。同社のイメージング技術と京都伝統工芸の技を融合して、屏風や襖絵、絵巻物など貴重な文化財の高精細な複製品を制作して寄贈している。

本動画では、このほど同社が取り組んだ、京都府の建仁寺が所蔵する国宝「風神雷神図屏風」の複製品制作過程を題材に、同プロジェクトの鍵となるカメラや画像処理技術を紹介している。

同社は動画の見どころとして3つのポイントを紹介している。ひとつ目はカメラ技術について。風神雷神図屏風の複製品制作では、ミラーレスカメラ「EOS R5」を使用。自社開発の旋回台にカメラをセットし、風神雷神図屏風を168コマに分割して撮影。撮影したデータは歪みを補正しながら自動で合成し、42億画素相当のデータを作成しているという。

自社開発の旋回台にEOS R5を装着して撮影

ふたつ目のポイントは画像処理技術。取得した画像データは、そのまま印刷してもオリジナル作品の色合いを忠実に再現することはできない。そのため綴りプロジェクトでは対象となる作品ごとにカラープロファイルを作成し、撮影現場で精密な色合わせを実施。文化財への負担を軽減するとともに色の再現性を確保しているという。

最後のポイントはプリント技術。同社の大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF PRO-4000」の色再現力を活かして、経年変化に伴う色合いや立体感、質感再現に注力しているという。

本誌:宮本義朗