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PENTAX K-3 Mark IIIは“CP+2021のころ発売”

最高ISO160万などスペック詳細が判明 20万円台後半の見込み

PENTAX K-3 Mark IIIを手にする高橋忍氏(リコーイメージング株式会社 代表取締役社長)
※メッセージ動画「新APS-Cフラッグシップモデル詳報~製品名称、仕様、発売時期など~」より(以下同)

10月27日、ペンタックスの新型APS-Cフラッグシップ一眼レフカメラの正式な名称が「PENTAX K-3 Mark III」に決定。あわせてセンサー画素数やコマ速などの詳細なスペックが明らかになった。同日付で公開されたメッセージ動画を交えつつ、その進化点やコダワリについてお伝えしていきたい。

ブランドステートメントを体現する

2020年7月16日に配信された動画「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」において、リコー・リコーイメージングはPENTAX機の明確な開発姿勢を提言し、光学ファインダー機ならではの感動や楽しみの提案に注力していくと発表。新型機もこの考えに沿って開発していると伝えていた。

今回の正式名称発表にあたり、同日付で公開されたメッセージ動画「新APS-Cフラッグシップモデル詳報~製品名称、仕様、発売時期など~」において高橋忍氏(リコーイメージング株式会社 代表取締役社長)は、本機をPENTAX K-3 II(2015年発売)の後継だと説明。ブランドステートメントを体現するモデルで、その進化点は「後継機という枠を超えたレベル」になっていると力強く宣言した。

PENTAX K-3 Mark III

進化ポイントとは

新モデルの進化点について言及した高橋氏は、そのポイントを4つにわけて整理して説明していった。

一つ目はファインダーだ。既報のとおり、新開発したガラスペンタプリズムを採用したことで、本モデルのファインダー倍率は1.05倍となっており、35mm判フルサイズ一眼レフカメラK-1シリーズに匹敵する視野角を実現しているという。ステートメントで宣言している撮影体験実現のために、最も重要な要素だったと強調。ピントの山の掴みやすさもポイントだと説明した。

二つ目は、操作性。操作系にジョイスティックタイプのセレクターが搭載された点は既報のとおりだが、高橋氏は動画中でグリップについても試作を重ねて握りやすさを追求していったと説明した。このほかタッチ対応の背面モニター(約162万ドット)の採用やユーザーインターフェースを見直すことで直感的な操作が可能になっている点もポイントだという。

三つ目は画質。製品スペックの詳細によると、本モデルのセンサーは有効約2,573万画素のCMOSとなっている。モアレ低減機能のローパスセレクターを引き続き搭載しているため、光学ローパスフィルターレス構造を継承していると見られる。

センサーのほか、画像処理エンジン、アクセラレーターユニットも一新したその画質設計について「印象色」を重視したと説明した高橋氏。設計者が実写と評価を繰り返して撮影者の感動をありのままに描き出す、という思想のもとで調整をおこなっていったと説明。その仕上がりを「感性品質」という言葉で表現した。

また、ISO感度も向上している。本モデルでは最高でISO 1600000に対応。PENTAX KP(最高ISO 819200)から1段分の向上を実現した。

四つ目に挙げられたポイントは速写性。新開発のシャッター機構を採用することで、約12コマ/秒の連写性能を実現。最高速度は1/8000秒で、低速側は30秒。バルブにも対応する。映像では実際にこの連写速度を実演する場面もみられた。

また、センサーシフト5軸補正式の手ブレ補正機構も引き続き搭載。補正効果は5.5段分となっている。

AFは動体性能についても改善されているという。

発売時期と価格

開発状況についてふれた高橋氏は、具体的な発売時期について具体的には、2021年2月25~28日にかけてパシフィコ横浜で開催が予定されているCP+2021頃を目指して進行していると説明。「最高のカメラをお届けするべく、開発の最終調整を全力でおこなっている」状況だとして、もうしばらく待ってほしいと頭を下げた。価格は未定ながら、20万円台後半の見込みだという。

PENTAX K-3 Mark IIIの主な仕様

センサー

有効画素数:約2,573万画素(CMOS、23.3×15.5mm)
ローパスセレクター:搭載

ISO感度

ISO 100~1600000
※1EVステップ、1/2EVステップまたは1/3EVステップ

手ブレ補正機構

センサーシフト方式「SR II」(5軸補正)
補正効果:5.5段分(CIPA規格準拠)

ファインダー

ペンタプリズムファインダー
視野率:約100%
倍率:約1.05倍(HD PENTAX-D FA☆50mm F1.4 SDM AW使用、無限遠時)
アイレリーフ:約20.5mm(見口枠より)、約22.0mm(レンズ中心より)
フォーカシングスクリーン:ナチュラルブライトマットIII

背面モニター

3.2型約162万ドット(タッチ対応)

連写速度

最高約12コマ/秒
※JPEG(L・★★★・連続H):37コマまで、RAW:32コマまで、RAW+:30コマまで

記録メディア

SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II対応)
※デュアルスロット仕様。UHS-IIはスロット1のみ対応
※順次、複製、RAW/JPEG分離、画像コピー対応

バッテリー・撮影可能枚数

バッテリー:D-LI90P
撮影可能枚数:約800枚

外部インターフェース

USB Type-C(USB 3.2 Gen1):充電およびカメラ本体への電源供給(専用ACアダプター使用)に対応
ケーブルスイッチ端子(2.5mm)
シンクロソケット
HDMI端子(Type D)
マイク端子
ヘッドホン端子

無線

Wi-Fi:IEEE 802.11b/g/n
Bluetooth:Bluetooth 4.2(Bluetooth Low Energy)

外形寸法

約134.5×103.5×73.5mm

質量

バッテリー、SDカードを含む:約820g
本体のみ:約735g

メッセージ動画

「新APS-Cフラッグシップモデル詳報~製品名称、仕様、発売時期など~」

本誌:宮澤孝周