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本日公開の「まぼろしの参考出品PENTAX製品」発表内容まとめ

新APS-Cフラッグシップ機、"2020年中に発売"の公約は?

リコーイメージングは5月15日、CP+2020で展示予定だった開発中製品を紹介する「まぼろしの参考出品PENTAX製品」の動画を公開した。

約40分の動画の中で、同社マーケティンググループの川内氏を司会に、商品企画担当の岩﨑氏、若代氏が各製品を順次紹介。製品発表会に立ち会っているような感覚で見られる内容となっていた。

本稿では以下に、動画内での主な発表内容と、リコーイメージング提供の製品画像などをまとめて掲載する。製品お披露目のライブ感を楽しみたい方は、画面を下にスクロールする前に、上の動画内容をご覧になることをお勧めしたい。

なお、今回お披露目された各製品については、外観写真も最終品ではなく、今後も正式発表までに公式WebサイトやSNSで随時情報を発信していくそうだ。

HD PENTAX D FA★85mmF1.4ED SDM AW

開発発表済みの35mmフルサイズ対応レンズ。現時点で動作・撮影可能なプロトタイプが存在するため、2020年後半の発売は間に合う見込みだという。

85mm F1.4のスペックはフィルム時代に存在していたものの、カメラ側のデジタル化に伴いAPS-Cレンズが中心になったことで、現在までラインナップから抜けていた。そのためユーザーからの要望も高く、リコーイメージングとしても「とにかく早く出したかった」というレンズ。同社渾身の85mmをどのような形で出すか検討した結果が本製品だという。

一番の売りは「像性能」としている。蛍石と似たような特性を持つ高価なスーパーEDレンズを3枚採用し、色収差を低減。これによりポートレートの撮影時にも、まつげや肌のフチに余分な色が付かないという。

レンズ構成では、望遠系に珍しく前玉を凹レンズとし、撮像面に至るまでなるべく光線を曲げないようにしたという。光を大きく屈折させると収差が増える原因になるため、これも色収差低減に貢献する。

なだらかな後ボケを得られるように球面収差の形を設計。前ボケとのバランスも見つつ、最高の85mmレンズを目指して妥協していないという。

HD PENTAX-D FA 21mm Limited(仮称)

数値で測れない描写、所有する喜び、撮影を楽しめることを追求したLimitedシリーズの1本。"D FA"で初となるLimitedレンズで、F値など具体的な名称は未定。2021年中の発売を目標に開発中だという。

超広角スナップを意識して、21mmかつ寄った撮影もできるように企画。被写体の背景が雰囲気を残しながらボケるような設計だという。

これまでのFA Limitedレンズに対する「防滴」と「静音」の要望を受け、AF駆動はレンズ内DCモーターを採用し、アルミ削り出しの鏡筒は防滴仕様の"WR"とした。マウントはKAF4。

HD PENTAX-DA★16-50mmF2.8(仮称)

APS-C用の大口径標準ズームレンズ。KAF4マウントを採用し、K-S1以降のボディのみ対応するという。後述する新しいAPS-Cフラッグシップ機(2020年中に発売予定)にマッチすることが意識され、2021年の発売に向けて開発中としている。

既存の「smc PENTAX-DA★16-50mmF2.8ED AL[IF] SDM」(2007年発売)とはスペックこそ近いが、画質などのレベルを高めた。

AF駆動に採用したPLM(パルスモーター)は、これまで採用が難しかったというモーター。これによりAF速度と静かさが期待できるという。

鏡筒は防塵・防滴構造の"AW"(All Weather)仕様とした。

Kマウント一眼レフのAPS-Cフラッグシップ機(名称未定)

2019年9月のファンイベントで開発発表した製品。同社製品の一部では部品調達が遅れているとの発表もあるが、本機の発売予定時期は引き続き「2020年中」としていた。

K-7以降のAPS-C一眼レフ上位機と同様に、最高性能を小型ボディに凝縮し、堅牢性にも優れること目指した製品。ペンタックスユーザーに「APS-C一眼レフカメラで最高」と思ってもらえることを意識しているという。

一番の特徴は光学ファインダーの見え味だという。ファインダー倍率はK-5/K-7が0.92倍、K-3/KPで0.95倍だったところから、1.05倍に引き上げた。これにより35mmフルサイズ機のK-1シリーズに匹敵する見かけ視界とピントの合わせやすさが得られるという。

ファインダー倍率を高めるために、ペンタプリズムの素材に加工が難しい高屈折率硝材を採用。接眼光学系の全面見直しも経て、ファインダー像は周辺までクリアで、歪みも少ないという。

また、動体撮影性能についても、AFの駆動と制御、AFシステムなどのあらゆる面で見直しが入っているため「期待してほしい」としていた。

外観では、ペンタ部をフィルムカメラ時代を意識した面構成に変更。バッテリーグリップは測距点レバーなども備えた新型を用意するという。バッテリーグリップの姿が公開されたのは今回が初めて。

本誌:鈴木誠