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国内のレンズ交換式デジタルカメラ市場はミラーレス優勢

欧州地域は一眼レフ優勢 2月のCIPA統計より

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)が2020年2月のデジタルカメラ・カメラ用交換レンズの生産出荷実績(同工業会統計)を公開している。

公開された統計のうち、「デジタルカメラ生産出荷実績」によれば、デジタルカメラの総出荷台数は、レンズ交換式とレンズ一体型を合わせて計67万9,043台(前月比84.4%)で、金額では297億3,340万4,000円(前月比89.3%)となっており、前月1月より台数・金額ともに後退した。

このうち国内向けの出荷台数は計10万2,009台(金額:43億2,987万円)で、国外向けの出荷台数は57万7,034台(金額:254億353万4,000円)となった。前月比でみていくと、国内向けの出荷台数が76.2%と大きく落ち込んでいることがわかる。一方で、金額ベースでは93.9%となっており、1割未満の下げ止まりとなっている。

レンズ交換式デジタルカメラの総出荷台数の内訳をみていくと、前月1月は一眼レフカメラがミラーレスカメラの出荷台数をわずかに上回る状況(一眼レフ:22万7,486台、ミラーレス:21万8,844台)となっていたが、今月も引き続き同様の傾向が続いている(一眼レフ:23万2,657台、ミラーレス:21万9,856台)。単純な数量だけでいえば、ミラーレス機が横ばい基調にある中で、一眼レフ機が約5,000台以上増加していることがわかる。

一方、国内市場に目を向けるとミラーレス機3万2,867台に対して、一眼レフは1万1,123台となっており、およそ3倍近い差が生まれている状況にある。金額ベースでも、ミラーレス22億8,267万円、一眼レフ8億603万円となっており、その差は2.8倍ほどの開きがでている。

国内ミラーレス機をめぐる前月の状況をみると、台数は3万503台、金額20億4,762万7,000円を記録している。2月の実績は台数が約2,000台、金額では約2億円の増加がみられたことになる。ただ、レンズ一体型の出荷台数が大きく減少しており(1月8万6,758台→2月5万8,019台)、これが国内の出荷台数の総計を大きく引き下げている要因となっていることがわかる。

世界市場レベルでみると、1月から引き続き一眼レフカメラの出荷台数がミラーレスカメラを上回る状況が続くこととなったが、日本、中国、その他アジア地域ではミラーレスカメラの出荷台数のほうが優勢となっており、一眼レフカメラ優勢となっているのは欧州地域のみとなっている。

本誌:宮澤孝周