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第3回笹本恒子賞は吉永友愛さんに決定

長崎のキリシタン文化を丁寧に表現

かんころの釜茹で

公益社団法人日本写真家協会は、若手写真家を対象とする「笹本恒子写真賞」において、第3回の受賞者を吉永友愛さんに決定した。

同写真賞は、同協会の名誉会員笹本恒子さんの102歳を記念して2016年に設立。プロ写真会として3年以上の実績を持ち、現在活動中の写真家が対象。過去3年間で日本の社会状況を鋭く捉えた作品を出版および、写真展などで公開し、社会に大きな影響を与え、写真表現の力を公衆に知らしめた写真家であることが選考の理由となる。

なお、笹本恒子さんは日本最初の女性報道写真家といわれ、東京日日新聞(現毎日新聞)での日独伊三国同盟の婦人祝賀会をはじめ、戦時中のさまざまな国際会議を撮影。戦後はフリーに転身し、安保闘争の写真などで知られている。

受賞理由は、「徳川幕府によるキリスト教徒の迫害、弾圧が260年も続いた外海(そとめ)の教徒たちは、迫害を逃れて山中に立て篭もり、信仰を守り続けてきた。その集落に住む末裔の敬虔な信徒たちの日常を、素朴な視線できめ細かく記録し、信仰の奥深さを丁寧に表現した力作に対して」としている。

教会のミサで
教会…老女
聖地でのミサ

プロフィール

1944年 長崎市生まれ。
1971年から長崎市の写真クラブで写真を始め、勤務の傍ら写真を撮り続ける。
1977年 キリシタンの歴史、生活に興味を持ち撮影を始める。
1979年から全国公募「視点」展に応募し、推奨賞、特選などを受賞。
1990年 写真家一村哲也氏に師事。
長崎県美術協会名誉会員。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。