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チェキ好調はまだ続く 年率5%の成長を見込む富士フイルム
一般参加型写真展「“PHOTO IS” 想いをつなぐ。」も海外進出
2018年7月13日 08:00
今年も富士フイルムが実施する「“PHOTO IS” 想いをつなぐ。50,000人の写真展」の季節がやってきた。7月12日(木)、明日オープンを控えた東京会場で開かれた内覧会で、富士フイルム株式会社の岩﨑哲也イメージング事業部長が事業環境について述べる一幕があったので、“PHOTO IS” 想いをつなぐ。展とは別の話題としてお伝えしよう。
「“PHOTO IS” 想いをつなぐ。50,000人の写真展」は、2006年スタートの「10,000人の写真展」に端を発する参加型写真展。全国の写真店の店頭などから応募でき、幅広い層の写真が集まることで知られる。今回は5万6,152点の応募があった。数多くの会場を巡回することでも知られ、今年は33カ所での展示が行われる。
好調続くチェキビジネス
岩﨑事業部長によると、2017年の同社イメージング事業の売上高は2,553億円。前年より8%強の増加となっている。伸張を支えているのはインスタンフォト分野、いわゆるチェキのビジネスだ。
インスタントフォト分野におけるエリア別での売上高を見ると、先進国が80%強を占めると同時に、伸び率の高かった中国・韓国での需要も若干落ち着きを見せている。一見すると普及期が終了し、踊り場に差し掛かったかに見えるチェキだが、インドなど新興国での需要はこれから。加えてプリンティングビジネスも好調で、今後も事業全体で年率5%の成長が予測されるという。
ちなみに2018年度のinstaxチェキの販売台数目標は、前年より約17%増の900万台。2013年から4倍程度にまで成長したこととなり、累計販売台数にして3,000万台以上を計上する。
一方プリントビジネスはスマートフォンの影響を大きく受けているとはいえ、フォトブックなどプリント需要に結びつける施策は一定の成功を収めた。“PHOTO IS” 想いをつなぐ。展もそうした施策のひとつになる。
最近では3ステップでプリント注文ができるiPhone用プリントアプリを用意するなど、富士フイルムでも時代に合わせた対応をとる。80mm角の「ましかくプリント」や、スマートフォンの縦長画面を想起させるSlim A5サイズ、Slim A4サイズを追加ラインナップしたPhotoZINEなどにも、こうした動きが見て取れるだろう。
新しい消費者に寄り添い、提案・発信を続けるプリントビジネスといえば、六本木からスタートした提案型プリント直営店「WONDER PHOTO SHOP」も忘れてはならない。こちらも成功を収め、いまや同名の店舗が世界26カ国で展開中だ。
“PHOTO IS” 想いをつなぐ。展の海外進出もトピックだ。昨年、マレーシアで同様のコンセプトの写真展を実施して5,000点強の応募を集めたが、今年はニューヨーク、カナダ、ドイツ、タイ、マレーシアでの写真展示が計画されている。名称は「FUJIFILM Global Photo Exhibition」に変わるが、一般消費者から写真を募り展示するという取り組みは同じ。ニューヨークはグランドセントラル駅、ドイツはフォトキナ会場で展示される。計10万人規模の展示を目指す。
新しくInstagramからの応募を受け付けるなど、“PHOTO IS” 想いをつなぐ展自体も、消費者のトレンドに沿った進化を続けている。その模様も後日お伝えしたい。