写真展レポート

富士フイルム「 “PHOTO IS”想いをつなぐ。50,000人の写真展 2018」が開幕

「“PHOTO IS”想いをつなぐ。50,000人の写真展 2018」が7月13日(金)、東京・六本木のフジフイルムスクエアで開幕した。

この写真展は、応募者全員の作品が展示される日本最大の参加型写真展。2006年に「10000人の写真展」としてスタートし、以来年々規模を拡大。今年は総勢5万6,152点の写真が集まり、全国33ヶ所で展示される予定だ。

タイトルは「50,000人の写真展」だが、5万点の写真がすべての会場で展示されるわけではなく、応募者自身がどの会場で展示するかを応募時に選択できる仕組み。また、写真にもそれぞれ部門が設置されており、テーマやジャンルを問わない「一般展示部門」、懐かしい情景を写した「『懐かしいあの頃』部門」、企業とタイアップした「おやこをつなぐフォトレター」など、総勢18の部門に分かれた。

六本木会場には1Fと2Fに渡って写真が展示された。1Fには特別企画「心に響いた100選」が展開。写真に馴染みがある著名人5人(小山薫堂、佐野史郎、野口健、広瀬すず、松任谷正隆)と、写真家やアートディレクターの5人(織作峰子、鍵井靖章、近藤大真、竹沢うるま、三村漢)、計10人が10枚ずつ、応募写真の中から心に響いた作品を選出。加えて、それぞれが撮影した渾身の1枚も展示された。

笑顔あふれるポートレート、重厚な心象風景、アート風の組み写真など、各々の感性で多種多様に選出された写真が、これまた通常の写真展とは異なる趣を見せる。「心に響いた100選」は、全国30会場で展示される。

2Fには「『なつかしいあの頃』部門」が展示。昭和のモノクロ写真や戦前の様子を写した貴重な写真もあった。

こうして見ると、開発などで土地の様子が変わっていく世の中にあり、プリントして写真を形に残していくことの価値を改めて感じる。大量のデータがスマートフォンやHDDに残っている方にとっては、一度プリントしてみるきっかけになるかもしれない。

そのほか、「一般展示部門」では、六本木会場に指定された応募作品がすべて展示された。

1枚1枚に手書きで作品タイトル、その写真に込めた想いなどが記されており、決して技術的に優れた作品でなくとも、見た人に何かを訴える力がある。

「『鉄道のある風景』部門」も展示。

中でも「心に響いた20選」では、鉄道写真家の中井精也さんがセレクトした20枚が特別展示された。

その他、今年から新設された「『お気に入りの1枚』部門」、「『インスタグラム』部門」、企業とタイアップした特別展など、多様な写真が並んだ。

東京会場の展示は7月18日(水)まで。その後、名古屋、大阪、広島、札幌など、11月11日(日)まで全国の会場を回る予定だ。

また、ドイツ、アメリカ、マレーシア、カナダ、タイの5カ国でも、それぞれの国で募集した写真を展示する予定だ。

中村僚

編集者・ライター。編集プロダクション勤務後、2017年に独立。在職時代にはじめてカメラ書籍を担当し、以来写真にのめり込む。『フォトコンライフ』元編集長、東京カメラ部写真集『人生を変えた1枚。人生を変える1枚。』などを担当。愛機はNikon D500とFUJIFILM X-T10。