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六本木の「FUJIFILM SQUARE」が開館10周年を迎える

記念写真展が開幕 1年間で12の特別企画展

富士フイルムフォトサロンで「『フジフイルム・フォトコレクション』展 - 日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」」が開幕

富士フイルム株式会社は、東京・六本木の同社ショールーム「FUJIFILM SQUARE」(フジフイルム スクエア)にて、開館10周年の記念写真展を3月24日(金)から1年間にわたり開催する。

FUJIFILM SQUAREは東京ミッドタウン内に2007年オープン。フォトギャラリー「富士フイルムフォトサロン」をはじめ、写真歴史博物館やカメラ製品のタッチ&トライコーナー、同社ヘルスケア商品の直営店「ASTALIFT六本木」を併設。開館時間は10時〜19時。年末年始をのぞき年中無休。

写真歴史博物館
Xシリーズのタッチ&トライコーナー

「写真の感動はプリントでこそ再現できる」(COO助野氏)

富士フイルム株式会社 代表取締役社長・COOの助野健児氏は、2000年にカラーフィルムの需要がピークを迎え、急速なデジタル化による写真フィルムの市場縮小が始まったと説明。同社は写真技術の応用やM&Aによる事業構造改革を推し進め、ヘルスケア分野やFPD材料などの高機能材料などをコアとした企業に生まれ変わっていると話した。

富士フイルム株式会社 代表取締役社長・COOの助野健児氏

2006年には写真市場の激減により多くの競合メーカーが経営破綻や事業撤退する中、写真文化を守り続けるためとして「写真事業の継続」を宣言。業界全体が岐路に立つ中での判断だったと振り返る。

2007年にオープンしたFUJIFILM SQUAREでは、写真の感動はプリントでこそ再現できる醍醐味とし、写真プリントが持つメッセージ力を発信。近年ではデータではなく紙に出力した"リアルな良さ"が見直され、形にして手元に残したいという人が増えているという。10年間で開催した写真展は1,200回以上、来館者数はのべ540万人を超える。

2007年3月にオープンしたFUJIFILM SQUARE

また、全国の会場でプリントを展示する参加型写真展「10,000人の写真展」(2017年は「50,000人の写真展」として開催)や、東日本大震災における17万枚の写真洗浄活動などへの取り組みも紹介された。

2011年東日本大震災「写真救済プロジェクト」

1年間で12の企画展

3月24日(金)に始まる最初の展示は「『フジフイルム・フォトコレクション』展 - 日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」」で、4月12日(水)まで開催。写真家101名の代表的作品を集めた同社収蔵のコレクションを披露する。

そのほか、「写真の歴史を伝える」のテーマでは、世界中に影響を与えた写真家集団「マグナム・フォト展」(10月6日〜10月25日)、「二十世紀の巨匠 美と崇高の風景写真家アンセル・アダムス」展(11月17日〜12月6日)を実施。

歴史以外のテーマには、同社製品を軸とした「写真の『今』を表現する」、若手写真家に発表の場を提供する「写真の『明日』を表現する」を設定。いずれもプリントという表現手段に真の写真の価値があるという観点で企画されている。

世界トップクラスの銀写真プリント

富士フイルム株式会社 宣伝部長の松本孝司氏は、FUJIFILM SQUAREにおける写真展の実績を紹介。企画展と公募展のそれぞれを実施することで、幅広く、質の高い写真を展示できるとした。来場者はほぼ男女半々で、来場頻度のデータを示し、新しい層にも写真の魅力を伝えられていると分析する。

写真展の開催実績
来場者の属性
展示により来場者層も変わる

富士フイルムフォトサロンにおける展示の大きな魅力には、世界トップクラスという銀写真プリントがあると説明。出展者や展示作品のジャンルの幅広さもアピールした。

10周年記念のロゴ。10thの「0」に、カメラのレンズと繋ぎ合わせる輪をイメージしたという。

本誌:鈴木誠