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カシオ、"美脚ガイド"搭載のデジタルカメラを発売

実写作例あり ドラマチックスロー搭載の高倍率機も

カメラ部とモニター部が分離するFR100L

カシオ計算機株式会社は2月22日、コンパクトデジタルカメラの新製品として「EIXLIM EX-FR100L」「EXILIM EX-ZR3200」の2製品を発表した。日本を含むアジア圏で人気の「自撮り」に関する機能を強化したほか、印象的なスローモーションムービーが撮影できる機能を搭載し、コンパクトデジタルカメラとして新たな使い方を提案することを目指した。

価格はオープン。発売日と店頭予想価格は、FR100Lが3月17日発売で税別5万500円、ZR3200が4月14日発売で税別4万6,000円となっている。

高倍率ズームレンズを搭載するZR3200

美脚ガイドを楽しめる「FR100L」

FR100は、カメラ部とモニターを搭載したコントローラー部が分離する独自の撮影スタイルを実現してアウトドアユースを想定したカメラだが、今回のFR100Lはそのバリエーションモデルで、2,000台の限定モデルとなる。カラーに女性向けのピンクとホワイトを採用。自撮りに適した機能を搭載した点が特徴だ。

従来のFR100では、分離型のデザインを生かしてカメラ部を三脚などに設置し、離れた場所からモニターを見ながら全身を自撮りするユーザーが多かったという。しかも単なる自撮りではなく、背景構図にこだわるなどアーティスティックな撮影をするユーザーも増えていたという。特に中国を含む中華圏の女性ユーザーにそのような「リゾートセルフィ」の傾向が強く、こうしたユーザーの要望に応える製品を開発した。

新たに搭載された「美脚ガイド機能」は、撮影時に足を長く見せる構図をサポートする機能。一般的に下からアオリ気味に撮影すると足が長く見えるように写るが、これを同社では数値化。その結果、FR100Lを被写体に向かって90度の位置で固定し、高さ100cm、距離100cm付近から撮影すると最も自然で足が長く写るのだという。

これを元に、撮影画面に顔の位置と足の位置を示すガイドを表示するのがこの機能。ガイドに合わせて撮影すると、足が長く写るため、モデルのような脚長写真が撮影できる。立っての撮影だけでなく、座った状態でのガイドも用意されている。

ガイド機能を選択して、あとはガイドに合わせて撮影をする
実際に撮影してみたところ、確かに脚長に見える写真になっていた

もう1つが「メイクアップHDR」と「メイクアップビビッド」の2つの撮影モード。一般的にHDRやビビッドモードは、画面全体の露出やカラーを調整するため、人物にも適用され、不自然に派手な顔色になるなどの不都合があった。このモードでは、顔検出をした上で人の顔の部分にはHDRやビビッドを適用しないことで、より自然な撮影を実現する。

「メイクアップHDR」の作例。HDRもビビッドも自然な顔の色だが、花などは派手な見栄えのする色合いになっている
「メイクアップビビッド」
「オートモード」

顔検出によって顔の露出などを適切に保つアルゴリズムを搭載しており、さまざまなシーンで同じ露出やカラーで顔を表現できる点もメリット。美肌などの画像補正効果も用意されているが、過剰な効果は出さず、より自然に見せる程度に抑えた。最近は不自然なほどの補正効果は求められなくなっており、必要な人は別途スマートフォンアプリで補正するとのことで、FR100Lではベースとなる自然な撮影になるように心がけたそうだ。

その他の基本的なスペックはFR100を踏襲しており、撮像素子は1/2.3型有効画素数1,020万画素CMOSセンサーを搭載。レンズは35mm判換算16mm F2.8の広角レンズを採用する。カメラ部とモニター部はBluetoothで接続し、無線LANとBluetoothを使ったスマートフォンへの画像転送「エクシリム オートトランスファー」も可能。

ドラマチックスロー搭載の「ZR3200」

ZR3200は、撮像素子に有効画素数1,210万画素1/1.7型裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、光学12倍ズームレンズを採用した高倍率ズーム機。レンズは35mm判換算25-300mm相当F2.8-6.3。

最大の特徴は、動画撮影時に決定的瞬間だけをスローモーションで記録して再生する「ドラマチックスロー機能」を搭載した点。動画撮影中に動画ボタンを押すと、押した瞬間の前後の指定秒数をハイスピード撮影にして、再生時にその瞬間だけをスロー再生できる、というもの。

ボタンを押した前後、ボタンを押した直前、押した直後、という3パターンから撮影モードを選び、動画ボタンを押せば、指定の秒数分のハイスピード撮影が行われる。スポーツでの撮影に最適としており、野球のバットで打つ瞬間、サッカーでシュートを放つ瞬間など、決定的瞬間の撮影を想定する。

以下が実際の作例。ボタンを押した前後をハイスピード撮影する設定で撮影した。

コンパクトデジタルカメラ市場が縮小する中、同社では新しい映像表現を提案することで、今までにない新たな市場を作り出していきたい考えで、FR100L、ZR3200に続き、今後も製品開発を強化していくとしている。

縮小するコンパクトデジカメ市場で新たな需要を喚起したい考え

小山安博

某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。