オリンパスZUIKOレンズ 写真家インタビュー
幅広い画角を高画質にカバー。「OM-D E-M1 Mark III」との相性も◎…千田智康さん
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
2020年4月30日 12:00
オリンパスのZUIKOレンズを使う写真家に、作品表現でのポイントや使い勝手をお聞きしていく本企画。
今回は千田智康さんに、写真を撮るとき気をつけていることや、撮影機材で重視していることなどを聞きました。
インタビューとあわせて、新しいカメラボディ「OM-D E-M1 Mark III」についてや、交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」による作品もご覧ください。
千田智康
Tomoyasu Chida
岩手県水沢市(現:奥州市)出身、横浜市在住。ふだん目にする光景を独自の目線でアーティスティックに、そしてドラマチックに表現。見た人がそれぞれにストーリーを思い描いて楽しめる写真を目指している。東京カメラ部10選、オリンパスアンバサダーとしても精力的に活動中。『最高の1枚を「撮る・仕上げる」で生み出す超絶写真術』『思い描いた世界観を表現する仕上げの技法 超絶レタッチ術』(インプレス)などカメラ専門誌や書籍 の執筆、家電量販店でのセミナー、フォトレッスンも行う。
写真にのめり込むようになったきっかけは?
「東京カメラ部10選」に選出されたことがきっかけです。それまでもデジタル一眼レフで撮っては写真投稿サイトに投稿したり、見たりして楽しんでいましたが、10選になったことで一気に注目度が高まりました。これが刺激になり、写真にのめり込むようになりました。家族の理解があることも大きく、写真に注力できる環境下で日々撮影しています。
スナップショットメインですが、最近はポートレートにも注力しています。持ち前の好奇心や視点、発想を取り入れ、見た人がそれぞれにストーリーを思い描いて楽しめる写真を撮ることを心がけると同時に、自身も撮って見て楽しんでいます。
今回の作品はポートレートです。撮影のとき、どのようなことを心がけましたか?
モデルさんを尊重することを心がけました。これは今回に限らず、ポートレートを撮るときはいつも心がけていることです。
ポートレートはモデルさんとの共同作業。わたしの「こう撮りたい」「こうしたい」ばかりを押しつけては良い作品を制作できません。逆に、モデルさんの「こう撮ってほしい」ばかりを受け入れたらモデルさんに撮らされがちになり、わたしらしさがなくなります。
だからといって必ず五分五分というわけではなく、モデルさんに合わせて「良い塩梅」を見つけてはバランスを保つようにしています。
オリンパスOM-Dシステムで気に入っているところは?
挙げたらキリがないですが、とくに高画質と軽量・コンパクト、速写性の高さ、強力な手ぶれ補正が気に入っています。
今回、カメラは「OM-D E-M1 Mark III」、レンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」の2本を携帯したのですが、総重量1,551gととても軽かったので撮影疲れも少なく、いろんな場所を巡ることができました。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」がお気に入りと聞きました。どんなところに惹かれているのでしょうか。
35mm判換算で24mm相当の広角から200mm相当の望遠までを、わずか561gのレンズが画質を妥協せずにカバーしてくれること。そして、「OM-D E-M1 Mark III」と組み合わせると、最高約7.5段分の手ぶれ補正効果が得られます。とにかく良いこと尽くめのレンズです。
とくに画質と画角、重量については、今回の旅でその良さをものすごく実感しました。ふだんよく行く場所なら、奥行きやスペースをイメージして携帯するレンズの画角を容易に決められますが、旅先や行ったことのない場所となるとウェブページや書籍で予習はできるけど、奥行きやスペースまではイメージできません。それにせっかく行くのだからと、携帯するレンズが多くなりがちです。結果、装備が重くなり軽快に撮れなかったり、撮影疲れが大きくなったりするものです。
しかし、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」は前述のとおり広角から望遠までをカバーします。それも、ただカバーするだけではなく、この積石の写真のようにピントの合った石は解像し、背景のボケ味は美しく描写してくれます。
この写真はまさに奥行きがなく、これ以上後ろに下がれない場所で撮ったのですが、そんな窮屈さを感じさせません。そればかりか、高画質で切り取ることができるのです。迷ったときは「この1本」。それを具現化したレンズですし、ふだんからつけっぱなしにしたいと思いました。
新製品「OM-D E-M1 Mark III」で特に使いやすくなったところはどこでしょう。
まず挙げらるのはオートフォーカスです。追従性能はもちろん、精度の向上を実感しています。今回の旅は岩手の風景にモデルさんを入れるポートレート撮影がメインだったので「顔検出」を「ON」することが多かったのですが、その精度の高さに驚かされました。
あと、マルチセレクターの実装もうれしいですね。ファインダーを覗きながら、親指を使って確実に被写体にピントを合わせられるので大変重宝しました。
それと、輝度差の大きいシーンもしっかり描写してくれることに使いやすさを実感しました。輝度差の分だけドラマチックさが増すと思っているので、逆光シーンは大好物でよく撮ります。岩手銀行赤レンガ館と岩手県公会堂での写真も逆光ですが、このように輝度差が激しいシチュエーションも輝度差をしっかり描写しつつ、ハイライトもきれいに映し出してくれました。
千田さんにとってカメラとは? カメラで撮影することとは?
生きがいでもあり記憶を残せるものだと思います。
今はスマートフォンやフィーチャーフォンなどの携帯電話でみんながカメラを持つ時代。手軽に楽しく写真を撮れます。そんな中で普段から持ち歩ける、小型・軽量で機動性の高いオリンパスの機材は、携帯電話とはっきりと差別化できるばかりか、記憶を鮮明に残せるアドバンテージがあると思います。
告知がありましたらぜひ!
新型コロナウイルスのために外出を控えなければならない状況ですのでいったん中止となりましたが、開催に向けて動いている写真展があります。良い意味で、その年齢からは想像もつかないほどのカッコイイ写真を撮られる小川ゆきよさんとの写真展です。詳細は追って更新されますが、オリンパスプラザ東京で秋ごろに開催予定です。しっかり準備したいと思っています。
小川ゆきよ x 千田智康 写真展 「eyes on me」
https://fotopus.com/showroom/index/detail/c/2753
デジタルカメラマガジンにも千田智康さんが登場!
デジタルカメラマガジン2020年5月号の連載「日本列島 ZUIKO LENSの旅」に、千田智康さんによる「「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」をテーマにした記事が掲載されています。
本連載は47人の写真家が47の都道府県を巡るというもの。今回、千田さんは故郷の岩手で撮影を行いました。あわせてご覧ください。
制作協力:オリンパス株式会社