オリンパスZUIKOレンズ 写真家インタビュー
刻々と変化する自然を理想の画角で捉える…木村琢磨さん
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
2019年4月23日 07:00
オリンパスのZUIKOレンズを使う写真家に、作品表現でのポイントや使い勝手をお聞きしていく本企画。
今回は岡山県を起点に風景写真を撮影している写真家・木村琢磨さんに、写真を撮るとき気をつけていることや、撮影機材に重視することなどを聞きました。オリンパスの高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm」で撮影した作品も紹介します。
木村琢磨
きむら たくま
岡山県のフリーランスフォトグラファー。広告写真スタジオに12年勤務したのち独立。ライフワークに岡山の風景を撮影。Bi Rodやドローンを使った空撮も手がける。日本の写真スタイルに囚われることない作品制作。デジタルカメラマガジンなどの雑誌に寄稿。
現在、どのような写真のお仕事をされていますか?
昨年1月から12年間勤めた広告写真スタジオから独立して、フリーランスフォトグラファーをしています。
主に地元岡山県で撮影した作品をカメラ雑誌に掲載していただいたり、カメラメーカーさん主催のイベントなどで提供したり、トークショーを行ったりしています。岡山県内では観光PR用の写真撮影や動画撮影で生計を立てています。
作品を撮り始めたきっかけは?
元々は広告写真スタジオで広告用の写真をメインに撮影していましたが、広告写真はお客さんあっての写真なので“自分の写真”とはなんだろう? と思い始めたのが作品を撮るきっかけになりました。
それから地元の風景を被写体に、もともと自分の好きだった絵画の作風や映画の映像表現、そして視覚だけでなく聴覚(音楽)からインスピレーションを得て作品を撮り続けています。
良い風景・良い被写体を見つけるコツはありますか?
有名な観光地に行けばそれなりの写真は誰でも撮影できますが、僕が作品を撮る上で一番意識しているのは“身近な景色をどう撮るか”ということです。見慣れた景色や誰も足を止めない景色の中にある“美しいな”と思える瞬間を探しています。
見つけるコツは自分の中にある写真の概念にとらわれない事です。自分ならこう表現したい、こんな撮り方をすると面白そう、という好奇心を忘れない事が大切です。同じ場所に何度も足を運ぶ事と季節や時間帯、天気に左右されず撮影する事がいい景色に出会えるきっかけになると思います。
風景を撮影する上で気をつけていることは?
風景写真は自然相手の撮影となるため、自分がこう撮りたいなと思っている頭の中のイメージと実際の景色のギャップが生じることがあります。自分の理想を求めることも大切なのですが現場の状況がイメージと違ってもこういう条件ならこういう風に撮ろう、とその場の条件に合わせて臨機応変に撮影することです。
無理に人工物を排除せず人工物をあえて画面内にフレーミングすることで自然のスケール感も表現できます。あとは人間目線を捨てて自分が虫なら、自分が鳥なら、といろんな視点からアプローチをするように心がけています。
カメラ、レンズに求める性能は?
自然風景を撮影することが多いので防塵防滴は欲しいですね。
車での移動も多く、目的地を決めて出発しても寄り道癖があるので“いいな”と思った場所があればすぐに撮りたくなるので、高倍率のズームレンズは助かります。自然は1分1秒で表情が変化するので、単焦点よりもズームレンズを使うことで自分の理想の画角を瞬時に設定できるので、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROはまさに自分にとって理想のレンズです。
オリンパスのカメラはご自分の撮影スタイルに合っている?
マイクロフォーサーズシステムは小型軽量で高画質なシステムなので移動が多い自分のスタイルにはぴったりです。
オリンパスのカメラは手ぶれ補正も強力なため余程のことがない限りは三脚も使うことがありませんので荷物を極限にまで減らせます。
画質ももちろん大切なのですが、画質は撮影した後の話なので、まずは撮影したいと思わせてくれるシステムでなければ意味がありません。小型軽量という気軽に持ち出せて高画質なマイクロフォーサーズシステムは自分のためにあるようなシステムです。
今回の作品で使われたM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの使い勝手は?
35mm判フルサイズ換算で24mmから200mmまでF4.0通しで使えるため、これ1本あればほとんどのシーンが撮影できます。実際、12−100mmが手元に来てレンズ交換をすることがほとんどなくなってしまいました。
超広角や魚眼レンズなど、特殊なレンズが必要なシーン以外は12-100mmをOM-D E-M1Xにつけっぱなしの状態です。E-M1Xと組み合わせることで5軸シンクロ手ぶれ補正も使えるため、2〜3秒のスローシャッターなら手持ちで撮れてしまいます。手ぶれ補正が強力なおかげでほとんどのシーンがISO 200で撮影できるので、ラージフォーマットのセンサーで高感度を使うよりも結果的に高画質な結果を得られます。
告知があればぜひ!
5月18日にオリンパスプラザ大阪にてOM-Dと夏の風景写真の撮り方についてのトークセミナーを開催します。
デジタルカメラマガジンにも木村琢磨さんが登場!
デジタルカメラマガジン2019年5月号の連載「日本列島 ZUIKO LENSの旅」で、木村琢磨さんによるM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROの解説が掲載されています。
本連載は47人の写真家が47の都道府県を巡るというもの。今回、木村さんは地元である岡山県を巡っています。ぜひ、あわせてご覧ください。
制作協力:オリンパス株式会社