鶴巻育子さんの旅写真を公開!
ギリシャとチェコ、2つのEOSで撮影した「二つの道」
12月5日からキヤノンギャラリー銀座を皮切りに全国を巡回している写真展、WHITE KISS(EOS Kiss X7)×EOS M2特別企画展「二つの道」。この展示の作品を撮影された写真家の鶴巻育子さんに、撮影時のエピソードやカメラの使い心地などを綴ってもらいました(編集部)
二つのカメラで撮影した作品を、どのような形で表現するべきか。一眼レフのEOS Kiss X7 WHITEとミラーレスのEOS M2。2台のカメラの違いは何だろう? と考えました。
まずは、二つのカメラを手にとったときのインスピレーションのまま、撮影地を選びました。
WHITE KISSでは、「白」という共通点だけの安易な動機で、ギリシャの白い建物が建ち並ぶサントリーニ島を選んだのです。そして、EOS M2では、以前から訪れてみたかったチェコに決めました。
奇しくも文化の境界線に位置する、南と北のヨーロッパの国でした。
エーゲ海に浮かぶ小さな島、サントリーニ島は、白い建物が並ぶ風景は美しく思わずため息が出るほどでした。そして、人々は素朴で、人懐こく、カメラを向けると誰もがよろこんで撮影させてくれました。
一眼レフのWHITE KISSでは、撮りたいと決めたものを探すことからはじまりました。真っすぐ続く道が撮りたいと思えば、それが見つかるまで車でどこまでも走り探しました。
お祭りのある日は、派手に盛り上がる大きな街ではなく、地元の小さな村のパレードがあるか聞きつけ向いました。
じっくりファインダーを覗きシャッターをきる。当り前だけど、そんなことを意識した撮影でした。
チェコは中世の面影が残る不思議な国でした。どこかのテーマパークに来たような非現実的な世界。石畳の道、昔ながらのサーカス、パペットを作り続けているおじいさん。昔から変わらないものが、全て新鮮でした。
M2では、ミラーレスならではの気軽さで、気の向くまま歩き続け出会ったものをパシャパシャ写していきました。
液晶画面で見る撮り方は、被写体に近づくことが簡単にできます。アングルも低めのウエストレベルが多くなります。ミラーレスならではの被写体へのアプローチを楽しみました。
二つの違うカメラで違った視点から撮影した作品の展示も、プリント用紙やフレーム、ライティング方法も変えて表現してみました。写真は、撮影したあとの処理や見せ方で、大きく見え方や感じ方が違うことを知っていただけたかと思います。
WHITE KISSは、一眼レフでも小型・軽量であるのは、女性に限らず旅をするときなどはうれしいサイズでした。もちろん、どっしりしたカメラでガッツリと撮影する楽しさも捨てがたいですが、フットワークが良くなるのはありがたいこと。軽いのに安定感が良い面では非常に撮影しやすいのがうれしい。白い一眼レフって、はじめて見た時は正直びっくりしましたが、普段着で街を歩くときも意外と馴染んでしまうんです。
M2は、一眼レフとは違い人に威圧感を与えることなく撮影することができるので、自然な表情を撮りやすかったり、撮影しづらい場面でもシャッターを切りやすいのもうれしいです。また、初代のMと比較しAFの速度がはやくなり、撮りたい瞬間を逃さず捉えることができました。EOS一眼レフと同等のAPS-Cサイズの大型センサーなので、美しい画質が得られます。