編集後記

2021年1月22日

宮澤孝周

生活面での習慣は家庭や個人で様々だと思います。拙宅では、花を飾ることをひとつの習慣にしています。新型コロナウィルスとは関係なく、折に触れて飾るようにしているのですが、在宅での時間が増えた今、それまで感じていた以上の効果があると実感しています。

花は目や鼻を楽しませてくれる以外にも精神的なゆとりをもたらしてくれますが、それ以上に季節感を忘れさせずにいさせてくれるように感じています。PCのモニターとにらめっこをしている時間が多くなった今、外の空気にふれたり、道々の景色をゆっくりと感じる時間が減った分を、花が補ってくれているのでしょう。近隣では梅の花が咲き始めているようです。昨年はゆっくりと桜が見られませんでしたが、今年はどうでしょうか。

目の前の切り花には、瑞々しさを漂わせている花弁と、ピークをすぎて朽ちはじめているものが共存しています。そうした植物の変化を日々観察していると、その時間の過程にも、それぞれの美しさや魅力があることに気づかされます。卓上でも観察眼を養ったり、自然の造形への新しい気づきがあったりと、学びがあります。

大きな金額を投じなくても数百円で数本の花をいけるだけでも違いますし、置き場所を変えて光の変化を観察しているだけでも楽しめます。一輪だけ花を卓上に、というのも中々オツなものです。