編集後記

2021年1月15日

宮本義朗

旧国立競技場。建て替え前最後の高校サッカー選手権大会にて。

今だかつてないほど静かな年末年始となりました。特に外出することもなく、初詣にすら行かずに、一体何をしてたっけ?と記憶が曖昧になるほどです。そもそもイベントごとの予定すらなかったので、部屋の模様替えが捗ったな、という感想。

なんだかんだでテレビにかじりついた正月。関東エリアの正月の風物詩と言えば箱根駅伝でしょうか。これは毎年何となく程度で見ていますが、今年はなかなか見応えがありました。10区での大逆転劇には手に汗握るものがありましたね。

先週末は全国高校サッカー選手権大会にも楽しませてもらいました。高校世代では無類の強さを誇る青森山田高校。技術やフィジカルにおいて圧倒的な戦力を有する同校に、戦略で立ち向かった山梨学院高校との決勝戦はまさに死闘でした。PK戦での決着にはなんだか胸が痛くなる気もしましたが、ひたむきに勝利を目指す両校の選手たちの姿はとても感動しました。

観客のいない選手権決勝というのも異様な雰囲気があります。スタジアムには選手たちの声だけがこだまする状況で、それがより選手たちの感情を見る側に伝えているような、そんな臨場感があったように思います。

こうしたスポーツイベントは開催自体を疑問視する声もあったかと思います。『人が動く』ことがリスクになる状況なので、色々な意見が出るのも当然。ただ、チームで同じ目標に向かって力の限り走り続ける姿は本当に胸を打つし、こんな状況だからこその感動があったことも確かなような気がします。

テレビ画面を隔てた“向こう側”で熱い戦いが繰り広げられていた一方、とにかく静かに、『動き』の少なかった私はローリスクな年末年始を過ごすことに成功したといえるでしょう。