編集後記

2020年12月18日

宮澤孝周

今月2回にわたってお届けした富士フイルムの画質設計インタビュー。あらためて画質とは何か・画づくりとは何か、という問いに向き合う内容となりました。各社それぞれに根幹に据えている思想や考え方はあると思いますが、富士フイルムでは明文化に近いかたちでイメージが共有されている、という印象をもちました。

改めて思うのは、撮影を通じて自身のイメージした画を求めることの難しさと楽しさです。偶然性を楽しむのも一興ではありますが、偶然性ばかりだと一定の結果は得られず、撮ったものにもまとまりがなくなってしまいます。だからこそとえばいいのか、確固たる考え方をもつことが、撮影であれ現像であれ、大切な芯を構築するのだと思えます。とはいえ、その確固たるイメージをつくりあげるのが、本当に難しい。

自分自身を省みると、まだまだ試行錯誤が足りていないし、眼にも自信はもてません。精進あるのみではあるのですが、これから進める道がひろがっていることもまた喜びであり楽しさでもあるということを改めて実感しています。