クルマとカメラ、車中泊

クルマ好きにこそ勧めたい「OM SYSTEM TG-7」

今回の1枚
ここは城南島海浜公園。羽田空港に降りる飛行機を間近に見られます。エンジン音はなかなかの轟音なんだけど妙に落ち着くんだよね、ここ。仕事のおり移動の空き時間があったり、仕事帰りに渋滞を避けて時間を潰すときなんかによくきています。都内とはいえ、車やバイクがないと来にくいよね、ここ。だからこそ、車好きにはおすすめスポットかな。実家が大田区にあるんで、その昔は毎晩のように来ていたけれど夜の湾岸地帯そのものが大好きなんですよ。たまには空港ロビーまで行ってお茶したりしてね。飛行機眺めるだけで、旅行気分になりますなあ。あ、いや旅行がしたくなるのか

デジカメというと最近はスマホに取って代わられて持っている人は少なくなってる印象だけど、クルマ好きにこそオススメしたいカメラってことでOMデジタルソリューションズさんからお借りしました。TG-7の名の通りTough Gearシリーズの7代目。あ、あとね、発売したのは2023年だから新製品紹介ってわけではないんですよ。

とはいえ、製品ページの製品概要に「防水15m、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10℃、耐結露といったタフ性能を実現」とあります。ね、これだけでも、あ、クルマに常備しておきたいかもって思いません?

実はワタクシ、これの先先代の機種、TG-5を愛用しています。発売は2017年。まさに発売の時このデジカメ Watchでレビュー記事を担当したんですが、あまりの素晴らしさに借用機材返却と同時にヨドバシカメラに駆け込み、購入したんであります。そこから8年、実は僕が1番使ってるカメラかも知れません。このページの撮影にもたくさん使っています。トビラのTG-7の写真はTG-5で撮ったものです。

どこにでも、どんな環境にでも持っていける、そして確実に動作する、そんなスーパーカメラTG-7。草地だろうが砂浜だろうが、平気で置いておける

さて、自前のTG-5でどんな使い方をしているかっていうと、クルマ整備の際のメモカメラというのを第一に、ロケハンやお散歩カメラとして毎日大活躍。写真のように工具箱にポイっといれといて、必要なところをちょいちょいって撮るんです。当然手がオイルまみれになっていることもあるし、踏んづけてしまうこともあります。またアマチュア野良整備なので、雨や雪に降られることもありますなあ。また、手袋をしていても扱いやすいことも大きなポイント。ね、スマホじゃ無理でしょ、そんな使い方。

My TG-5。工具箱にいれておいて使うので、ボディは傷だらけ。オイルまみれになることも。
ドリルの刃先を顕微鏡モードでチェック。このあと刃先を研ぎました
直接目視しにくい下回りなどは写真でチェック。スマホアプリからリモート撮影もできる
1番使うのは配線やネジの位置の記録メモ。バラす前に撮っておくと整備後、組み上げるときに間違いが少なくなるよね

そして話をTG-7に戻すと、TG-5同様ハードな使い方ができるわけですよ。クルマ整備の補助具として使い、そしてクルマ整備が済んで旅に出たら旅の記録をとり、目的地に着いたら作品としての写真を撮る。こんなストーリーなわけです。

旅の記録としても万全で、GPS搭載なので、撮影データにはGPS情報が記録されます。また、GPSロガーとしての機能もあるので、撮影していなくても位置情報を記録し続けるので、移動の記録も取れるわけです。

amazfitのときに書きましたけど、撮影場所は大事な資産ですから、普段はGPSオフで使うことも多いのですが。でも、他にロガーを持っていない場合は役立ってくれますよ。

上TG-5、下TG-7。外観上の違いはほとんどない。TG-5にはマクロ撮影用アクセサリーLG-1を取り付けている

写真の説明でもう1つ触れておかなきゃならないんだけど、TG-5もTG-7も撮影用のLEDとフラッシュを本体に内蔵しています。フラッシュはLEDが瞬間的に光るとかではなくて、ちゃんとキセノン菅が内蔵されてて瞬間発光するし、外部フラッシュをコントロールして多灯ライティングもできちゃいます。ああ、いかん本題はLEDなんです。

マクロ撮影すると本体のLEDの位置が相対的に遠くなるので影ができたり光が届かなかったりするんですが、そこでLEDライトガイドというアクセサリー「LG-1」があるんです。これを付けると本体LEDの光をレンズの周りに導いてくれるので顕微鏡モードでも影のない撮影ができるんです。

なので、TG-7を買うならLG-1も同時購入がオススメです。ですが1点注意。LG-1を装着するとフラッシュが使えなくなります。排他利用ってやつなんですなあ。そこで、僕は改造しましたw だから写真がちょっと違ってるんですね。フラッシュの位置に穴を開けてエポキシクリアで埋めました。こうするとフラッシュも使えるようになります。で・す・がっ フラッシュの配光特性も色もめちゃくちゃになります〜。なのでオススメの方法ではありませ〜ん。とりあえず光るだけです。

LEDライトガイドLG-1を取付したイメージ。本体のLEDライトの光を導光してマクロ撮影時に無影撮影ができる

性能や機能について触れておくと、画質や性能に大きな変化はなく、各部がリファインされたという印象です。はっきりと仕様に表れている点でいえば、P・Aモードの時にスーパーマクロがAFあるいはMFで使えるようになったことが特筆すべき点です。これによって、ことにAモードのとき絞りを任意に選んで顕微鏡モード同様のスーパーマクロ撮影ができるようになりました。作画に置いて重要ですね。また最短撮影距離も少し短くなっています。

そして、この1点だけでも買い替えたくなってしまう変更が1つありました。本体のUSBコネクターの仕様変更です。TG-5(TG-6まで)ではmicroUSB Type-Bでしたが、TG-7ではType-Cに変わりました。皆さんよくご存知だと思いますが、microUSBはコネクターに表裏があるので暗い中では刺しにくいし、薄いのでコネクターを曲げたり壊したりしてしまうことがあり、不安な要素でした。対してType-Cは表裏がないため扱いやすく、またコネクターも丈夫なので気楽に扱えます。

しかし、残念ながら給電には対応していません。充電のみです。給電に対応してたら、まず間違いなくヨドバシカメラに駆け込んでたところですが笑。踏みとどまりました。

ダイヤルなど操作系にも変更はない。この写真では見えていないが電源ボタンがもう少し大きくなれば手袋でもさらに使いやすくなるのだが。それにしても8年使ったTG-5のモニターは傷だらけだ。日常的に多用している証と言える
USBコネクターとHDMIのコネクター。Type-Cになって使い勝手が大きく向上した。蓋には2段ロックの防水蓋が採用され本体のみで防水15mと素潜りさえ可能だ

あとは実際に使用してみて感じたところを挙げていくと

  1. モニターの表示が青みの強い色合いから自然な色合いになった
  2. AFが早く静かになった
  3. ズームの動作が静かになった
  4. フレアが減った
  5. 長時間露光ノイズリダクションを発動するシャッター速度が1/3段程度おそくなった(←長時間露光時のノイズ特性が向上した)
  6. GPSの感度が良くなった
  7. GPSの衛星補足が若干速くなった

このような点に気づきました。ハード的にも、ソフト的にも各部がリファインされたと考えられ、とても好ましい正常進化であると言えます。

この先はTG-7(一部TG-5)で撮影した作品スナップ。スナップとは言えちゃんと三脚使ってます。拡大して画質チェックしてみてくださいね。RAW現像したものではなく、JPG撮りっぱなしです。ピクチャーモードは全てNatural。

この1枚だけTG-5。睡蓮を水中から見たところ。水中さえも手軽にできちゃう。とはいえお借りしたカメラを使うわけにもいかなかったので自前のTG-5
オリンパス TG-5/(1/640秒、F2)/ISO 400
テレ端で夕陽を撮る。屈曲光学系であるゆえか、たくさんのゴーストが出るポイントがある。焦点距離を変えたり、ほんの少しフレーミングを変えるだけで消えてしまうがフィルター効果的に楽しんだほうがいいでしょう。フレアはTG-5より減っている
OM SYSTEM TG-7/(1/13秒、F4.9)/ISO 100
ワイドで水面ぎりぎり。こんな撮影も安心。スマホも防水増えてきたけど、スマホでこういうのはやりたくないねえ。Aモードで絞りはF9と絞り気味だが後ろボケは素直で優しくボケている。これもスマホでは味わえない
OM SYSTEM TG-7/(1/125秒、F9)/ISO 100
このキノコ、高さは1cmくらい。顕微鏡モードで深度合成を行った。とても自然なピントの変化だ
OM SYSTEM TG-7/(1/400秒、F6.3)/ISO 640
最短撮影距離ではないが、Aモードで絞りF18としテレ端マクロAFで撮影。被写界深度も適度でシャープな描写になった
OM SYSTEM TG-7/(1/160秒、F18)/ISO 200
逆光の葉っぱを絞り開放で撮った。エッジに若干の偽色は生まれているものの不自然なエッジにはなっていない。センサーそのものにノイズが少ないことがわかる
OM SYSTEM TG-7/(1/100秒、F3.8)/ISO 100
ワイド端での撮影、絞りはF8。センサーノイズが少なければノイズリダクションも少なくなる。結果シャープ処理も少ないので自然でシャープな描写になるのだ
OM SYSTEM TG-7/(1/320秒、F8)/ISO 100
ワイド端ローアングルから森を見る。ワイドズームでは前ボケがガサつくレンズも多い中、前ボケも柔らかく自然
OM SYSTEM TG-7/(1/400秒、F2.8)/ISO 100
オリンパス(OM SYSTEM)といえばアスペクト比4:3だが、1:1や16:9も選べる。テレ端開放での撮影。JPGではノイズ処理が強めなので高周波の分離が甘くなっている。RAWでノイズとシャープネスを丁寧に行うと、大きく改善できる
OM SYSTEM TG-7/(1/400秒、F6.3)/ISO 100

OM SYSTEM TG-7の魅力は伝わったかな。このページはクルマが好きなら写真も好きなはずだという予断と偏見を主軸に書いておりまする〜。以上!

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。ニコンカレッジで、星景写真講座を担当。星空に興味ある方は「こちら」へ