デジカメ動画Watch
キヤノン EOS R6 V
Vlogからプロユースまで対応するフルサイズモデル
2026年6月6日 12:00
アサインできる豊富なボタン数
同社の動画向けカメラのラインナップとしてみると、シネマカメラの「EOS C50」とAPS-C機の「EOS R50 V」の中間に位置するのがEOS R6 Vとなる。
価格は36万3,000円。50万円を超えるプロ向けのEOS C50に対して、XLR入力やハンドルなどを省くことで買いやすい価格となっている。
一方、フルサイズセンサーや7K60pのRAW内部収録といったスペックはEOS C50と同じであり、本格シネマカメラに迫る映像収録が可能となっている。
冷却ファンを内蔵したフルサイズの動画カメラとしては比較的小型にまとまっており、ファインダーレスなのも相まって、持ち運びもしやすかった。同社もターゲットにしているが、限られた機材で撮影するワンオペユーザーには向いているパッケージングだろう。
EOS R50 Vよりもアサインボタンが増え、7番までの割り当てができる。こうしたカスタマイズ性の高さもEOS R Vシリーズの上位モデルならではだ。
インターフェースとしてはHDMIのフルサイズ端子が利用可能だ。USB Type-Cポートもあるが、外付け記録メディアは非対応となっている。
今回の撮影は同時リリースとなったレンズ「RF20-50mm F4 L IS USM PZ」を使った。超広角や電動ズームに対応したことでVlogなどにも使いやすいレンズではないだろうか。
オープンゲート撮影を試す
EOS R6 VではEOS C50に続いて、オープンゲート記録に対応した。3:2のセンサー全面を使って動画を記録するモードで、従来の16:9エリアに限定されていた機種よりも高解像度で撮影できる。
現状では3:2の動画をそのまま使うことは多くないかもしれないが、16:9に切り出す際に縦方向のリフレーミングの自由度が大きくなるのがメリットだ。また、横位置で撮影して縦位置に切り出す場合でも4K以上の解像度を維持できるため、様々な用途で使いやすくなる。
7Kという余裕のある解像度とこれまで映っていなかった上下のエリアを活かして、編集時に16:9のエリアを上下にスライドさせて余計な写り込みを省いたり、人物の頭の上のスペースを調整したりと活用の幅は広そうだ。
オープンゲートのRAWで撮影し、シネマ風にグレーディングしたのが下の映像になる。7Kで撮影したものを4K解像度の長辺3,840ピクセルにリサイズしている。なお、オープンゲートの場合は60pでは撮れず、最高30pとなる。
手ブレ補正をチェック
ボディ内5軸の手ブレ補正を搭載している。レンズ内手ブレ補正と電子手ブレ補正を加えた3つの協調補正も可能だ。
下の比較映像は、ブレがよりわかりやすいようにテレ端の50mmで撮影した。電子補正は通常の「入」と「強」が選べ、強にすると歩き撮りでもかなりブレを抑えることができる。
今回の撮影はすべて三脚を使わず、立ち止まっての手持ち撮影であれば、画角が少し狭くなる電子補正を使わなくても十分落ち着いた絵を撮ることができた(他の項目の映像を参照のこと)。
便利な電動ズーム
RF20-50mm F4 L IS USM PZの電動ズームも試してみた。ズーム操作はボディのズームレバーとレンズのズームリングの両方で操作できる。
レンズのズームリングではリングを少し回して連続的にズームできる。また、従来のマニュアルズームも可能だ。
ズームのスピードは「速い」と「遅い」がある。それぞれで15段階のスピードレベルを設定でき、クリエイティブなカメラワークにも対応できそうだ。
下の映像のうち、ハトのシーンはズームスピードが「遅い」とスピードレベルが最速の15を組み合わせたもの。録画中のズームスピードは「遅い」が推奨されているため、運用上は一番高速なモードになるようだ。ピンボケもなく、スムーズなズームとなっていた。
また、建設中のビルの映像ではスピードを最低に設定したもの。非電動ズームレンズでは難しいゆっくりとしたズーミングができた。
ハイスピード撮影によるスローモーション
本機は4K120pのハイスピード撮影をクロップなしで行えるという特徴がある。ハイスピード撮影を行って編集時に再生フレームレートを遅くするときれいなスローモーションが作れる。
下の映像は4K120pで撮影し、24pで再生した5倍スローのカットになる。素早い水の動きをスローで捉えることができた。60pでの撮影よりも、さらにゆっくり再生できるのが120pのメリットだ。
この作例ではカラーフィルターの「RetroGreen」を適用した。ほんのり緑がかって昔風のルックになる。カラーフィルターは従来通り14種類が備わっている。
高感度画質は?
動画の最高感度は常用でISO 25600、拡張でISO 102400となっている。EOS R6 VはEOS C50同様の2段階のベース感度設定にも対応している。ベース感度を切り替えることで、高感度撮影でも低ノイズな撮影ができる。
ベース感度はガンマ設定によって異なるが、Log撮影ではISO 800とISO 6400、ピクチャースタイルではISO 400とISO 800となっている。
今回はより高い感度に切り替えポイントがあるCanon Log 2で撮影し、グレーディングを行った。例えば下の作例のようにISO 6400で撮影すると、シングルベースISO機のISO 6400よりも、低ノイズということになる。
作例ではノイズは出てはいるが、銅像のディテールも鮮明で、動画であれば十分使える感度だろう。
まとめ
以前は4K動画を作る際には4Kのモードで撮影するのが普通だった。4K以上の解像度での動画撮影はシネマカメラでないと難しかったからだ。
ところが最近ではミラーレスカメラレベルでも6Kや7Kといった動画のモードが登場し、高解像度で撮って編集時に調整するというワークフローが身近になった。
そうした中で、高解像度撮影のメリットを最大限に活かせるオープンゲート記録は各社が対応を進めており、EOS Rシリーズでも対応したのは大きな進化だろう。
加えて、冷却ファンの搭載で安心して長時間撮れることや波形モニター、ゼブラ、フォルスカラーといったシネマカメラ譲りの確認機能も充実している。新しいRF20-50mm F4 L IS USM PZとのマッチングもよく、Vlogからソロのオペレーションのプロまで対応できそうな「多機能動画機」といえそうだ。























