特集

2015年「私はこれを買いました!」(第4回)

萩原史郎・藤井智弘・ブリリアント山崎・吉森信哉・鈴木誠

2015年を締めくくるにあたり、本誌のレビュー系記事にご寄稿いただいた皆様および本誌編集者に、今年新品で購入したデジタルカメラ、レンズのうち、特に思い入れのある製品について語っていただきました。(50音順、敬称略、全4回)

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風景写真にはハイレゾショットが魅力

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II/萩原史郎

ココだけの話。実はOM-DシリーズはE-M5のデザインが好みなのです。ちょっと好きというレベルではなく、かなり好きです。カメラのデザインとしては最強クラスだと思っているのですが、誤解のないように言えば、E-M1のデザインが嫌いというわけではなく、E-M5のほうが好きだという事。

だから「40Mハイレゾショット」という風景写真的な観点からすれば目玉機能が搭載された「II」型が発表されたときは、なんの躊躇もなく予約を入れました。カラーはシルバーとブラックのツートーンですが、ここも大事なポイント。けっこう、見た目は重視するタイプです。

ボディには金属製の外付けグリップECG-2を装着して使っていますが、これによって直線がより強調され、そのうえ手が大きい私にとっては持ちやすくなっています。眼福はより満たされ、同時に使い勝手も向上しているので、満足度はさらにアップしたといってよいでしょう。

E-M5 Mark IIは、ここぞという時に40Mハイレゾショットを使い、普段は通常撮影を行うスタイルで働いてもらっています。5軸手ブレ補正機能のおかげで手持ち撮影にめっぽう強いため、三脚使用が前提の40Mハイレゾショットの出番が少ないという妙なジレンマに陥ったりもしますが、基本的な画質が非常に高いので、通常撮影で不満を感じることはありません。というわけで、2016年もこのスタイルで使うことになりそうです。

はぎはらしろう:2015年は初個展を開催しましたが、基本的には反省に次ぐ反省、加えて反省の日々でした。どんな反省だったのかは、昨年同様、秘密です(笑)。2016年こそ反省を生かしたいのですが、自分のことだから未来は不透明です。2016年もCP+に出演します。ブースで見かけたら声をかけてください。

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MF一眼レフを思い出す使い心地

OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII/藤井智弘

OM-Dは初代E-M5が発売されたときから気になっていたものの、なかなか手にするチャンスがなく、今に至っていた。しかし、ついにE-M5 Mark IIの購入を決断。やっとOM-Dユーザーになった。

E-M5 Mark IIで大きな魅力だったのがサイズ感だ。かつてのOMを思わせるデザインと小型軽量ボディは、昔の一眼レフがそのままデジタルになった雰囲気。MF一眼レフから本格的な写真を始めた自分にとって、このサイズは手にしたときに「戻ってきた」という懐かしさや、安堵感ともいえる気分になって心地いい。

さらにパワーバッテリーホルダーHLD-8は、まるでモータードライブ。このデザインやグリップ感、そしてシステムアップする感覚が、たまらなく楽しいのだ。

もちろんサイズやデザインだけではなく、機能の良さも魅力に感じた。以前のフォーサーズ一眼レフとは比較にならないほど高感度に強くなり、EVFの視認性は高く、フリーアングル液晶モニターも便利だ。

さらにボタンやダイヤルが細かくカスタマイズでき、自分好みの1台に仕上げられる。そして防塵・防滴構造と5軸手ブレ補正の搭載も、このカメラを選んだポイントだ。はじめは自分の作品撮りを意識した買ったカメラだが、小型で高性能なので、結局取材仕事でも活躍している。

ふじいともひろ:マイクロフォーサーズだけで、どこか作品を撮りに出かけたいと考え中。小型軽量なのでたくさん機材を持っていけるが、結局荷物が重くなるという、本末転倒にならないように気をつけながら、計画を練っていきたい。

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高いカスタマイズ性で執事のような存在に

ニコンD810/ブリリアント山崎

今年はさまざまなジャンルの撮影にチャレンジする機会を頂いた1年でした。またその合間にも写真教室を開催し、多く方々と楽しい時間を過ごさせて頂き大変感謝しております。一方で、体調管理の甘さから入院もしましたが非常に充実した楽しい1年でした。

長い事カメラや写真に携わっているせいか最近は新機種に触れても「想像通りでした」で終わってしまう事も多いのですが、春先に買ったD810は想像通りだったにも関わらずその完成度の高さに驚かされたカメラです。

そんなD810のお気に入りポイントはカスタマイズ性の高さ。こんなところまでカスタマイズできるのかというくらい様々な設定ができるので、今では他のカメラを使うのが億劫になってしまって仕事以外でもD810ばかり持ち出してしまうようになりました。

私が「お茶を飲みたいなぁ」と思えば、何も言わずともスッとお茶が出てくる。そんな私の事を知り尽くした執事のような存在です。

ぶりりあんとやまさき:フリーフォトグラファー兼写真講師。来年は今年以上に新しい撮影にチャレンジして技術の幅を広げ、撮影の仕事や写真教室に活かしていきたいと思っています。もちろんデジカメ Watchにも沢山記事を書ければと思っています。

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バッファメモリー増強で即、買い!!

ニコンD7200/吉森信哉

以前、当サイトで連載されていた「気になるデジカメ長期リアルタイムレポート」で、ボクはD7000D7100のレポートを担当させてもらった。その関係で、どちらのモデルも、発売日に購入した。そんな買い方をしてたもんで、このD7200も何となく発売当日の3月19日に購入。

D7100を使ってきて不満だったのは、バッファメモリーが貧弱で、RAWモードで連写する際に早めにデータ書き込み待ちが生じる、という点。D7200では、それが結構解消されているのである。まあ、それ以外にも理由はあるけど、バッファ書き込み待ちが改善された時点で、自分的には「即、買い!!」だったね。

購入後、両者を比較してみた(ミニレポートでも紹介)。画質モード「RAW+FINE」でレリーズボタン半押し時に表示される連続撮影可能コマ数は、D7200が「13コマ」で、D7100は「6コマ」だった。約2倍の差は大きい!

“バッファメモリー強化”以外では、画像処理エンジンの進化などによる“高感度画質の向上”も魅力的。これも比較してみると「D7100より1段分くらいはアドバンテージがあるかな?」という印象を受けた。

いま挙げた2つは、いずれも動体撮影にとって重要なポイント。ということで、現在はこのD7200を“鉄道や動物用のカメラ”として活用することが多いね。

よしもりしんや:フォトグラファー。新製品を入手するため、今年も「買いました」より「売りました」の方が多かった(苦笑)。高性能で高価な製品より“そこそこ高性能で手頃な価格”の製品も欲しい今日この頃……。

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心躍るものが好きです。趣味なので

ライカSUMMILUX-M F1.4/50mm ASPH./本誌:鈴木誠

「今年の買い物」というには憧れていた期間が長いのですが、このところ考えごとの尽きない時期が続いていて、「高価で身分不相応だけど、それでも欲しいし、元気が出るかも」と思っていよいよ覚悟を決めました。

秋のドイツ取材には、インタビューしながらの撮影にも使いやすいズミクロン35mmとともに持参。移動中のスナップはズミルックス50mmに夢中で、帰りがけのフランクフルトで撮った街スナップの1枚が今年のよき思い出となりました。

あと、どうしても触れたいのが写真の青いビリンガム。英国本社の直販で見つけた「インペリアルブルー」のハドレーラージで、ビリンガムに珍しく鮮やかな色でありながら、上品な雰囲気がお気に入りです。これも毎日の気分を底上げしてくれます。

まさに格好から入るというか、格好ばかりというか、それでもあわよくば自分の趣味を通じて、周囲にもカメラや写真が面白そうに見えたらいいなと妄想する日々です。

すずきまこと:本誌編集記者。業界OBが往時を振り返る月例会や、強烈なコレクションの非公開カメラ博物館など、今年も業界の先輩方にいろいろ連れていっていただきました(仕事外で)。カメラ以前の楽器趣味では、ベーシストとしてライブに初出演。ドラムとギターは目立った進歩ナシ

ライカレンズの美学:SUMMILUX-M F1.4/50mm ASPH.

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