特別企画

熱田護がF1×EOS R3で試した……撮影のスピードを加速させるプログレード CFexpress Type B「COBALT 1700R」

信頼性も高く作業スピードを圧倒的に効率化してくれる

COBALT 1700R
325GB(4万9,999円) 650GB(8万6,999円)

記録メディアを選ぶときの基準は第1が信頼性。F1取材のために1年間、世界中を飛び回っているので、暑くても寒くても雨が降っても撮れること、カメラを落としても壊れないことが大前提となる。

第2がスピードだ。アメリカGPからメインカメラをキヤノン EOS R3に変えたのに合わせて、メディアをプログレード COBALT 1700Rに変更した。今年の後半戦は緊張感のあるレースが続き、決定的なシーンで連写が止まるなどということはあってはならないため、熱対策に強いプログレードにしたのだ。

作業面では、パソコンへの転送時間は抜群に速くなった。EOS R3に変えてから、EOS-1D X Mark IIIよりも撮影枚数が多くなってしまう傾向にある。アメリカGPでは42,029枚、約1.34TBも撮影していた……。毎日レース後にプレスルームに戻り、撮影したカードからパソコンへ転送して、セレクトをする。この作業はプレスルームから追い出されるまで……大体6時間ほどおこなっている。撮影枚数が増えれば、当然作業時間も増える。EOS R3に変えてからギリギリ間に合っているのは、同じく新しくしたプログレードのカードリーダーのおかげでもある。

信頼性が上がり、待ち時間も格段に少なくなった。EOS R3に合わせてメディアも変更して成功だったと思う。

毎回プレスルームには僕と尾張さんが最後まで残っている。最後までいると実に閑散としていてご覧のとおりだ

作業を助けてくれたのがプログレードのカードリーダー。今年はさらに新型のMacBook Proに買い替えたのでThunderbolt専用のカードリーダーに買い替えてさらなる転送の高速化を考えている

スタート直後に、1コーナーへ駆け上っていく様子を後ろから撮影。何があるかが分からないのでドライバーも観客も、このシーンを撮る僕も、この瞬間は緊張しながら撮影する
EOS R3/RF400mm F2.8 L IS USM/400mm/マニュアル露出(F7.1、1/1,600秒)/ISO 320/WB:太陽光

ヘルメットをかぶる前に準備するフェルスタッペン選手。一連の動作が美しく感じた。彼の活躍は、僕にとって非常に大きなモチベーションにつながった
EOS R3/RF85mm F1.2 L USM/85mm/絞り優先AE(F1.2、1/500秒、+0.7EV)/ISO 200/WB:太陽光

勝利後にあるチーム撮影の1コマ。喜びのシーンは絶対に逃せない
EOS R3/RF85mm F1.2 L USM/85mm/絞り優先AE(F1.2、1/2,500秒、+0.3EV)/ISO 400/WB:太陽光

カメラの性能はカードで決まる

EOS R3は電子シャッターで使っているが、使っているとつい撮り過ぎてしまう。カメラの使用感の良さもあるが、書き込み速度でスタックしないから、どんどん撮ってしまうのだ。プログレードを使うことで、カメラの性能を損なうことなく使えるのはありがたい。写真家に撮って撮影ができないというのが最大の失敗なので、常に最大のスピードで撮れるプログレードは本当に助かる。

制作協力:プログレードデジタル

熱田護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。85年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。92年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行う。 広告のほか、雑誌「カーグラフィック」(カーグラフィック社)、「Number」(文藝春秋)、「デジタルカメラマガジン」(インプレス)などに作品を発表している。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集『500GP』(インプレス)を発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。