特別企画

アニメや映画のワンシーンのように写す「情景写真術」の本が出ました

光の探し方からRAW現像まで、シーン別ワークフローを解説 全文の無料公開も

インプレスから、風景写真の撮り方解説書「アニメ・映画のようなワンシーンを写し出す 情景写真術」(著者 田中達也氏)が発売されました。

発売を記念して、7月29日までWebで無料の"全文試し読み"ができます(後述)。この記事では本書の担当編集者に聞いた「情景写真術」の見どころ紹介をお届けします。

イメージを表現するためのワークフロー解説

今回の「情景写真術」は2015年に発売した「絶景写真術」に続く1冊。風景写真の作品制作において、"アニメや映画のワンシーンに着想を得る人が多い"という点を踏まえて企画されました。

特徴は、撮りたい作品の「イメージ」(=情景)から、それを表現するための「ロケーション」(場所・光の探し方)、「構図」、「カメラ設定」、「レタッチ」(RAW現像)のポイントを全て解説しているところ。各シーンのイメージをあらわす作品名のチョイスも、幅広い年代に親しみを感じてもらえるような顔ぶれです。

以下に、「情景写真術」の担当編集者が特にオススメするページについて、その見どころを解説コメント付きで紹介します。試し読みのあと、実際に本書を手にとっていただければ幸いです。

P76〜77:夏の記憶、ひまわり畑

「情景写真術」編集者コメント(以下同):夏のこの時期、ひまわりの写真を撮ってみたいと思う人も多いのではないでしょうか?広大なひまわり畑を撮る際、意外と悩むのがピント位置。「パンフォーカスにすれば関係ないんじゃない?」と思ってしまいがちですが、実は「画面の下3分の1」に合わせるのがベストなのだそうです。

P86〜87:低彩度で表現する、集落の情景

「ゲゲゲの鬼太郎」のような不気味なイメージにするためのテクニックを解説しています。低彩度表現で不思議な世界観にするのも面白いと感じていただけるのではないでしょうか。特に、Camera RawでRAW現像する際、「自然な彩度」スライダーを使ったことがない人は多いはず…。初心者でも彩度を調整しやすい機能なのでオススメです。

P68〜69:渓流が"真っ赤に燃える"撮り方

私も海や川なんかをよく撮りに行くのですが、水面をイメージ通りの色に仕上げるって難しいなと感じていました。夕景で赤く染まる川を撮りたくても、中途半端に反射するだけでなんだかイマイチ…なんてもことも多々。ところが、田中さんの解説に目からウロコ。太陽が沈む西の方角と、東西に流れる川が重要なのです。撮影に夢中になっていると意外と見落としてしまうことも、本書ではフォローしています。

P126〜127:月の見せ方は、雲や風景を絡めて

月を撮影している人、多いと思います。私も晴れた満月の日に撮りに行ったりしています。「あの月を画面いっぱいに大きく写せたら…」そんな月の撮影テクニックを解説しています。月は季節によって高度が変わります。風景と絡めた写真が撮りたいなら、夏の時期がオススメですよ。ロケハン時に活用したい、月の方向と高さがわかるスマホアプリも紹介しています。

P142〜143:星景写真は「段階フィルター」の出番

夏のこの時期、ぜひ撮影してみたいのが「天の川」。このページではまるで「銀河鉄道999」のような星々を撮るためのテクニックを解説しています。天の川を大きく写すのもいいですが、風景と絡めた星空風景もいいですよね。Camera Rawの「段階フィルター」機能を使うと、地上も見た目に近い印象に仕上げることができるのでオススメです。本書では、こうした一歩踏み込んだレタッチテクニックも写真付きで解説しています。

7月29日まで、全ページ無料で試し読みできます

インプレスのWebサイトにて、本書の"全文無料公開"を7月22日から7月29日まで実施中。全ページを無料で試し読みできます(期間終了後は、一部ページ限定の試し読みになります)。

「情景写真術」の試し読みはこちら

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アニメ・映画のようなワンシーンを写し出す 情景写真術
(こんな写真が撮れるのか!シリーズ)

本誌:鈴木誠