デジカメドレスアップ主義
スクリューマウントレンズのこだわりセッティング
α7 II + Leonon 5cm F2
2017年5月26日 07:00
L39やM42と呼ばれるスクリュー式マウントは、ユニバーサルマウントという側面がある。レンズをねじ込むだけのシンプルな構造ゆえに、汎用マウントとして当時のカメラシーンに広く浸透した。オールドレンズファンとしてはひとつのマウントアダプターで色々なメーカーのレンズを試せる反面、微妙な仕様のちがいでレンズ指標がズレるなど、ストレスを感じることもある。こうした問題に対処するのが、指標調整機能付きのマウントアダプターだ。レイクォールからこのタイプの新製品が登場したので、早速使い勝手をレポートしてみよう。
※この記事を読んで行なった行為によって生じた損害はデジカメ Watch編集部、澤村徹および、メーカー、購入店もその責を負いません。また、デジカメ Watch編集部および澤村徹は、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。
レイクォールからL39(ライカスクリューマウント)マウントアダプターが登場した。ボディ側はソニーEマウント、富士フイルムXマウント、マイクロフォーサーズマウントの3種類で、レンズ側はノーマルタイプとADJタイプ(アジャスト機能付き)の2種類だ。
ADJタイプはレンズ指標の停止位置を調整できる。他社からもこの手の製品は登場しているが、既存製品は側面の極小ネジ3本で調整する。それに対しレイクォール製は、マウント面から5本のネジで調整する手法をとった。マウント面の平滑性を保ちつつ、指標停止位置を調整できるのがアドバンテージだ。言うなれば、こだわり派向けのL39マウントアダプターである。
本製品は調整を手助けするために、調整角度の目盛り、フォーカシングレバーの停止マークといった目印がプリントされている。ライカスクリューマウントのレンズは、フォーカシングレバーを搭載したものが少なくない。このレバーの無限遠側の停止位置は、向かって左下45度が一般的だ。エルマー5cmなどの沈胴式レンズやズマリットあたりを使っている人だと、自然とこの位置に指が伸びることだろう。ただし、他メーカーのライカマウント互換レンズだと、微妙に停止位置が異なる。こうした仕様ちがいを調整機能で正位置にセットするわけだ。
ここでは2本のレンズで調整を試してみた。1本目はレオタックスのレオノン5cm F2だ。このレンズをマウントアダプターに装着すると、フォーカシングレバーの停止位置がやや下向きになる。これを一般的なライカLマウントレンズと同様、左下45度あたりにセットしたい。L39-SαE.ADJの5本のネジを緩め、マウントのプレートをズラす。フォーカシングレバーを無限遠にセットした状態で、マウントアダプターのマーク上に止まるように調整した。マウントアダプターに目盛りが付いているので、何度ぐらい調整すればいいのか、大まかな目安がわかって作業しやすい。ちなみに、ネジは1本だけ黒いものが使われており、これを目盛りの中心にセットすると、初期状態にマウントアダプターを戻すことが可能だ。
2本目はヤシカのヤシコール5cm F2.8だ。このレンズをマウントアダプターに装着すると、レンズ指標が向かって右側に傾く。実のところ、この位置はズマリット5cm F1.5とほぼ同じ位置で、ライカスクリューマウントレンズの指標位置としては至極全うだ。ただし、ヤシコール5cm F2.8はフォーカシングレバーがなく、必ずしも本来の位置にこだわる必要がない。そこでL39-SαE.ADJを使い、レンズ指標が真上にくるように調整した。要は実用性を重視した調整というわけだ。ライカスクリューマウント、いわゆるLマウントはシンプルなスクリュー式マウントだが、シンプルゆえに奥深い世界が見え隠れしておもしろい。
ドレスアップは0291ファクトリーのナンバーストラップを組み合わせた。ビンテージ調のテープが特長で、ウォッシュをかけたような風合いがオールドレンズとよく似合う。肉厚のレザー、目の粗いステッチ、真鍮製の金具など、フォークロア調とでも言うのか、大らかなテイストで親しみやすい。ちなみに、テープ部には「0291 C.F.L」を模様化してステッチしてある。「C.F.L」は「CameraとFashion、そしてLilfeを繋ぐ」という言葉の頭文字だという。アナグラムのような趣向が雰囲気を高めてくれる。