イベントレポート

渋谷で中古カメラ市始まる ニコンF3Pなどが並ぶ

9月5日まで 掘り出し物が用意される「サタデーサービス」も

昨日(8月31日)より渋谷駅・東急百貨店東横店西館8階催物場において、「第21回 世界の中古カメラフェア」が開催されている。この中古カメラフェアは、I.C.S.(Imported Camera Society=輸入カメラ協会)が主催するもので、前回から3カ月ぶりの開催となる。今回同協会に加盟する13のカメラショップと1つの協賛メーカーが出店した。

まずは、主催するI.C.S.代表で株式会社秀光の高井秀二氏に初日午前の様子など伺った。

「上々の人の入りです。前回5月、同じ場所で開催した中古カメラフェアを上回るほどの賑やかさです。一般にお盆休み明けの財布の紐は固いですが、好きなものに関してはそうじゃないことが分かるかと思います。毎回取材の度にお話する、初日のデパート開店前にできる行列も前回同様の人の数でした」

中古カメラフェアの一番の人気はミラーレスカメラでも楽しめる交換レンズであるが、このところフィルムカメラにも動きがあるという。

「交換レンズはこれまでと変わらず安定した人気です。加えてフィルムカメラも動きが活発ですね。特にライカをはじめとする性能と質感を兼ね備えたカメラです。程度のよいものは今回のフェアでも動きはいいように思います」とのことである。

ずらりと並んだライカ。M型およびバルナック型とも自分のお気に入りの1台が必ず見つかるはずだ。予算やカメラの状態、製造年などを元にじっくりと検討してみるとよいだろう。(三共カメラ)

筆者が取材を開始したのは初日の正午過ぎであったが、会場は往年の写真愛好家に加え20代30代のカメラファン、さらに東アジアを中心とする諸外国の方々など多数見受けられた。

「私どもは年3回、中古カメラフェアを開催しておりますが、お陰さまで毎回多くの方々にご来場いただいております。ぜひ1度足をお運びください。お目当てのカメラ・交換レンズときっと出会えるはずです」と高井氏は語る。

本稿出稿以降の同カメラフェアの注目としては、まず9月2日(土)にサタデーサービスを予定。各カメラショップで特別奉仕品や掘り出し物を多数用意するとのこと。9月4日(月)の18~20時と最終日9月5日(火)の15~17時にはタイムサービスも予定されている。

また、9月5日(火)の12時まで買取りコーナーを会場内に開設。不要な機材をその場で売却し、お目当てのカメラ・交換レンズを手に入れることも可能である。さらに、期間中ショッピングクレジットは20回まで金利・手数料を無料としているのもありがたいサービスだ。

この中古カメラフェアは9月5日まで開催。開場時間は10~21時(最終日は18時閉場)。I.C.S.主催としては本年最後のカメラフェア。この機会にぜひ会場を覗いてみてほしい。

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フォクトレンダーBESSA-R2s+S用Nikkor 35mmF1.8

ニコンSマウントを採用するベッサR2S。視認性のよい実像式の距離計と露出計を内蔵するため、ニコンSシリーズのカメラよりも格段に快適な撮影が楽しめるはずだ。(カメラのアルプス堂)

ライカM3+Distagon 25/2.8

一眼レフカメラであるコンタフレックス用のDistagon 25/2.8とライカM3のセット販売。フォーカシングは目測となるが、焦点距離の短いレンズゆえピントが大きく外れるようなことはないはず。(千曲商会)

SEPT

1920年代につくられたフランス製のカメラで、映画用35mフィルムを専用のマガジンに詰めて使用する。巻き上げにスプリングを用いており、ハーフサイズのスチールカメラにも、ムービーカメラにもなる。(早田カメラ店)

ミノルタα-9+AF 85/1.4G

高性能なソニーα9が話題だが、こちらはミノルタのフィルム一眼レフカメラ。最高1/12,000秒のシャッター速度をはじめこちらも圧倒的な性能でライバルを凌駕した。(新橋イチカメラ)

ニコンF3P+Ai-s Nikkor 50mm F1.8

新聞社や通信社などプロ向けとして製造されたニコンF3P。チタン外装のファインダーはホットシューを備え、さらに防塵防滴構造を採用。セルフタイマーや多重露光機能など廃止され、質実剛健なカメラに仕上がっている。(アカサカカメラ)

オリンパスZUIKO 350mm F2.8

OM時代のズイコーレンズには、いわゆるサンニッパはなく、代わって本レンズがライナップされていた。OMシリーズ同様コンパクトに仕上がった鏡筒と、ライバルよりちょっと長い焦点距離で人気を博した。(フォトベルゼ)

富士フイルムKLASSE S

コンパクトフィルムカメラとしては明るい部類に入る焦点距離38mmの単焦点レンズを搭載し、絞り優先AEでの撮影も楽しめる。フィルムでの撮影を積極的に楽しみたい人に最適な1台。(ペンギンカメラ)

ツァイスイコンHologon Ultra Wide

ホロゴン15mm F8を搭載し、ピントと絞りは固定とするシンプルな機能のカメラ。発売は1969年。ライカM用の交換レンズとして1973年に発売されたホロゴンも同じレンズ構成だ。センターフィルター付き。(スキヤカメラ)

SIGMA SD1 Merrill+17-50mm F2.8 EX DC OS HSM

有効4,600万画素のFoveon X3「Merrill」センサーを搭載するデジタル一眼レフカメラ。現在SDシリーズはミラーレスとなってしまったが、撮影はやっぱり一眼レフと思う向きは見逃せない。(ナショナル・フォート)

ライカQ

ズミルックス28mm F1.7を搭載するライカの35mmフルサイズコンパクトデジタルカメラ。絞りリングとフォーカスリングを備え、M型ライカ同様の操作が楽しめる。小粋なコンパクトデジタルがお望みなら。(富士越写真機店)

LMリング

マウントアダプターなどを扱うエレフォトで見つけた同社のLMリング。MマウントのカメラにLマウントのレンズを装着するためのアダプターだが、このプライス(2,160円)は魅力的。(エレフォト)

【注意】掲載した商品は全て取材時のものです。すでに完売や予約済みになっているものがあることをご承知置きください。

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。