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サンディスク、防滴・耐衝撃のポータブルSSDを国内発売

撮影に携帯できるバックアップ用外付けストレージ 速度はHDDの約4倍

サンディスクは18日、ポータブルSSDの新製品を発表した。「サンディスク エクストリーム510 ポータブルSSD」「サンディスク エクストリーム500 ポータブルSSD」と「サンディスク エクストリーム900 ポータブルSSD」の3製品で、2月から順次出荷する。

同社では、今回の製品を「イメージングコンパニオン」と呼び、プロのカメラマンやビデオグラファー、一般のカメラユーザーが撮影時に一緒に持ち歩いて使う製品としてアピールしていく。

サンディスク エクストリーム500 ポータブルSSDの製品とパッケージ

現在、外付けストレージ市場はHDDが5,500万台規模で、ポータブルSSD市場は27万6,000台(いずれも2015年)とまだ小さいが、前年比で136%増と伸びており、2018年には350万台規模に達すると見込む。

ポータブルストレージ市場規模と予測

サンディスクは、内蔵SSDにおいて2015年下半期に国内シェア1位を獲得しているが、新たにポータブルSSD製品を提供して市場の拡大を図りたい考え。同社には「エクストリームチーム」と呼ばれるプロカメラマンのチームがあるが、そこでのアンケート調査によれば、要求はおおむね「速度」、「携帯性」、「耐久性」の3点に集約されたようだ。

エントリーからハイエンドまでのSSD製品をリリースし、順調にシェアを拡大した
外付けHDDにはスピードや耐久性、携帯性で課題があった
プロカメラマンが外付けストレージに求める機能
試用したサンディスクエクストリームチームからもこんな感想が

こうした点に答えるため、エクストリーム500/510は、手のひらに収まるコンパクトなサイズに衝撃に強い素材にゴム製バンパーを搭載するなど、1.8mの高さからの落下に耐える耐衝撃性能を備えた。510にはさらにIP55の防塵防滴性能を搭載。

エクストリーム500
エクストリーム500の主な仕様。
エクストリーム510
エクストリーム510の主な仕様。
手のひらに収まるコンパクトなサイズ
インタフェースはUSB3.0
本体デザインの特徴
防滴性能のデモで、直接水をかけている様子

容量はエクストリーム510が480GB、500が120/240/480GBの3種類。転送速度は連続読み出し速度が最大430MB/秒、書き出し速度が最大400MB/秒。発売はエクストリーム500が2月、510が4月の予定。市場想定価格はエクストリーム500の120GBが1万5,000円、240GBが2万円、480GBが3万5,000円、エクストリーム510は3万8,000円の見込み。

転送速度の比較デモ。USB3.0接続のポータブルHDDとエクストリーム500で比較している。テストは1GBのPhotoshopファイルをPCに転送して比較している
USB3.0接続のHDDは14秒程度
エクストリーム500は4秒程度

エクストリーム900は、SSDを2枚搭載してRAID 0構成で転送速度を向上させたモデル。インタフェースにUSB Type-C(USB3.1 Gen.2)を採用し、転送速度は読み出し、書き込みともに最大850MB/s。HDDと比べて9倍という転送速度を実現しており、ポストプロダクションのようなプロフェッショナルでの利用を想定する。

エクストリーム900
主なスペック
インタフェースはUSB Type-C。
本体サイズはポケットに収まる程度。RAID 0構成のためか、サイズはエクストリーム500/510に比べると大きめ
厚さもそれなりにある
デザインの特徴

容量は480GB、960GB、1.92TBの3種類が用意される。アルミ素材とゴム製のクッションを配置したボディで耐衝撃性を高めており、SanDisk SecureAccessによる暗号化機能も提供される。

ポータブルHDDとの速度比較。USB3.1 Gen.2採用の市販モデルがないため、市場にあるパーツを組み合わせた自作PCで比較している
同じく1GBのPhotoshopファイルを転送した結果、HDDが11秒程度、エクストリーム900が1秒程度というスピードだった

発売は4月の予定で、市場想定価格は480GBが4万5,000円、960GBが7万5,000円、1.92TBが12万円となっている。

製品ラインナップ
製品出荷時期と市場想定価格
今後のプロモーション

米SanDiskのSSD/USB担当プロダクトマーケティングディレクターのフィリップ・ウィリアムス氏は、「カメラマン、ビデオグラファーなど、常に外で仕事をしていて、厳しい環境でも仕事をしないといけない人にとって最適なものを提供する」と話し、そうしたユーザーの要求に応える製品だとアピールする。

フィリップ・ウィリアムス氏
国内カメラマンが外付けSSDに求める機能

会見には、モータースポーツフォトグラファーの熱田護氏が参加し、実際にエクストリーム500とエクストリーム900を利用した感想を紹介。熱田氏はF1GPのカメラマンとして、MacBook ProとThunderbolt接続のHDDを2台持ち歩いているという。1台は、その時の撮影画像の保存用で、もう1台は過去の写真を持ち歩いて、いざという時の依頼などに応えるようにしているそうだ。

熱田護氏

F1GPの撮影は1レース4日間で、熱田氏は多いときで450GB程度、少ないときでも350GB程度の撮影をするそうだ。従来は撮影してMacに取り込んだものをHDDに転送していたが、画像点数が多くなると転送時間が長くなってしまうのが悩みだった。

エクストリーム500を使ったところ、従来のHDDの転送時間が1分35秒で、それが43秒になったという。熱田氏は、転送時のプログレスバーの動きが「尋常ではなくて、今まで見たことのない速度だった」、「写真を一杯撮るカメラマンにとって、転送速度の速さは大きな武器になる」と話す。

熱田氏の利用状況
熱田氏のテスト結果

エクストリーム900は、デスクトップPCに接続して利用したそうだが、本体に画像を移すのではなく、エクストリーム900上で作業を行ったところ、「(こちらの方が)サクサクと動いたため、仕事のやり方を変えてもいいのではないか」と熱田氏。

エクストリーム900のテスト状況

ウィリアムス氏は、ポータブルSSD市場が「まだ規模は小さい」としつつ、プロカメラマンなどに対して、「ポータブルSSDがイメージングコンパニオンである」という点をアピールし、今までのソリューションとは異なる製品が登場したことを強調していくことで、市場の拡大を目指していきたい考えを示している。

(小山安博)