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キヤノン「RF35mm F1.4 L VCM」で鳥海山麓の水を巡る旅
自然風景で館野二朗さんが実感した新世代の大口径RFレンズの魅力
- 提供:
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
2024年6月25日 07:00
キヤノンから2024年7月上旬に「RF35mm F1.4 L VCM」が発売される。静止画・動画双方の撮影に適した新コンセプトの大口径F1.4単焦点レンズだ。レンズの発売に先駆けて、写真家の館野二朗さんに「RF35mm F1.4 L VCM」と共に、新緑が美しい鳥海山麓で水を巡る旅をしてもらった。
1975年東京都出身。若い頃からバックパッカーの旅やフライフィッシングを通して自然と向き合い、手付かずの自然美にインスピレーションを受け、2000年頃から創作活動を開始。独創的な視点と撮影技術から生み出される想像を超えた現実風景は、見る人誰ものイマジネーションを刺激する。近年は、奄美大島をテーマに精力的に活動。今後も旅をしながら地球上の美しい場所が仕事場となり、そこで生まれた作品を様々な形で発表していく。現在、雑誌、書籍、企業カレンダーなどで活躍中
※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年7月号』より転載・加筆したものです。
RFレンズ初のF1.4大口径が小型・軽量で登場
大口径の単焦点Lレンズに、念願のRF35mm F1.4 L VCMが登場した。35mm F1.4はEFレンズ時代から人気だったので、期待していたEOSユーザーも多いのではないだろうか。初めて手にしたときは、その小ささと軽さに驚かされた。
質量はEF35mm F1.4L II USMより200g以上軽くなっている。大口径レンズと聞くと大きくて重いという印象があったが、バックフォーカスを短くできるミラーレス時代の新設計ではここまで小さくできるのかと感心した。
特徴は、アイリス(絞り)リングが付いていること。見た瞬間フィルム時代を思い出し、懐かしい気持ちになった。動かしてみるとクリックはなくスムーズに動くので、すぐに動画を意識した設計になっていることが分かった。
新35mmレンズと共に鳥海山麓の水を巡る旅
35mmは風景写真で扱いやすい画角だ。広過ぎず狭過ぎない画角は自然な見え方で写せる。風景を眺めているときの視野に近く、構図が安定するのだろう。RF35mm F1.4 L VCMと共に、新緑の鮮やかな鳥海山へと向かった。
その目的は、鳥海山由来の水が育む滝や渓流、ブナ林を35mmの心地良い画角と精緻な画質で写真にすること。そして、雪解けで勢いを増す水流を動画にするためだ。
山形県と秋田県にまたがる独立峰の鳥海山は特徴的な山容で被写体としても魅力的だが、その周辺にも鳥海山由来の湧水によって形成された美しいスポットが多数存在している。
RFマウントの新たな息吹を感じる新コンセプトのレンズ
RF35mm F1.4 L VCMは、優れた写真画質と動画撮影時の操作性の双方を磨き上げた新コンセプトのRF単焦点レンズだ。大口径レンズらしい滑らかなボケ味と、繊細な線を描くシャープさは自然風景はもちろん、スナップやポートレートにもうってつけだ。フィルター径がφ67mmと小さい点も、フィルターワークが重要な風景写真ではありがたい。
初採用のVCM(ボイスコイルモーター)は磁力を用いた高推力のフォーカシングユニットで、大口径レンズを力強く駆動させることで高速AFを実現している。動画撮影においては、アイリスリングによるスムーズな描写の変化が可能なことはもちろん、本レンズと鏡筒サイズや重心バランスを共通化した単焦点シリーズが予告されるなど、今後の展開に目が離せない。
周辺部まで精緻な解像力
開放絞りからピント面はシャープなレンズだが、F8以上まで絞ることで解像力はより一層向上する。全体に均一な光が回ってくれるので、四隅まで鮮明に描写されて非常に高画質だ。遠景から近景まで幅広いシーンを撮影したが、どの距離でもクリアに解像する。
EF35mm F1.4L II USMにて採用された色収差の補正に効果的なBRレンズこそ非搭載だが、RFマウントの大口径かつショートバックフォーカス設計による恩恵で、本レンズは同等以上の描写力を有している。
豊かなボケで立体的に表現
開放F1.4を用いた撮影は、背景がぼけて被写界深度が浅くなるため、被写体を立体的に見せられる。雨の中を歩いていると雨粒を乗せたシダ類の葉が目についた。最短撮影距離の28cmまで寄ってF1.4で撮影すると、ピントを合わせた水滴と葉の一部だけがみずみずしく浮かびがった。ボケも柔らかく好印象だ。
美しい光条と高い逆光耐性
絞り羽根は11枚。太陽を入れた撮影では22本の鋭い光条が得られるので、ポイントを作りやすい。ASC(Air Sphere Coating)によって逆光耐性が強化されているので、フレアやゴーストも気にならなかった。
アイリスリングで動画の表現領域が広がる
RF35mm F1.4 L VCMに搭載されたアイリスリングは現行機では動画撮影のみ使用できる(今後発売予定のカメラでは静止画撮影時も使用可能)。絞りがシームレスに動くので、動画撮影中でも絞りを調整可能だ。
アイリスリングを使えば、ボケの様子に集中しながら直感的に絞りの操作が行える。本レンズを用いた動画は、以下のYouTubeリンクから確認してほしい(動画作例は13:45から再生)。
まとめ
鳥海山周辺に到着すると、予想通りまぶしいほどの新緑が出迎えてくれた。湧き水や雪解け水が印象的だったので、その水をたどるように山麓を巡っていく。誇張の少ない35mmの画角だからこそ、鳥海山の変化に富んだ自然美が引き立つように感じる。F1.4の明るさは、曇りや雨の日の暗い森の中で特に役に立ち、ぬれた新緑の葉や木の幹を立体的に写してくれる。
レンズの描写力は申し分なく、滝を流れ落ちる水が岩肌に当たって飛び散る水滴の1粒1粒やこけむした岩の細部、新緑の葉脈の繊細な模様などのすべてを鮮明に描写する。コンパクトさと軽さは、足場の悪い自然の中を長時間移動しながら撮影する状況下で、負担を大幅に軽減してくれる。
小ぶりなレンズではあるが信頼性はこれまでのLレンズと同等。防塵・防滴構造なので、雨中や滝の撮影も安心して行えた。RF35mm F1.4 L VCMは動画撮影を意識した機能も付いているので、精力的に動画も撮影した。勢いよくあふれる伏流水と、その水によって育まれ生命力を増す草木。芽吹きを迎え躍動する山麓の様子を動画に収めていく。
伝統的な35mm F1.4で写す魅力を引き継ぎつつ、写真・動画双方の表現意欲をかき立てる本レンズから、RFレンズを次の世代へ進める気概を感じる旅となった。
※試作機による評価のため、製品版と外観および画質が異なる可能性があります
対象購入期間:2024年6月21日(金)~10月7日(月)
応募締切:2024年10月28日(月)
※当日消印有効
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