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開放F1.4の大口径単焦点レンズ「RF35mm F1.4 L VCM」が国内発表…キヤノンレンズで初の“ボイスコイルモーター”採用

キヤノンは、RFマウントレンズ「RF35mm F1.4 L VCM」を7月上旬に発売する。価格はオープン。直販価格は税込25万3,000円。

RFマウントレンズでは初となる、開放絞りF1.4を実現した大口径単焦点レンズ。EOSレンズの高級ライン“Lレンズ”に属する。EFマウント版「EF35mm F1.4L II USM」と同等以上の画質ながら、質量約555gで約27%軽量化したという。6月6日(木)に米国では発表済みだった。

RF/EFレンズで初めて採用するというVCM(ボイスコイルモーター)と、ナノUSMを組み合わせた電子式フローティングフォーカス制御を採用した。重い大口径フォーカスレンズ群をVCMで、軽量なフローティングレンズを省電力・小型のナノUSMで駆動。それぞれの移動量を制御することで高速かつスムーズなフォーカシングが可能なほか、フォーカスブリージングも大幅に抑制するとしている。

レンズ構成は11群14枚。UDレンズ2枚を効果的に配置して色収差を補正し、非球面レンズ(ガラスモールド)2枚を使用して球面収差・像面歪曲を抑えた。ACSコーティングによりゴーストやフレアを抑制したほか、レンズ最前面には油や水をはじきやすくなるフッ素コーティングも施している。

最短撮影距離は0.28mm。最大撮影倍率は0.18倍。絞り羽根の枚数は11枚。

RF24-105mm F2.8 L IS USM Zにも採用された「アイリスリング」を搭載した。動画撮影中に絞りをマニュアル操作でコントロールできる機構で、非クリック式のため滑らかな絞り調節が可能としている。回転方向はCINEMA EOS SYSTEMのシネマレンズと統一しており、一貫した操作性が得られるという。

また鏡筒にはコントロールリングも搭載。シャッタースピード、ISO感度、露出補正など任意の機能を割り当てられる。そのほかフォーカスリング、レンズファンクションボタンも備えている。

レンズ前面の67mm径フィルターネジに加えて、後部にリアフィルターホルダーを搭載した。シートタイプのフィルターを装着できるリアフィルターホルダーが製品に付属する。

外形寸法はφ76.5×99.3mm。質量は約555g。防塵防滴対応となっている。

静止画と動画の両方に高いレベルで対応するレンズとして、米国向け発表では“ハイブリッドレンズ”を謳っていた本モデル。この「RF35mm F1.4 L VCM」を第1弾として、筐体サイズや重心バランス、口径、リング配置、描写が統一された単焦点レンズシステムを今後展開していくという。

本誌:宮本義朗