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いまやCFexpressは「SDより安くて速い!!」

ProGrade Digital「GOLD 512GB」で実証してみる

プログレードデジタル CFexpress Type B GOLD 512GB

高速な転送速度を誇る次世代メモリーカードとして上位モデルを中心に採用されているCFexpress。高性能であるぶん高価だったが、最近は買いやすい価格帯になってきている。今回は飛行機撮影を例に、CFexpressとSDでは連写性能にどの程度差が生まれるのか、CFexpressは安定した動画撮影が行えるのか、撮影現場で試写を行った。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年9月号』より抜粋・再構成したものです。

【TREND】上位モデルを中心に高速なCFexpressが採用される

これまで主流だったSD UHS-IIより圧倒的に転送速度が速いCFexpress Type Bが、キヤノン EOS R3/R5やニコン Z 9/Z 8などのフラッグシップ機を中心に採用されている。容量によってはSDよりCFexpressの方が安いケースもあり、価格的にこなれてきている。

【SPEED】CFexpressはSDより3倍シャッターが切れる

ニコン Z 8を使用してCFexpress Type B GOLDとSDXC UHS-II GOLDで高速連続撮影+による撮り比べを行った。画質はRAW+JPEG FINE。阿蘇くまもと空港の外周から離陸機を狙った。SD UHS-IIでも離陸の瞬間だけ集中してシャッターを切るぶんには、カメラ側の処理能力の高さも手伝ってストレスなく撮影できたが、連写時間が長くなるとバッファ詰まりを起こした。CFexpressはSD UHS-IIの3倍のシャッターが切れた感覚で、決定的瞬間を得るための優位性への手応えは十分。バッファ詰まりもほとんどなかった。

ニコン Z 8/NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S/600mm/マニュアル露出(F8、1/500秒)/ISO 100/WB:晴天
ベストショット前後のコマをCFexpressとSDXC UHS-IIで比較。バッファ詰まりを起こさずきめ細かく撮影できているCFexpressに対し、SDXC UHS-IIは1/3程度の撮れ高にとどまっている
CFexpress Type B GOLDを使用。20コマ/秒で約20秒間連写し、開始から終了までの全355カットをつないだもの。ほぼ動画のようなきめ細かさで、決定的瞬間を逃しにくいことが分かる
SDXC UHS-II GOLDを使用。20コマ/秒で約20秒間連写し、開始から終了までの全96カットをつないだもの。バッファ詰まりの影響で撮影枚数がCFexpressより1/3程度の枚数にとどまっている

【MOVIE】CFexpressなら8K動画撮影にも対応できる

ニコン Z 8とCFexpress Type B GOLDを使用して8K動画の撮影を行った。飛行機の動きを断片的に捉える感覚で30秒ほどの録画を繰り返している。持続書込速度850MB/秒の恩恵で、かなり高画質の設定にもかかわらずストレスなく被写体に対峙できた。ちなみにSD UHS-IIでは8KのRAW記録自体が行えない。今後、静止画でも動画でもZ 8のポテンシャルを最大限に生かすにはCFexpressの導入が必須と言えるだろう。

8.3K 60pで撮影した動画を2K 60pに変換したもの。Z 8の最高画質で撮影しても問題なくこなすことができた ※音量注意
動画記録ファイル形式はニコン独自のRAWフォーマットであるN-RAW 12-bit(NEV)、動画階調モードはN-Log、画像サイズ/フレームレートは8.3K 60pというかなりリッチな設定にしているが、CFexpressであれば問題なく記録できる

制作協力:プログレードデジタル

深澤明