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星空撮影に最適なSAMYANG「AF 24mm F1.8 FE」「AF 135mm F1.8 FE」

AF 24mm F1.8 FE
発売日:2022年6月25日
実勢価格:5万6,000円前後(税込)

●SPECIFICATION
対応マウント:ソニーE
レンズ構成:8群11枚
絞り羽根枚数:9枚
最小絞り:F22
最短撮影距離:0.19m
最大撮影倍率:約0.21倍
外形寸法(最大径×全長):約65.0×71.5mm
質量:約230g
5月末の夜半ごろの夏の天の川を郊外で撮影した。描写は素晴らしく、周辺の目立ったコマは発生しない。中央下に、緑色の夜間大気光が捉えられている
α1/24mm/マニュアル露出(F1.8、30秒)/ISO 1600/WB:3,900K/赤道儀/ソフトフィルター

株式会社ケンコー・トキナーが取り扱う韓国のレンズメーカーSAMYANG。個性的なレンズを数多くラインアップしているが、今回はその中から星空撮影に最適な2本を天体写真家の沼澤茂美さんにセレクトしてもらった。

AF 135mm F1.8 FE
発売日:2022年5月27日
実勢価格:13万4,000円前後(税込)

●SPECIFICATION
対応マウント:ソニーE
レンズ構成:11群13枚
絞り羽根枚数:11枚
最小絞り:F22
最短撮影距離:0.69m
最大撮影倍率:0.243倍
外形寸法(最大径×全長):約93.4×129.6mm
質量:約772g
開放絞りから極めて良好な画質を示す。夏の天の川が、小さな星の集まりだというのがよく分かる。そこに重なる星雲や星団も明瞭に写し出している
α1/135mm/マニュアル露出(F1.8、30秒)/ISO 1600/WB:3,900K/赤道儀/ソフトフィルター

※本企画は『デジタルカメラマガジン2023年7月号』より転載・加筆したものです。

描写と使い勝手にこだわった星空撮影向けのレンズ

SAMYANGは韓国のレンズメーカー。一眼レフ用の14mm F2.8は、星空撮影用に爆発的に普及し、その高い結像性能とともにSAMYANGの名前が広く知られるようになった。今回紹介するソニーEマウントの24mm F1.8と135mm F1.8は、リニアSTMモーターを採用、高速かつ静かなAF仕様のレンズだ。

AF 24mm F1.8 FE(α7R IVに装着)
AF 135mm F1.8 FE(α7R IVに装着)

24mmはメーカーが「天体写真の傑作品」と記すほどの高い画質を全面に出している。EDガラスを2枚、高屈折HRガラスを3枚、非球面レンズを2枚用いて諸収差を良好に補正、開放絞りでもサジタルコマフレアのほとんどない素晴らしい星像を示す。そして驚くほどにコンパクトだ。

135mmはEDガラスを3枚、HRガラス2枚、非球面レンズを1枚用い、開放絞りでの高い結像性能を示す。135mmの方はそれなりの大きさだが軽量なため、F1.8の表現力を気軽に発揮できる感がある。

どちらも天体用を意識した「アストロフォーカスモード」を装備している。レンズ側面のボタンで、あらかじめ記憶させた無限遠にセットする機能で、精度も十分に高い。描写性能も機能も星空撮影で十分効果を発揮するレンズだろう。

質量230gと軽量で手のひらサイズの小型ボディ

24mmの圧倒的に小型・軽量な筐体には驚かされた。画質も秀逸で、旅用の星空レンズとしてはイチ押しだ。赤道儀や雲台への負担軽減にも効果的と言えるだろう。軽量という点では135mmも携帯のストレスを大きく軽減してくれる存在だ。

星空風景撮影が便利になるアストロフォーカスモード搭載

側面のボタンを押すと無限遠位置にピントをセットする「アストロフォーカスモード」が装備されている。起動させるには、電源を入れたカメラに、レンズ側のボタンを押しながら装着する。ボタンを長押しすることで新たな無限遠のピント位置を上書きできる。

制作協力:株式会社ケンコー・トキナー

沼澤茂美

(ぬまざわ・しげみ) 天文宇宙関係のイラスト、天体写真を中心に、内外の写真雑誌、天文雑誌、書籍の執筆、NHK天文宇宙番組の取材を行う。パラマウント映画社「スタートレックDeepSpace9」のポスター制作を担当。『夜の絶景写真 星空風景編』(インプレス)など著書多数。