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ライカ監修の5Gスマホ「LEITZ PHONE 2」で撮るポートレート

カメラマン萩庭桂太の実写&インプレッション

LEITZ PHONE 2(1/125秒)ISO 60

ライカ独自開発のレンズシミュレーション「Leitz Looks」を搭載した唯一のスマートフォンであるLeitz Phone 2。ライカカメラ社が全面監修し、ソフトバンクが販売する日本専売の端末です。今回は、仕事もプライベートもライカM10-RとライカQ2で撮影しているカメラマンの萩庭桂太さんに、ポートレート撮影(モデル:Asami)とインプレッションをお願いしました(編集部)

Leitz Phone 2

萩庭桂太
1986年東京写真専門学校卒業。同年よりフリーランス・カメラマンとして活動開始。雑誌、広告、CDジャケット、カレンダー、WEB、等幅広いメディアで活動中。ポートレート撮影を中心に仕事のジャンルは多岐にわたる。「写真家」ではなく「写真屋」、作家ではなく職人であることをポリシーとしている。萩庭桂太 YOUR EYES ONLYを連載中。

普段は仕事でのスタジオ撮影も、オフに撮る日常写真も、スマートフォンで撮る以外は全てライカM10-RかライカQ2を使っています。気に入ったカメラがあれば、オンもオフも全てそれらのカメラで撮影したいので、常にライカが出動しています。

これまでにもライカが携わったスマートフォンを使ったことがあり、その経験からLeitz Phoneにも興味を持っていました。毎日の散歩、とくに犬と一緒の時には片手でも撮れるライカQ2を持ち出していますが、1インチセンサー搭載のLeitz Phone 2であれば、より身軽な“カメラ”として連れ出せそうです。

毎日の散歩コースを歩きながら、いろんな場所を背景に撮影してみました。Leitz Looksモードだと、撮影前のライブビュー画面の時点で背景がボケているのが面白いです。このボケ処理は思った以上に効果的かつ自然で、引きの画でも人物が際立ちました。

Leitz Phone 2(1/1,500秒)ISO 50

Leitz Looksでは3つのレンズ(画角)を選べますが、今回は最も画角の広い「SUMMILUX 28」で全て撮影しました。動物園など撮りたい相手との距離を思うように調節できないシーンでは「SUMMILUX 35」「NOCTILUX 50」の出番でしょう。1インチ・4,720万画素のイメージセンサーでピクセルビニングを行うLeitz Phone 2は、35mm相当、50mm相当の画角を選んでも、28mm相当と同じ1,180万画素で記録されます。

掲載写真は全てLeitz Looksで撮影。レンズは「SUMMILUX 28」、トーンは「ORIGINAL」
Leitz Phone 2(1/160秒)ISO 60
Leitz Phone 2(1/160秒)ISO 60
Leitz Phone 2(1/210秒)ISO 50
Leitz Phone 2(1/280秒)ISO 50

Leitz Looksモードでは、基本的に画角と露出補正以外はオートになります。「トーン」という設定項目には、ORIGINAL(標準設定)のほかにMONOCHROME、CINEMA CLASSIC、CINEMA CONTEMPORARYと3つの色味が用意されています。これも全てORIGINALに固定して撮影しました。それでも、記録された写真を見ると、背景の色鮮やかさは撮影シーンに応じて自動的に変化しているようです。

Leitz Phone 2(1/850秒)ISO 50
Leitz Phone 2(1/800秒)ISO 50
Leitz Phone 2(1/400秒)ISO 50
Leitz Phone 2(1/200秒)ISO 50
Leitz Phone 2(1/220秒)ISO 50
Tips:「美肌」エフェクトも試してみた
効果を各10段階で調節できる

Leitz Looksの機能ではありませんが、流行りの「美肌」エフェクトがポートレートモードに搭載されています。女性に喜ばれるだろうなと思い、これも試してみました。効果MAXにすると、まさに美肌効果!という仕上がりです。

Leitz Phone 2(1/125秒)ISO 49 ポートレート(ぼかし:10 美肌:10)
Leitz Phone 2(1/220秒)ISO 50 ポートレート(ぼかし:10 美肌:10)

というわけでスマートフォンらしく街で撮影していましたが、さらに実力を試してみたくなったので、家に戻ってカポックを広げ、スタジオ的な撮影も試してみました。Leitz LooksのトーンをMONOCHROMEに設定して、アスペクト比も「1:1」に変えます。せっかくライカなのだから「3:2」もあればよかったのに、と思うのはマニアックでしょうか。

撮影後にJPEGデータを取り出してパソコンで開いてみると、思った以上の解像感があり、下の写真には最低限のレタッチを加えて仕上げてみました。このような明暗を美しく表現する力は、センサーサイズの大きさがメリットとなる部分です。

Leitz Phone 2(1/100秒)ISO 102 MONOCHROME

これだけのクオリティで撮れることがわかると、Leitz Phone 2を更に“カメラ”として使いやすくする外付けアクセサリーもあれば……などと考えてしまうほど。例えば、シャッターボタンがもう少しカメラっぽい位置にあったらな、グリップになるような部分があったらな、という具合です。

そこまでマニアックに使い込まなくとも、撮影後のメニューで「編集」ボタンをタップすれば、そのまま写真の明るさやコントラストなどの簡易編集を加えて、SNSにアップすることもできます。このあたりは“スマホ”なら当然のメリットですね。

ちなみに今回試したLeitz LooksモードはJPEG記録オンリーですが、撮影モードで「マニュアル」を選ぶと、約4,720万画素でのRAW記録も可能です。また、動画記録は最大で8K解像度まで選べるそうなので、これもいつか試してみたいと思います。

最初はライカ監修のスマートフォンと聞いて興味津々、半信半疑もありましたが、1インチセンサーを搭載した“スマホ”という小型カメラ、Leitz Phone 2の性能は納得できるものでした。遠くの人と会話する電話と、目の前にある楽しいことを精細に記録できるカメラが一緒になったLeitz Phone 2なら、きっといつでも持ち歩きたくなりますね。

制作協力:ライカカメラジャパン株式会社

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