特別企画
リアルタイムトラッキングと連写でどこまで撮れる?「ソニーα6400」愛犬撮影会を開催!
諦めていた"動くわが子"を撮影!!
2019年3月25日 19:08
2月22日に発売されたソニーの「α6400」は、強力なAF性能と連写機能を持つAPS-Cセンサー搭載のミラーレスカメラです。プロも多用するフルサイズイメージセンサーを搭載した上位モデル「α9」などと同じ画像処理エンジンが採用され、手の届きやすい価格にもかかわらず、動く被写体に非常に強いAF性能が特徴です。
しかも、上位モデルが今後のソフトウェアアップデートで対応する予定の「リアルタイムトラッキング」を先駆けて搭載。顔・瞳・色・模様・距離を自動認識するもので、動く被写体への追尾がかなり強力なのです。さらに今春にはαシリーズの中でα7R III・α7 IIIが先駆けて、世界初となる、オートフォーカスが一部の動物の瞳にも対応する予定になっています。
デジカメ Watchではこのα6400の実力を試すべく、愛犬撮影会を開催。ペトグラファーの小川晃代さんを講師にお迎えして、写真好きの4組の家族にα6400で愛犬の躍動感ある写真を撮っていただきました。
講師:ペトグラファー・小川晃代さん
トリマー、ドッグトレーナー資格をはじめ様々な動物資格を保持した写真家で今までに撮影した頭数は3万匹以上に及ぶ。
写真教室やスマホの撮り方講座の講師をはじめ、ペット雑誌の編集長やペット番組のディレクター、ペットモデルのコーディネートなどその活動は幅広い。
著書には「ねこきゅう」(東京書店)、「いぬのココロがわかる本」(ぶんか社)、「ねこの撮り方まとめました!」(日本カメラ社)、「こいぬ」「こねこ」(ポプラ社)他がある。
参加者に貸し出された「α6400」。写真は、標準ズームレンズ「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」と、望遠ズームレンズ「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」がセットになったダブルズームキットのシルバー色。
今回の撮影会では、主に望遠ズームレンズ「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」を使用してもらいました。ボディカラーと同様、シルバーとブラックの2色が用意されています。
「α6400の一番の良さはコンパクトなことですね。ワンちゃん撮影の場合、ワンちゃんのお出かけグッズがどうしても多くなるので、さらにカメラまで大きかったりすると、撮る気がなくなっちゃうんです。ワンちゃん撮影に使うカメラは、コンパクトにこしたことがないですね」(小川さん)。
計4頭のワンちゃんが勢ぞろい
いよいよ愛犬撮影会がスタート。会場は千葉県柏市の小型犬専用ドッグカフェ「3-2-WAN!」。ドッグランとガーデンテリアが完備されています。
今回の撮影会にご参加いただいた愛犬家の方々は、普段から一眼レフカメラやスマートフォンで、可愛いわが子の姿を残しています。ただし、ソニーのミラーレスカメラを使うのは初めてだそうです。
最初に小川さんから、α6400の簡単な使い方と、ワンちゃん撮影にオススメなカメラ設定を教えていただきました。
「躍動感のあるワンちゃんを撮るには、シャッター速度を1/1,000秒以上に設定します。さらにピントを合いやすくするため、絞りがF5.6くらいになるようにISO感度を調整しましょう」
撮影日は曇り。ISO感度はISO640以上、ホワイトバランスは「AWB」もしくは「曇り」に設定。フォーカスは、ドライブモードを「連写」に設定して、フォーカスエリアを「トラッキング:拡張フレキシブルスポット」、フォーカスモードを「AF-C」に設定して撮影しました。
これは小川さんの作品です。横方向に走るワンちゃんをカメラが被写体を自動追尾する機能「リアルタイムトラッキング」を活かして撮影しました。
「リアルタイムトラッキングを使って一度ターゲットをロックすれば、半押し中は、かなり早い動きの被写体でもピントを合わせ続けてくれるので、シャッターチャンスに集中できます」(小川さん)
さっそく挑戦!走る&ジャンプする愛犬を撮る
ドッグランに1組ずつ入り、撮影スタートです。
まずは、奥から手前へと向かって走ってくるワンちゃんを撮影しました。カメラに向かってボールを投げることで、ボールを追いかけるワンちゃんがこちらに迫ってきます。高速で近づいてくるワンちゃんを撮るには、AFの精度と連写性能が重要になります。
α6400のAFセンサーは撮影画面内の85%をカバーし、画面の端でもピントが合います。測距点数は、位相差AFとコントラストAFともに425点。さらにフル解像度で最高約11コマ/秒のAF/AE追随高速連写が可能です。最大連写可能枚数は115枚(JPEG Lサイズ ファイン)。
ボールを追いかけるアイビーちゃんを撮ってみました。AFがしっかり追従しています。
さて、参加者のみなさんの感想は……
こうした撮影には一眼レフカメラで慣れているkaorinさん。
「ミラーレスカメラは連写をすると連続的に表示されず、途切れながら表示されるイメージがありました。ほどんどそれが感じられないことに驚きました」(kaorinさん)。
唯一の大型犬の慧ちゃんには、走ってきた後、柵を豪快に跳び越えてもらいました。約1mほどの柵を楽々ジャンプ!
ワンちゃんのジャンプが横にずれても大丈夫。「リアルタイムトラッキング」なら、画面の端に被写体が来てもピントを追い続けます。
「以前は一眼レフを使っていたのですが、重くて撮るのをやめてしまいました。最近ではスマートフォンばかりで撮影しています。α6400は思ったより軽くて、液晶画面を見ながら撮れるのが便利ですね」(サトリママ)
漣くんはアジリティ競技のスラロームを撮影に挑戦しました。60cm間隔に置かれた全長3mのポールの間をすり抜けます。
「スラロームはポールとポールの間をすり抜ける競技なので、ポールをくぐる時に顔が隠れてしまいます。AFが途中で外れることが多いので、いつもは最後のポールに近づいたときだけAFを開始しています。今回試したα6400のリアルタムトラッキングは、スラロームの最初のポールから最後までピントが外れません。これならずっとAFを合わし続けて撮影できます」(岡田美友紀さん)
漣くんには、アジリティ競技のハードルにも挑戦してもらいました。上下の動きが入るため、ピント合わせの難易度が上がります。でも「リアルタイムトラッキング」があればこんな風にばっちり。
α6400は背面液晶モニターを使った撮影もファインダーと変わらない感覚で撮れます。
「ジャンプをしている写真は下から撮るとかっこいいのですが、液晶モニターが固定式だと、うつ伏せに寝転ばなくてはいけません。服が泥だらけになることも(笑)。α6400はチルト式液晶モニターなので、しゃがむだけでローアングル撮影ができます。楽な姿勢で撮影できるので欲しくなってしまいました」(岡田美友紀さん)
ウォルクくんもボールを追いかけてもらいました。ウォルクママさんはスマホオンリーで、カメラでウォルクくんを撮ることがありません。
「スマーフォトンだと動きの速いウォルクはピンボケになったり、ぶれたりしてしまうので、動くウォルクを撮るときは動画記録ばかりでした。今日はα6400で、躍動感のあるウォルクの写真が撮れて嬉しいです」(ウォルクママさん)
不規則な動きにも挑戦!
「リアルタイムトラッキング」を使えば、走ってくる愛犬を容易に撮れることがわかりました。では、投げたおやつやフリスビーをキャッチする瞬間、つまり比較的不規則な動きをする愛犬を撮るにはどうしたらよいでしょう。
「α6400の最高約11コマ/秒という連写性能は、動くワンちゃんを撮るには十分です。ポイントはピント合わせですね。この場合もリアルタイムトラッキングを使いましょう」(小川さん)
まずはアイビーちゃんのおやつキャッチ撮影に挑戦です。液晶モニターでリアルタイムトラッキングのターゲットをロックして、おやつを投げる瞬間に連写を開始します。
空をバックに飛び上がるアイビーちゃん。ピントがきっちりあっています。躍動感ある瞬間が撮れました。
プロも使用するフルサイズミラーレスカメラα7 IIIの性能は?
今回、小川先生にはα6400と一緒に、フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ「α7 III」でも撮影していただきました。
α7 IIIは、約2,420万画素の35mmフルサイズセンサーを搭載し、フル解像度で最高約10コマ/秒のAF/AE追随高速連写が可能です。最大連写可能枚数は172枚(JPEG Lサイズ ファイン)。693点像面位相差AFセンサーを搭載し、コントラストAF枠が425点に多分割化することで高検出精度を実現します。
「フルサイズセンサーを搭載する本格的なミラーレスカメラだけあって、画質がとにかく優れています。階調も豊かで表現力はさすがのクオリティ。ボケも大きくてきれいです」(小川先生)
まとめ:ベストショットがいっぱい撮れて大満足!
撮影後にパソコンに画像を取り込んで、大きな画面でピントや画質をチェックしてもらいました。
α6400を初めて使ったみなさん、どんな感想だったのでしょうか。
岡田美友紀さん
普段一眼レフカメラを使っていますが、α6400のリアルタイムトラッキングは本当にすごいですね。撮影中もピントが追従していることが液晶モニターで確認できたので、撮っていて安心感がありました。今まで諦めていましたが、ここまで生き生きした表情が簡単に撮れて嬉しいです。撮影後にパソコンで見ると色も美しく、拡大すると毛の1本1本きめ細かい画像で思わず声を上げてしまいました。コンパクトなボディなのに本当にポテンシャルが高い!
Kaorinさん
普段、一眼レフカメラで撮影しています。ミラーレスカメラは動く被写体は撮れないと思い込んでいたのですが、今日は動きのあるベストショットがたくさん撮れて良かったです。撮影中にピントが外れたかな?と思っていた写真も、確認したらきちんと最後まで追尾していて驚きました。連写がとても速いのでベストなタイミングとその前後がきちんと撮れていて嬉しいです。チルト式液晶モニターを使えば寝ころばなくても撮れるのもいいですね」(kaorinさん)。
七海さん
普段、撮影はあまりしていません。走っている犬を撮ることはすごく大変だと思っていましたが、簡単に撮れたことに驚きました。犬の素早い動きにもリアルタイムトラッキングがしっかり追従して、撮影者の腕をサポートしてくれているのをすごく感じました。撮っていて楽しかったです。
今年の夏に搭載予定!「動物対応のリアルタイム瞳AF」に期待大
今後予定されているソフトウェアアップデートにより、リアルタイム瞳AFが動物にも対応するとリリースされています。α7 Ⅲとα7R Ⅲが2019年の4月頃に、今回ご紹介したα6400は夏頃に対応する予定です。
人物の瞳を自動で検出しピントを合わせる機能で定評のあるソニーαの瞳AFが、ペット撮影など一部の動物でも使えるようになります。
参加者の皆さんに、動物対応のリアルタイム瞳AFについて聞いてみました。
「写真好きな愛犬家同士ですごく話題になっています。今のα6400でも十分に撮りやすいのに、もっと撮りやすくなるんですよね。搭載されたらまた使いたいです」(kaorinさん)
「犬種によって目がぜんぜん違うのに、きちんと検出できたら本当にすごいですよね」(ウォルクママさん)
「AFで追いかけてほしい被写体を画面でタッチするタッチトラッキングが便利なのですが、ワンちゃんが動いているとタッチに手間取ることがあります。動物に対応したリアルタイム瞳AFなら、最初のピント合わせがすごく楽になると思います」
「動いている動物の瞳にピントを合わせるのはプロなら当たり前ですが、かなり難しいテクニックになります。それをカメラが自動的にしてくれるわけです。構図やシャッターチャンスといった、ピント合わせ以外に意識を向けることができるようになるので、写真がもっと良くなる可能性を秘めています」(小川先生)
ともあれ、リアルタイムトラッキング+連写でしっかり楽しめた今回の愛犬撮影会。最新ミラーレスカメラの実力をしっかり体感していただけたのではないでしょうか。
制作協力:ソニーマーケティング株式会社