新製品レビュー

春の自撮りデジカメ特集(その3)多彩な機能が詰め込まれたフレンドリーモデル!

Panasonic LUMIX GF10/GF90

LUMIX GF10/GF90ってどんなカメラ?

1,600万画素のフォーサーズセンサーを採用する小型軽量のミラーレスカメラ。ボディに手ブレ補正機構は搭載しないため、手ブレを抑えるには手ブレ補正機構付きのレンズを使う必要があります。

パナソニックのカメラは、GH5やG9 Proといった本格モデルもありますが、GF10/GF90はどちらかというとカメラ初心者でも使いやすくシンプルな操作性を実現しています。しかし写真はしっかり撮れますよ! 使用するメモリーカードはmicroSDメモリーカードです。

※LUMIX GF10、LUMIX GF90はどちらも同じ仕様の製品です。購入先によって名称がどちらかに変わります。

レンズキットはあるの?

LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.とLUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.の2本のレンズがセットになったダブルレンズキットのみの販売です。

LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.は、広角から標準までをカバーするズームレンズで、スナップやセルフィー撮影にとっても使いやすいレンズです。

ダブルレンズキットに付属するレンズは、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.」(ボディに装着されたレンズ)、単焦点レンズ「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.」(右側のレンズ)。

LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.は、いわゆる50mm相当の標準レンズで単焦点らしく明るいF1.7という開放F値を持つレンズです。テーブルフォトなどで背景をぼかした写真などを撮ることができます。

単焦点レンズのLUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.

大きい? 重い?

レンズ交換式のカメラとしてはとても小さくて軽いです。標準ズームとして付属するLUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S.も、鏡枠沈胴機構を採用しており、撮影しないときは全長も24mmとコンパクトに収納可能です。バッグに入れて持ち歩くときにも沈胴機構はありがたいです。

もちろん、本体(ボディ)も106.5mm(幅)×64.6mm(高さ)×33.3mm(厚さ)で、重さも約270g(バッテリー、メモリーカード含む)と小さくて軽いカメラとなっています。

女性は特にバッグがその日によって小さかったりします。そんな時もカメラを諦めずに持ち歩けるのはとても重要です。

ボディカラーは?

ブラウン

前モデルで人気だったオレンジに近いブラウンはそのまま継承しており、男女問わずおしゃれに持ち歩けます。革調の質感も他の2色とは違います。

ホワイト

日本モデルとしてはGFシリーズで少し久しぶりのホワイトですが、ただのホワイトではなく、ローズゴールドとの組み合わせがとても上品です。ローズゴールドは女性のアクセサリーのカラーでも多く採用されていますし、この色がカメラに採用されるのはとても嬉しいですね。

ブラック

ブラックも一新。前モデルのシルバー/ブラックの組み合わせではなく、ブラックのみのカラーリングになりました。シックで落ち着いた印象のブラックは質感もとてもクールです。

デザインは?

前作のGF9と比べて一番変わった点は前面にグリップピースがついたところです。フラットなデザインも良かったですが、やはりグリップがあるとホールドに安定感が生まれます。

ポケットにも入るサイズ感ですし、手に持ったまま歩いて、サッと構えて撮影したい……! 手に馴染むデザインだからこそ、このグリップがあることでより一層軽快に撮影できそうです。

セルフィーは簡単?

104万ドットの液晶モニターは、上方に180度チルトでき、液晶モニターをしっかりと見て確認しながらセルフィー撮影ができます。

液晶モニターを上方にチルトすると、自動的に自分撮りモードに変わり、通常のシャッターボタンに加え、カメラに向かって右手上面にあるFn3ボタンもシャッターボタンの役割を果たします。

フォーカスセレクトのFn3ボタンがシャッターボタンとなることで、右手でカメラを持ちながらシャッター操作をすることができます。

複数人でセルフィーをする時にもたつきがちなのは、カメラを撮る人が右端にいることがだいたい決まってしまうこと。みんながカメラに慣れていれば相手に渡せばいいのですが、パッと撮りたい記念写真の時にもたつくのはなかなか避けたいですよね。

そんな時に左手で軽々とシャッターが切れると自分が友人の左側にいてもサッと記念写真撮影ができます! 入れ替わることができる場面なら良いのですが、席が決まっていたり動きにくいところでこのFn3ボタンが効果を発揮してくれそうです!(実際かなり役立ちます!)

また、自分撮りモードでは、シャッターボタンを押したあとに、1秒から10秒まで選べるセルフタイマーが起動し、カウントダウンを見ながら表情を作ることができます。わたしは3秒くらいがおすすめです。

撮影枚数も1回のシャッターで1枚から4枚まで選べます。私のいつもの設定は3枚にしています。

LUMIX GF10/GF90 / LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. / 1/640秒 / F3.5 / 0EV / ISO 200 / 絞り優先AE / 12mm

ほかにも、肌を明るくなめらかに仕上げてくれる「美肌効果モード」や各種フィルターをかけられる「フィルター選択」、背景のボケ具合を調整できる「背景コントロール」機能など多彩なセルフィー機能を有しています。

さらに、夜景をバックに綺麗なセルフィー写真が撮れる「夜景セルフィーモード」や秒間30コマの連写をおこない、その中から気に入った表情を選べる「4Kセルフィー」機能も装備されています。

顔認識や瞳認識AFも認識率、精度ともに不満はなく、しっかりと顔にピントを合わせてくれます。これはセルフィーだけでなく、通常の人物撮影でも快適なピント合わせが可能です。

Wi-Fiは?

スマートフォンやタブレット専用アプリを使えば、簡単にスマホに写真を転送したり、スマートフォンやタブレットからカメラを操作して撮影をおこなったりできます。

スマホとの接続はFn4ボタンを押すだけででき、パスワードの入力などなしに接続が可能。QRコード認証機能も用意されており、難しい設定は一切ありません。

リモート撮影モードでは、スマホの画面をタッチしてピント合わせをしたり、ホワイトバランスや露出補正など調整したりできます。

カメラとしての性能は?

画素数は1,600万画素と比較的控えめですが、それでもA4サイズ以上のプリントでも鑑賞に十分なクオリティの写真が撮れます。画像の精細感を損なうローパスフィルターもなく、遠景の風景もしっかりと再現できます!

画像処理エンジンとなるヴィーナスエンジンは、色を3次元で補正する「3次元色コントロール」が採用されており、見た目に忠実な色再現が可能となっています。

連写速度もAF追従で約5コマ/秒とこのクラスとしては十分なスペックです。AF速度はミラーレスカメラとしてもトップレベルといって良いでしょう。

また、夜空の星にピントを合わせられる「星空AF」や-4EVという暗闇でもピント合わせが可能な「ローライトAF」機能など被写体によってとっても便利な機能も搭載されています。

撮影時にフィルターをかけられる「クリエイティブコントロール」もより自分好みの写真を撮影したい時に役立ちます。LUMIXのクリエイティブコントロールは使いやすく絶妙な色の表現ができるフィルターが22種類用意されています。

トイポップは周辺が暗くなり、トイカメラのようなトンネル効果が得られます。

LUMIX GF10/GF90 / LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. / 1/10秒 / F4 / +2EV / ISO 1600 / クリエイティブコントロール:トイポップ / 16mm

同じシーンでもクリエイティブコントロールを変えると印象がガラリと変わります。

クロスプロセスのレッドで空の色をマジックアワーのようにより印象的に。

LUMIX GF10/GF90 / LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. / 1/50秒 / F5.6 / 0EV / ISO 200 / クリエイティブコントロール:クロスプロセス(レッド) / 32mm

LUMIXのモノクロはいくつも種類がありますが、中でもわたしのお気に入りはシルキーモノクローム。その名の通り、モノクロでもとてもなめらかで繊細なモノクロに仕上がります。

LUMIX GF10/GF90 / LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO 200 / クリエイティブコントロール:シルキーモノクローム / 32mm

クリエイティブコントロールのサンシャインでは、写真の中に太陽を出現させて逆光シーンを作り出すことができます。太陽は4つの色味から朝、夕日など雰囲気に合わせて選べ、大きさや位置も自由に決められます。

LUMIX GF10/GF90 / LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO 200 / クリエイティブコントロール:サンシャイン / 32mm

猫の動きは自由気ままなのでいつどういう表情をするのか、いつまでそこにいてくれるのか予測不可能です。自由気ままが猫のいいところでもあります。でもシャッターチャンスを逃したくない時に4Kフォトはとても役立ちます。

ねこの「わらび」の目線が来ていないところから撮影しはじめて、途中音の鳴るおもちゃでコッチを見て~と念を送りましたが、あとで見てみると目線がない自然体の方が、わらびの美しい瞬間を残せたと感じます。

LUMIX GF10/GF90 / LUMIX G VARIO 12-32mm / F3.5-5.6 ASPH. / MEGA O.I.S. / 1/30秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO 1600 / 絞り優先AE / 20mm

最大で4K動画は30p、フルHD動画は60Pで撮影できます。

どんな人にオススメ?

セルフィー機能が充実していることから、やはりセルフィーや記念写真をよく撮る人に特にお勧めです。

セルフィー以外にも通常の撮影機能やフィルター効果がかけられるクリエイティブコントロール機能も装備されていますので、本格的に写真を楽しみたい人にも向いています。

ただし、ファインダーは装備されず、液晶モニターを見ながらの撮影のみとなりますので、ファインダーを覗いてじっくり撮影したいという人には向かないでしょう。

レンズは標準ズームと単焦点レンズの2種類が付属していますし、単焦点レンズを使えばすぐにボケ感を楽しむこともできます。交換レンズの追加購入などなしに、キットレンズだけでさまざまな撮影が楽しめるところも魅力です!

片岡三果

北海道三笠市出身。絵画を描く気持ちで写真を表現する写真画家。漫画家の両親、大叔父が油絵画家という家庭環境に育ち、幼い頃から美術、デザインを学ぶ。専門学校東京デザイナー学院にて「カメラと仲良くなる」をテーマに写真実習の講師をつとめる。アルバム大使。 カメライベント「Petit Trianon」を主催。2018年8月17日~23日に富士フォトギャラリー銀座で個展を開催。