ミニレポート
ハイコントラストな「例のモノクロ」をカメラ設定で作りたい!
(FUJIFILM XQ1)
Reported by 本誌:武石修(2014/8/14 09:00)
富士フイルムのコンパクトデジタルカメラ「FUJIFILM XQ1」を使って半年以上になる。質感の高いボディや「Velvia」のフィルムシミュレーションに満足し、普段から持ち歩いて使っている。
ところで、XQ1でちょっと物足りないと思っていたのが“画像が荒れたモノクロのエフェクト”が無いことだった。同様のエフェクトを搭載するカメラが多い中、このXQ1でも森山大道氏の作品のようなテイストを出せないか、設定を探ってみることにした。
ちなみにXQ1のエフェクトは「アドバンストフィルター」と呼ばれており、トイカメラ、ミニチュア、ポップカラー、ハイキー、ローキー、ダイナミックトーン、ソフトフォーカス、パートカラーとなっている。ダイナミックトーンは今回目指すエフェクトを思わせるが、カラー画像だ。
◇ ◇
ではさっそく、各項目の設定をしていきたい。
まず撮影モードは、被写界深度は自分でコントロールしたいということで絞り優先にした。
そして、何はともあれモノクロモードにする。XQ1では「フィルムシミュレーション」の中からモノクロを選ぶようになっている。ここで嬉しいことに、モノクロでコントラストを高めるフィルターもシミュレーションできるようになっている。今回はコントラストを強調したいのでイエロー、レッド、グリーンのフィルターから、レッドフィルターの組み合わせを選んだ。
ダイナミックレンジ設定は、この場合狭い方が良いのでレンジ拡張しない「DR100」にする。さらに画面に荒れを出すために感度を最高のISO12800に設定。
そしてXQ1はシャープネス、ハイライトトーン、シャドウトーンが調整できるので、鮮鋭かつハイコントラストにするため、すべて最高の「+2(ハード)」に設定した。
一方、ノイズリダクションは最低の「-2(弱)」にしてできるだけノイズが残るようにする。
モノクロでもホワイトバランスの設定を変えると画面の調子が少し変わる。筆者は太陽光にしてみたが、AUTOでも問題ないだろう。
最後にアスペクト比の設定だ。これは撮る人の好みだが、ややレトロな感じを受ける「1:1」を選んだ(ここだけは森山氏云々を無視した個人的な好み)。
これらの設定を終えたら、モードダイヤルのカスタムモードに登録する。登録は撮影メニューの4枚目から行える。
◇ ◇
今回の設定で撮影した作例を下に並べた。それほど高いコントラストや荒れは出なかったが、これはこれでおもしろい描写になったと思う。無料でエフェクトが1つ増えたと考えると得をした気になる。
少しアンダー目の露出だと粒子感が目立って、より狙いに近い描写になるようだ。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
XQ1以外のFUJIFILM Xシリーズも今回紹介した設定項目がほぼ備わっているので、Xシリーズのユーザーは試してみてはいかがだろうか。