Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
精密な構図の構築を助けてくれる理想のコンビ
萩原史郎さんが語る カーボン三脚「LQ-324C」+3ウェイ雲台「FW-01R」
2021年8月20日 07:00
デジタルカメラの手ぶれ補正機能や高感度画質が向上するにつれ、三脚・雲台の存在感がかつてより薄くなっています。
そんな三脚・雲台ですが、写真家の撮影において、いまだ重要な地位を占めているのも事実です。
この連載ではレオフォトブランドの三脚・雲台を使う写真家に、その重要性を語っていただきます。
今回寄稿いただいた写真家は萩原史郎さんです。
1959年、山梨県生まれ。写真誌『風景写真』の創刊、発行人、編集長を経験。写真誌への寄稿、コンテスト審査員、写真教室講師、講演会講師、写真クラブ例会指導など幅広くおこなう。「風景写真家 萩原史郎の 遺心伝心note」を運用中。
※本企画はデジタルカメラマガジン2021年9月号より一部転載したものです。
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常々、私の撮影スタイルは「手持ちである」と公言してきているが、もちろん三脚を使うときもある。
その理由は、手持ち撮影にはアングルの自由度や撮影における瞬発力がある一方で、精密な構図の構築や撮影テクニックの行使(ハーフNDフィルターを使うなど)がしにくかったり、長秒撮影ができないという、風景写真においては重要な部分に支障が生じるからだ。だから撮影時に後者の必要がある場合は速やかに三脚を使う。
私が使用する三脚と雲台の組み合わせはいくつかあるが、手持ち撮影と三脚撮影の双方を満足させるセットで、今もっとも使用率が高いのがLQ-324C+FW-01Rだ。
手持ち撮影が中心と言っても、風景は気まぐれなので、いつ何時、三脚が必要になるか分からない。そのためにはどんなときも三脚は携行したいわけだが、重いザックを背負い、しかも還暦を過ぎた身にとって、三脚は軽いほど良く、それでいて一定の強度や使いやすさは必須。その条件に見合う組み合わせがLQ-324C+FW-01Rというわけだ。
LQ-324Cは、ローポジション撮影のためのフラットユニットとハイポジション撮影のためのエレベーターユニットの双方が付属したMr.Qシリーズの三脚で、パイプ径が32mmの高強度モデル。レオフォト三脚の特徴である軽量性能を持ちつつ、エレベーター操作によって場面に応じて柔軟に高さ調整ができるメリットに加え、上質なデザインや質感さえも備えている。これこそ、私が求めていた三脚なのである。
そしてFW-01R。これまで自由雲台を中心にラインアップが組まれてきた雲台に、突如として割り込んできた3ウェイ雲台がこれ。カメラ取付部のパン動作を加えると4ウェイ雲台として動作するが、これが絶妙な操作幅を生む。見た目は小ぶりなのに剛性感は高く、各部を締め付けると中判クラスカメラでもびくともしない。
このコンビを携えて歩いていると、三脚を使いたいときに躊躇がない。さっと設置し、アルカスイス互換シューにカメラを載せ、素早く構図を追い込みシャッターを切るという流れが実にスムーズだ。かつて使っていた三脚と雲台の組み合わせは、重い・壊れる・操作性がイマイチという三悪が付いて回ったが、やっと理想の組み合わせに巡り合った思いである。
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前下がりの地面に三脚を設置するとと全高が足りなくなるが、エレベーター操作をすれば簡単に高さの調整ができる。エレベーターは着脱式で、取り外すとフラット三脚へと即、変身可能だ。
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3ウェイ雲台における水平出しや微調整のしやすさは言うまでもないが、さらにカメラ取付部も回転するので、カメラを縦位置に構えた時の操作性の高さも特筆すべきものがある。
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LQ-324Cには、2種類のネジ穴(3/8アクセサリーソケット・1/4アクセサリーソケット)が装備されている。ここを利用すれば様々なアクセサリーを装着することができる。例えば、「UC-02+MC-40+AM-4KIT」というアンブレラホルダーセットがあるが、これからMC-40を取り外し、AM-4マジックアームを1/4アクセサリーソケットにねじ込んで使う方法もある。
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小さく収納できるコンパクトさと剛性バランス3ウェイ雲台はパン棒が使いやすさの決め手となるが、一方で邪魔にもなる存在でもある。持ち歩く時やザックに固定したとき、パン棒が枝に引っ掛かった経験は誰もがお持ちだろう。
しかしFW-01Rの2つのパン棒は、ハンドル端のツマミを回しロックを解除すれば、折り畳むことができるので、邪魔にならない上にコンパクトになる。
機内持ち込み可能サイズのスーツケースの場合、LQ-324CからFW-01Rを外せば、すっきりと収まってしまう。短い撮影旅行の場合は、このコンパクトさも便利である。
制作協力:株式会社ワイドトレード