交換レンズレビュー
女性写真家が航空機撮影で「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」を使ったら
“重すぎない”超望遠ズームレンズの印象は?
2017年10月24日 07:00
私は写真家という職業柄、様々な被写体を撮影しています。生まれたての赤ちゃん、クラッシックなスポーツカー、美味しそうなパスタ、日本の南国 沖縄の風景、自然光を活かしたポートレート、水族館のクラゲ、一面の花畑、陶芸品……。
そのなかで飛行機体のジャンルでは、航空祭で行われるブルーインパルスの展示飛行をよく撮影しています。そんなときの私の機材は、ニコンD4SにAF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VRの望遠レンズを着けて153cmの身長に似付かわしくない出で立ちで動き回る機体を追いかけています。
女性にとっての望遠レンズ
ブルーインパルスの撮影講座にいらっしゃるお客様でも最近は女性の方が増えてきました。空港の屋上のデッキでも、カメラを持った女性が旅客機を撮影している姿をよく見かけます。
遠くを行く旅客機を自分の手元まで引き寄せるように大きく写すことのできる望遠ズームレンズは、一度使うとハマってしまう方も多いレンズですので、この魅力に取りつかれたのかも知れません。
ですが、やっぱり女性の手に400mmクラスの望遠レンズは正直重く、数十分左手で支えているだけでも疲労を感じてしまうのも事実。最近のカメラは小型軽量の傾向にあるので、レンズが重いと重心が前に行ってしまってバランスが悪くなることもしばしば。そんな悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
長時間使用したり持ち歩くなら、できるだけ軽くて小さいレンズのほうが嬉しいのは女性だけではありませんものね。
今回試用したSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporaryは「ライト・バズーカ」の異名を持つ超望遠ズームレンズ。サイズ、重量、コスパのバランスがいいと名高いこのレンズを使って実際に撮影してみましょう!
D500との相性はバッチリ
成田空港の展望デッキで旅客機の撮影をしてきました。この日は離陸シーンを見ることができました。使用カメラはニコンD500。連写性能とAPS-Cセンサーによる望遠効果を期待しました。
このデッキの柵には撮影用にレンズを通せる穴が開いているので、柵の写り込みもなく快適に撮影できます。
まずカメラに付けたところで軽さを感じました。これでまの400mmまでの望遠レンズとは思えないほど。重量も重すぎず、しかしちゃちなほど軽くもないのでD500との相性はバッチリ。
そして展望デッキでの旅客機撮影で地味に重要なのが、フードが落ちにくいこと。レンズを撮影穴に通してズームを使用して撮影していると緩みやすいレンズフードだと柵の向こう側に落ちてしまう危険性があります。
スポーツ撮影をされている方にはお馴染みですよね。フィールドを走りながら撮影していたらいつの間にかフードがなくなっていた事件。本製品のフードは、しっかりとレンズ鏡胴に着いてくれました。
そのズーミングはかなりなめらかです。超望遠ズームレンズに慣れていない方はテレ端からワイド端へのズーミングで多く回すことに戸惑いを感じるかも知れませんが、常から使用されている方は問題なくひっかかりのないスムーズなズームを味わうことができるでしょう。
みなさんお待ちかねのAF性能ですが、AFの素早さは今回撮影した離陸旅客機でしたら問題なく食いついてくれます。テレ端でのAFの合焦スピードも問題なく、ピント合わせでストレスを感じることはありませんでした。
画質に関しては、日中の低感度での撮影時に関してはシャープさもあり、フレアやゴーストも見られず高い解像感でした。今回が条件のいい撮影状態だったので、今度は夜間の空港などで試してみたくなりました。
そうなると気になってくるのが開放F値ですが、私が旅客機を撮るときはシャッター優先オートでシャッタースピード1/1,000~1/1,600秒が多いのですが、絞りは開放のF5が多かったです。欲を言えば絞り開放がF4だと気持ち嬉しいけど、そのせいで小型軽量が損なわれてしまうならこのままのほうがいいでしょう。
「ライト・バズーカ」で気軽に飛行機撮影を楽しもう
旅客機撮影というと「連写ができるカメラがないと」とか、「キットレンズしか持っていないから」とか、「撮り方がわからないから」とか色々と敷居が高く感じるかも知れませんが、初めての方は特に難しく考えずにキットレンズでもいいのでカメラを持って空港に行ってみましょう。
連写ができなくても、レンズの長さが足りなくてもその機材なりで楽しむことができます。そこで旅客機撮影を楽しいと思った方はきっと欲が出て来ると思います。
そうなったときは、自分の体のサイズに合った小型軽量、コスパのいい「ライト・バズーカ」がちょうどいいかも知れません。このレンズなら気軽に旅客機撮影を楽しむことができるでしょう。
撮影協力:成田国際空港株式会社