イベントレポート

シグマがSUPER GT最終戦で超望遠レンズを貸出

筆者も撮影に挑戦 ツインリンクもてぎで

シグマのブースがある「ARTA 20周年特別企画展示」の入り口

シグマは、去る11月11日と11月12日にツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡)で開催された「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL」にブースを出展し、交換レンズの貸出サービスを行った。

両日は、SUPER GTシリーズにおける2017年の最終戦。11日の予選を経て、12日の決勝でシリーズチャンピオンが決定した。ここでは11日におけるシグマブースの模様などをお伝えする。

なお、シリーズチャンピオンはGT500がKeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組)、GT300がグッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)だった。

【SUPER GT 最終戦もてぎ】レクサスの37号車「KeePer TOM'S LC500」平川/キャシディ組がチャンピオン ~GT300は4号車「グッドスマイル 初音ミク AMG」の谷口/片岡組がチャンピオン

ARTA Projectとコラボレーション

シグマがレースイベントでレンズの貸出を行うのは、鈴鹿サーキットで行われたスーパー耐久シリーズ2017 第3戦以来となる。その際に好評だったことから、今回の実施に至った。

シグマのブースは、ツインリンクもてぎのホスピタリティガーテンに設置された「ARTA 20周年特別企画展示」ブースの中に出展した。

ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)とは、元F1ドライバーの鈴木亜久里さんとオートバックスによる「ARTA Project」のことで、SUPER GTシリーズでもARTAチームとして参加している。鈴木亜久里さんがARTAの総監督を務めている。

シグマはARTAのスポンサーというわけでは無いが、ARTAおよびツインリンクもてぎの厚意で、今回の出展が実現したそうだ。

多くの人が訪れたシグマブース

主力レンズを一同に貸出

「予想以上に好評。100名くらいの方に借りていただいているのでは無いか」(シグマ)の言葉通り、ブースではほぼ人が途切れること無く、次々とレンズが貸し出されていった。

11日は8時から貸出開始の予定だったが、ツインリンクもてぎがオープンした直後の7時前には行列ができていたという。そのためシグマでは貸出開始を1時間早めて7時からに繰り上げたほどだ。

貸し出されたレンズは、「150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」(SportsおよびContemporary)、「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」、「500mm F4 DG OS HSM」といったレース撮影に向く超望遠レンズを初め、「12-24mm F4 DG HSM」、「14mm F1.8 DG HSM」、「20mm F1.4 DG HSM」、「24mm F1.4 DG HSM」といった超広角レンズ、また「35mm F1.4 DG HSM」、「50mm F1.4 DG HSM」、「85mm F1.4 DG HSM」、「135mm F1.8 DG HSM」などの単焦点レンズ、そして「24-70mm F2.8 DG OS HSM」、「24-35mm F2 DG HSM」、「24-105mm F4 DG OS HSM」などの明るめの標準ズームレンズも用意された。

貸し出されたレンズの一部。
100-400mm F5-6.3 DG OS HSM
500mm F4 DG OS HSM

スタッフによると、超広角系は「他の人とは違う写真が撮りたい」ということで借りる人が多いとのこと。こうしたレースでは超望遠レンズで車両を切り取る他に、広角レンズで周りの景色を入れながら流し撮りするといったテクニックもあるとのことだ。

そのほか、ズームレンズしか持っていない人が、単焦点レンズを試してみようと借りる姿もあったそうだ。

また、発売前の新レンズとして「16mm F1.4 DC DN」の貸出も行われていた。ミラーレスカメラ用の大口径単焦点レンズで、24mm相当(APS-C)や32mm相当(マイクロフォーサーズ)の画角となる。発売は11月22日だ。

16mm F1.4 DC DNも用意されていた。
カタログなども配布した

今回、写真付きの身分証を提示すれば無料で1日通して借りることができた。途中で借りるレンズを交換することもでき、1日に4回ほどレンズをチェンジした人もいたそうだ。

ピットも拝見 間近でマシンを見た

ARTA 20周年特別企画展示は、ARTA Projectの設立20周年とツインリンクもてぎのオープン20周年を記念したもので、両者の年表の他、歴代のマシンなどが展示されていた。

NSX ARTAカラー
ARTA HSV-010
ダラーラ IR3 Honda

レース終了後には、ARTA20周年スペシャルトークショーとして、SUPER GTに関わっている鈴木亜久里さん、土屋圭市さん、金石勝智さん、脇阪寿一さんが多くのファンを前にトークを繰り広げた。

左から鈴木亜久里さん、土屋圭市さん、金石勝智さん、脇阪寿一さん

今回ARTAチームの協力で、特別にピット内で撮影することができた。SUPER GTのマシンは名前こそ市販車のそれだが、間近で見るとあらゆるところに手が入った、市販車とは別ものである。

ARTAチームのピット

ARTAのGT300クラスカー「ARTA BMW M6 GT3」。その奥にはGT500クラスカーの「ARTA NSX-GT」があったが、カウルを外していたため撮影はNGだった。“チーム機密”の塊とのこと。

ARTAのメンバー
ARTAとモービルのレースクイーン。ピットウォークの時間に登場したところ
レース前のピットレーン

パドックパスがあれば、普段見られないクルマを間近に見ることもできる。こうした車両を撮影するのもサーキットでの楽しみだろう。

パドックにも多くの来場者が訪れていた。
NSXセーフティカー
来日してデモ走行を行ったDTM(ドイツツーリングカー選手権)のマシンの1つMercedes-AMG C 63 DTM。パドックエリアで展示されていた。
キッズピットウォークでは子供たちにチームのグッズなどが配られた。

パドックには、各チームのトランスポーターも停まっていた。

筆者も撮影してみた

せっかくの機会なので、筆者もシグマのレンズをお借りしてレース撮影に挑戦することにした。使ったのは100-400mm F5-6.3 DG OS HSMと24-70mm F2.8 DG OS HSM。なにぶん、レースの撮影は初めての事で(サーキット自体が初体験! エンジン音の大きさに驚きました!!)、仕上がりは大目に見て頂きたい。

快晴のツインリンクもてぎ。SUPER GTの予選前にはFIA-F4のレースが行われていた

※作例は適宜トリミング、明るさなどの調整をしてあります。また長辺800ピクセルにリサイズしています。

100-400mm F5-6.3 DG OS HSMで撮影したのは下の3枚。ビクトリースタンドの右端「V6席」から、メインストレート直前の「ビクトリーコーナー」付近のマシンを狙った。400mmでも少々遠く、トリミングで対応した。

EOS 5D Mark II / SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM / 1/125秒 / F13 / 0EV / ISO 100 / マニュアル露出 / 400mm
EOS 5D Mark II / SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM / 1/1,000秒 / F6.3 / 0EV / ISO 200 / マニュアル露出 / 400mm
EOS 5D Mark II / SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM / 1/1,000秒 / F8 / 0EV / ISO 400 / マニュアル露出 / 400mm

ここからは、24-70mm F2.8 DG OS HSMの作例。次の写真はメインストレートを走るFIA-F4のマシンを28mmの広角で流し撮りしたもの。

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/15秒 / F22 / 0EV / ISO 50 / マニュアル露出 / 28mm

ピットウォークでは、レースクイーンを撮影する人も多かった。

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/1,250秒 / F4 / 0EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 36mm

続いてはARTAのピットで撮影。後ボケや前ボケを活かすため開放絞りを多用してみた。

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/500秒 / F2.8 / +1EV / ISO 800 / 絞り優先AE / 70mm
EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/30秒 / F2.8 / +0.7EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 24mm
EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/1,000秒 / F2.8 / -1EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 70mm

ピットで真剣にモニターを見つめるのは、ARTAでエグゼクティブ・アドバイザーを務める土屋圭市さん。

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/30秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 70mm

レース後の車検を終えてピットに戻るARTA BMW M6 GT3。

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/320秒 / F5.6 / -2EV / ISO 800 / 絞り優先AE / 70mm

ARTAのトランスポーターのうしろには、タイヤが積まれていた。パドックパスがあればこうした光景も見られる。

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/500秒 / F8 / -1EV / ISO 100 / 絞り優先AE / 24mm

キッズピットウォークで子供たちのキャップにサインをするARTA GT300ドライバーのショーン・ウォーキンショー選手。

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO 1600 / 絞り優先AE / 63mm

まとめ

周りを見渡せばプロ機に大砲(超望遠レンズ)を付けた来場者がゴロゴロ。そこまででなくとも、大人から子供までカメラを提げた人が思った以上に多い。スマホ時代とはいえ、こうしたイベントではきちんとカメラで撮りたいという人が多いのだろう。

いくつかのメーカーがすでに実施しているが、シグマのように望遠レンズに注力しているメーカーがこうした場所でプロモーションを行う取り組みは、実に有意義なことだと感じた。例えば、来場者が持っていない望遠レンズを借りれば、よりレースを楽しむことができるからだ。

ちなみにツインリンクもてぎは、サーキットだけでなくアスレチックやグランピングの施設もある。そちらについてまとめた過去記事もあるので、興味のある人は過去記事を参照されたい。

・サーキットだけじゃない!「ツインリンクもてぎ」の魅力 ~併設されたハローウッズの森で撮影を楽しもう
・写真とキャンプとコーヒーと ~“ツインリンクもてぎ” でくつろぐ贅沢な時間

EOS 5D Mark II / SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM / 1/20秒 / F8 / 0EV / ISO 3200 / 絞り優先AE / 24mm

取材協力:ツインリンクもてぎ(株式会社モビリティランド)
取材協力:AUTOBACS SUPER GT 2017 SERIES(株式会社GTアソシエイション)
取材協力:ARTA Project(株式会社アルネックス)

本誌:武石修