イベントレポート
シグマがSUPER GT最終戦で超望遠レンズを貸出
筆者も撮影に挑戦 ツインリンクもてぎで
2017年11月14日 07:00
シグマは、去る11月11日と11月12日にツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡)で開催された「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 8 MOTEGI GT GRAND FINAL」にブースを出展し、交換レンズの貸出サービスを行った。
両日は、SUPER GTシリーズにおける2017年の最終戦。11日の予選を経て、12日の決勝でシリーズチャンピオンが決定した。ここでは11日におけるシグマブースの模様などをお伝えする。
なお、シリーズチャンピオンはGT500がKeePer TOM'S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組)、GT300がグッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)だった。
ARTA Projectとコラボレーション
シグマがレースイベントでレンズの貸出を行うのは、鈴鹿サーキットで行われたスーパー耐久シリーズ2017 第3戦以来となる。その際に好評だったことから、今回の実施に至った。
シグマのブースは、ツインリンクもてぎのホスピタリティガーテンに設置された「ARTA 20周年特別企画展示」ブースの中に出展した。
ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)とは、元F1ドライバーの鈴木亜久里さんとオートバックスによる「ARTA Project」のことで、SUPER GTシリーズでもARTAチームとして参加している。鈴木亜久里さんがARTAの総監督を務めている。
シグマはARTAのスポンサーというわけでは無いが、ARTAおよびツインリンクもてぎの厚意で、今回の出展が実現したそうだ。
主力レンズを一同に貸出
「予想以上に好評。100名くらいの方に借りていただいているのでは無いか」(シグマ)の言葉通り、ブースではほぼ人が途切れること無く、次々とレンズが貸し出されていった。
11日は8時から貸出開始の予定だったが、ツインリンクもてぎがオープンした直後の7時前には行列ができていたという。そのためシグマでは貸出開始を1時間早めて7時からに繰り上げたほどだ。
貸し出されたレンズは、「150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」(SportsおよびContemporary)、「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」、「500mm F4 DG OS HSM」といったレース撮影に向く超望遠レンズを初め、「12-24mm F4 DG HSM」、「14mm F1.8 DG HSM」、「20mm F1.4 DG HSM」、「24mm F1.4 DG HSM」といった超広角レンズ、また「35mm F1.4 DG HSM」、「50mm F1.4 DG HSM」、「85mm F1.4 DG HSM」、「135mm F1.8 DG HSM」などの単焦点レンズ、そして「24-70mm F2.8 DG OS HSM」、「24-35mm F2 DG HSM」、「24-105mm F4 DG OS HSM」などの明るめの標準ズームレンズも用意された。
スタッフによると、超広角系は「他の人とは違う写真が撮りたい」ということで借りる人が多いとのこと。こうしたレースでは超望遠レンズで車両を切り取る他に、広角レンズで周りの景色を入れながら流し撮りするといったテクニックもあるとのことだ。
そのほか、ズームレンズしか持っていない人が、単焦点レンズを試してみようと借りる姿もあったそうだ。
また、発売前の新レンズとして「16mm F1.4 DC DN」の貸出も行われていた。ミラーレスカメラ用の大口径単焦点レンズで、24mm相当(APS-C)や32mm相当(マイクロフォーサーズ)の画角となる。発売は11月22日だ。
今回、写真付きの身分証を提示すれば無料で1日通して借りることができた。途中で借りるレンズを交換することもでき、1日に4回ほどレンズをチェンジした人もいたそうだ。
ピットも拝見 間近でマシンを見た
ARTA 20周年特別企画展示は、ARTA Projectの設立20周年とツインリンクもてぎのオープン20周年を記念したもので、両者の年表の他、歴代のマシンなどが展示されていた。
レース終了後には、ARTA20周年スペシャルトークショーとして、SUPER GTに関わっている鈴木亜久里さん、土屋圭市さん、金石勝智さん、脇阪寿一さんが多くのファンを前にトークを繰り広げた。
今回ARTAチームの協力で、特別にピット内で撮影することができた。SUPER GTのマシンは名前こそ市販車のそれだが、間近で見るとあらゆるところに手が入った、市販車とは別ものである。
ARTAのGT300クラスカー「ARTA BMW M6 GT3」。その奥にはGT500クラスカーの「ARTA NSX-GT」があったが、カウルを外していたため撮影はNGだった。“チーム機密”の塊とのこと。
パドックパスがあれば、普段見られないクルマを間近に見ることもできる。こうした車両を撮影するのもサーキットでの楽しみだろう。
パドックには、各チームのトランスポーターも停まっていた。
筆者も撮影してみた
せっかくの機会なので、筆者もシグマのレンズをお借りしてレース撮影に挑戦することにした。使ったのは100-400mm F5-6.3 DG OS HSMと24-70mm F2.8 DG OS HSM。なにぶん、レースの撮影は初めての事で(サーキット自体が初体験! エンジン音の大きさに驚きました!!)、仕上がりは大目に見て頂きたい。
※作例は適宜トリミング、明るさなどの調整をしてあります。また長辺800ピクセルにリサイズしています。
100-400mm F5-6.3 DG OS HSMで撮影したのは下の3枚。ビクトリースタンドの右端「V6席」から、メインストレート直前の「ビクトリーコーナー」付近のマシンを狙った。400mmでも少々遠く、トリミングで対応した。
ここからは、24-70mm F2.8 DG OS HSMの作例。次の写真はメインストレートを走るFIA-F4のマシンを28mmの広角で流し撮りしたもの。
ピットウォークでは、レースクイーンを撮影する人も多かった。
続いてはARTAのピットで撮影。後ボケや前ボケを活かすため開放絞りを多用してみた。
ピットで真剣にモニターを見つめるのは、ARTAでエグゼクティブ・アドバイザーを務める土屋圭市さん。
レース後の車検を終えてピットに戻るARTA BMW M6 GT3。
ARTAのトランスポーターのうしろには、タイヤが積まれていた。パドックパスがあればこうした光景も見られる。
キッズピットウォークで子供たちのキャップにサインをするARTA GT300ドライバーのショーン・ウォーキンショー選手。
まとめ
周りを見渡せばプロ機に大砲(超望遠レンズ)を付けた来場者がゴロゴロ。そこまででなくとも、大人から子供までカメラを提げた人が思った以上に多い。スマホ時代とはいえ、こうしたイベントではきちんとカメラで撮りたいという人が多いのだろう。
いくつかのメーカーがすでに実施しているが、シグマのように望遠レンズに注力しているメーカーがこうした場所でプロモーションを行う取り組みは、実に有意義なことだと感じた。例えば、来場者が持っていない望遠レンズを借りれば、よりレースを楽しむことができるからだ。
ちなみにツインリンクもてぎは、サーキットだけでなくアスレチックやグランピングの施設もある。そちらについてまとめた過去記事もあるので、興味のある人は過去記事を参照されたい。
・サーキットだけじゃない!「ツインリンクもてぎ」の魅力 ~併設されたハローウッズの森で撮影を楽しもう
・写真とキャンプとコーヒーと ~“ツインリンクもてぎ” でくつろぐ贅沢な時間
取材協力:ツインリンクもてぎ(株式会社モビリティランド)
取材協力:AUTOBACS SUPER GT 2017 SERIES(株式会社GTアソシエイション)
取材協力:ARTA Project(株式会社アルネックス)