ニコン「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 大浦タケシ

D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約5.2MB / 4,288×2,848 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 150mm

 


D300に装着。価格は11万250円

 D300Sとともに発表、発売された高倍率ズームレンズである。既存の「AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6 G」の後継にあたり、新たにインナーの鏡銅が自重で落下することを防止するズームロックスイッチを装備するとともに、スーパーインテグレーテッドコーティングを採用する。定価は11万250円。大手量販店での実勢価格は9万3,700円前後となる。

 光学系は基本的に先代と同じだ。レンズ構成は12群16枚。そのうちEDレンズ2枚、非球面レンズ3枚となる。ズーム倍率は11.1倍、最短撮影距離はズーム全域で50cmであることも同様だ。手ブレ補正機能は先代がVR、本レンズがVR IIと表記はなるが、機構的にはまったく同一のもの。これは、先代のレンズが発売された当時は、VR IIの性能を持つ手ブレ補正機能も従来のVRと区別されていなかったためだ。補正効果はシャッタースピード換算で約4段分と心強い。

 描写はやや線の太いところがあるものの、フレアの発生は少なくたいへんヌケ、コントラストとも良好である。光源が画面のなかに入るような条件でのゴーストの発生もよく抑えられている。いずれも、新しいコーティングが施されている結果だろう。また、絞りを開放で使うことが度々あったが、カメラ側のビネットコントロール機能の働きもあってワイド側での周辺光量不足は皆無。

 一方、テレ端ではちょっとツラく感じられることもあった。ただし、2段程度絞ると気にならないレベルとなる。色のにじみについては、やはりカメラ側の軽減機能の働きで最小限に抑えられ、ディストーションはワイド側でタル状のものがわずかに見極められる程度。描写特性的に高倍率ズームとしてはよくできたレンズといえる。D300Sのキットレンズでもあるが、機材を少なくしたい従来のニコンデジタル一眼レフのユーザーにもオススメしたい1本だ。


  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

 


D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約5.3MB / 2,848×4,288 / 1/400秒 / F10 / +0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 18mmD300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約4.9MB / 2,848×4,288 / 1/400秒 / F10 / -1EV / ISO200 / WB:晴天 / 75mm
D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約4.8MB / 2,848×4,288 / 1/320秒 / F9 / +0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 18mmD300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約6.6MB / 4,288×2,848 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天 / 105mm
D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約5.7MB / 2,848×4,288 / 1/60秒 / F4 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / 18mmD300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約3.5MB / 4,288×2,848 / 1/125秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / 36mm
D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約4.5MB / 2,848×4,288 / 1/80秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 48mmD300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約5.8MB / 2,848×4,288 / 1/500秒 / F11 / +0.3EV / ISO400 / WB:オート / 62mm
D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約4.4MB / 4,288×2,848 / 1/200秒 / F7.1 / -0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 200mmD300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約5.0MB / 2,848×4,288 / 1/250秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 200mm
D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約5.8MB / 2,848×4,288 / 1/320秒 / F9 / +1.3EV / ISO800 / WB:晴天 / 50mmD300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約3.5MB / 4,288×2,848 / 1/800秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO200 / WB:晴天 / 200mm
D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約4.3MB / 2,848×4,288 / 1/160秒 / F6.3 / +1EV / ISO400 / WB:晴天 / 200mmD300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約6.0MB / 2,848×4,288 / 1/160秒 / F5 / +0.3EV / ISO1600 / WB:晴天 / 65mm

 


D300 / AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6 G ED VR II / 約4.4MB / 2,848×4,288 / 1/320秒 / F9 / -0.7EV / ISO200 / WB:晴天 / 150mm

 









大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員

2009/9/18 00:00