デジカメアイテム丼
"マップカメラ×横濱帆布鞄"のショルダーバッグ
カメラ専門店ならではのカジュアル仕様
2017年6月19日 07:00
カメラ好きにはお馴染みのマップカメラ。専門店ならではのオリジナルアイテム開発にも熱心なのはご存じだろうか? "カメラを入れて気軽に持てるバッグ"として横濱帆布鞄とコラボした「Daily Shooter Bag」について話を聞いてきた。
カメラ専門店がカメラ専用でないバッグを企画するとは意外だが、担当者の話を聞くほどに、専門店ならではの知見や時流を反映したアイテムであることがわかった。
今回話を聞いたDaily Shooter Bagの企画担当者は、アパレル業界で10年の経験を持つ女性。カメラバッグというアイテムを見渡した時に、やはりカメラといえば男性中心のイメージが世の中に強いのか、黒など控えめな色ばかりだと感じ、そこにカジュアルな要素を持ち込みたいと考えたのが企画の始まりだった。
カメラバッグ以外でカメラを持ち歩きたいというニーズは、小型かつ本格画質が得られるミラーレスカメラの普及とともに広まったように思う。そしてカメラと日常生活の親和性がいっそう高くなったので、普段の生活に+αでカメラを持ち歩くスタイルが模索されている。
この商品企画にあたってマップカメラのスタッフ内でリサーチしたところ、もちろんカメラバッグを持って撮りに行く人もいるが、多くは普段使いのバッグにインナーケースやキルティングの巾着ポーチを組み合わせてカメラを持ち歩いていたそうだ。
カメラを使う人のことを理解してくれている、横濱帆布鞄の社長
そうして「カッコよくて普段使いできる」かつ「カメラを持ち運ぶのに使いやすい」というバッグの企画がスタート。そこで出会ったのが横濱帆布鞄だ。
横濱帆布鞄は横浜に店舗(万国橋本店)を持ち、"マイバッグ作り"のワークショップなどを開催していることでも知られる。マップカメラのコラボレーションでは「Camera Carrying Tote Bag」の前例があり、普段使いできるバッグにカメラ機材をフィットさせるバランスが人気を博した。9,700円という絶妙な価格も後押ししてか、過去2回の販売はいずれも即完売した。
この企画が何よりラッキーだったのは、横濱帆布鞄の社長がカメラ好きで、カメラを使う人のことを理解してくれているということだ。例えば、バッグの開口部をどのようにすればレンズ交換時の使い勝手がよいかに至るまで、「とにかく使いやすくないとだめ」と、社長が自らアイデアを出してくれたという。そうした経緯もあり、バッグの基本的な設計は横濱帆布鞄に一任できたそうだ。
そこにマップカメラオリジナルモデルとして、マップカメラ側からの要望として加えたのが、ショルダーバッグにも継承された「小物ポケット」。メモリーカードなどのカメラ周辺の小物を入れるために、間仕切りは狭く、深さも浅めに設定し、リップスティックのようなアイテムを入れるのにも便利。
ソニーα7 II+70-300mmを入れたかった
第1弾のトートバッグで確立した"カメラを気軽に持てる普段使いのバッグ"というコンセプトは、今回新発売のショルダーバッグ「Daily Shooter Bag」(税込1万2,800円)にも継承されている。
カメラバッグとして見ると珍しい形状は、担当者がレコードバッグ(レコード盤を持ち歩くためのもの)を好きだったのがきっかけ。正方形をベースに、実際に背負った姿を見ながらリファインし、現在の形になった。
カメラが収まるバッグで"普段使い"というと、小型のレンズを装着したカメラ1台が入れば十分というイメージだが、このバッグは深さを生かして70-300mmクラスのレンズも入る。何より担当者自身がソニーα7 IIに70-300mmレンズという組み合わせを愛用しており、つまり譲れないポイントだっただろう。いくぶん余裕のあるサイズ感は、薄手のアウターを入れておくにも便利そうだ。ガチガチにカメラ専用としたバッグにはない心地よさがある。
外に小型三脚を取り付けられるようにしたのも、横濱帆布鞄からのアイデアだった。バッグ外側に走る紐をただの飾りにしては勿体ないというところから、見た目をそのままに三脚ホルダーとしても使えるようにした。そこへさらに「側面に三脚を付けると電車内で邪魔になる」とのマップカメラスタッフの声を反映し、底面部も使えるようにした。三脚に限らず、手がふさがる荷物をひとまとめにするのに利用できそうだ。
横濱帆布鞄とのコラボバッグでは、森野帆布船具工業所の艦船帆布4号という生地の質感も見どころだ。これは海上自衛隊などで実際に使用されている頑丈な生地で、バッグ自体は構造上防水にならないものの、生地としては船舶使用のため防水・耐光・耐塩・防炎処理が施されている。汚れはスニーカーのように消しゴムでこすって落とすことができ、シワや色の変化もエイジングとして現れるそうだ。
背負ってみた
実際にカメラを入れて背負ってみると、ショルダーストラップを取り付けている金具が左右にスイングするため、体へのフィット感が良好。メッセンジャーバッグのようにストラップを短めにして背負うのがスマートだし、フィット感も高い。この背負い心地を味わってもらうために、ショルダーストラップも一般的なバッグより若干短めだ。
バッグのマチ幅は、カメラの大きさよりバッグ自体の使用感を優先して決めたというが、ソニーα7シリーズをはじめとするミラーレスカメラが程よく収まる。容量的には本格的な一眼レフカメラも入らなくはないだろうが、レンズを付けたミラーレスカメラ+交換レンズ1本ぐらいが商品コンセプトには合っていると思う。
今回の「Daily Shooter Bag」に用意されているカラーは2色。マップカメラのファンの好みを反映したという「グレイ/ネイビー」と、横濱帆布鞄や横浜のイメージを反映した「ホワイト/タン」から選べる。価格はどちらも税込1万2,800円だ。
今後のアイテムとしては、リュックやインナーケースなども企画してみたいとのこと。マップカメラでは、オリジナルアイテムのコラボ相手を随時募集中だそうだ。