デジカメドレスアップ主義:ハーフ判カメラの偶然

ソニーNEX-5 + オリンパス Gズイコー オートS 40mm F1.4
Reported by澤村徹

  • ボディ:ソニーNEX-5(ブラック)
  • レンズ:オリンパス Gズイコー オートS 40mm F1.4
  • マウントアダプター:muk select ペンFマウントアダプター
  • レンズフード:ペトリ 5.4cmフード
  • ステップアップリング:マルミ 43-52mmステップアップリング
  • ストラップ:アクリュ カメラストラップ「cacher」
  • レンズキャップケース:アクリュ レザーレンズキャップケース

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 オールドレンズを本来の画角で楽しみたい。これは多くのオールドレンズファンにとって共通の思いだろう。ソニーNEXシリーズはAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載しているため、レンズの焦点距離が35mm判換算で1.5倍になる。つまり、レンズ本来の画角よりもひとまわり小さくなってしまうのだ。しかし、そんなNEXシリーズでも本来の画角を楽しめるレンズ群がある。それがペンF用レンズだ。

 オリンパスのペンFは、レンズ交換式のハーフサイズカメラだ。35mmフィルム1コマを2分割し、1本のフィルムで2倍撮れるというのが売りだった。35mm判(36×24mm)を長辺で2分割すると18×24mm、NEXシリーズのイメージセンサーは23.4x15.6mm。これはほぼ同サイズといえる。つまり、NEXシリーズにペンFレンズを付けると、本来とほぼ同等の画角で撮影できることになる。

 そこで今回はmuk selectのペンFマウントアダプターを使い、Gズイコー40mm F1.4を装着してみた。このレンズはペンFオリジナルボディに装着すると35mm判換算56mm相当となり、NEXシリーズに装着した場合は60mm相当となる。NEXシリーズでもオリジナルと同様、標準域のレンズとして使用できるわけだ。画角がオリジナルに近いので、周縁部の描写に不自然さがない。さらに隅々にわたってレンズ本来のボケ味を楽しめる点も見逃せないだろう。特に今回は大口径レンズを装着しているので、開放近辺のリッチなボケ味に期待できるセットアップだ。

Aki-Asahiのレザースナップケースは、高級オイルヌメの栃木レザーを使用。価格は9,600円PETRIの5.4cmフードは、43-52mmステップアップリングの上からかぶせている
muk selectで取り扱うペンFマウントアダプターは、レンズ指標がわずかに右側に傾くAki-Asahiのケースは背面を覆ってフィット感を重視するため、液晶チルトは使用できない

 ドレスアップのポイントは、アクリュのレザーレンズキャップケースだ。レンズキャップやフィルターなど、ちょっとした撮影小物を収納するためのケースで、ストラップに装着できる。ウォッシュ加工レザーのビンテージ感が特徴だ。ストラップもアクリュ製で、レザーレンズキャップケースと同色でコーディネイトしてみた。このストラップは「cacher(カシェ)」という名前で、フランス語「隠す」「秘密」という意味だ。取り付け部分の金具をレザーで覆い隠し、ボディとの干渉を防いでくれる。レザーテープは細身になっているので、NEXシリーズに無理なく装着できる。

muk selectで取り扱うペンFアダプターはRJ Camera製だ。オーバーインフ気味で使いやすい。価格は8,800円S/M/Lの3サイズ全5色展開で、MサイズはE16mm F2.8のレンズキャップがジャストサイズで収納できる。Mサイズの価格は3,360円
裏面はホックになっていて、ストラップなどに装着できる。最大25mm幅まで対応しているアジャスターと肩パットはオプション扱いとなる。写真はフルオプションの状態で、価格は7,455円。全5色をラインナップしている

 Gズイコー オートS 40mm F1.4の描写は、あっさりとした発色でコントラストも穏やかだ。やや黄色に傾くことも含め、昭和レトロ調の心地よいオールドレンズといえるだろう。NEXとの組み合わせではほぼフルサイズの環境となり、開放近辺では大きなボケ味が楽しめた。ハーフサイズカメラ用レンズは解像力不足が気になるところだが、ピクセル等倍でわずかに甘さを感じる程度だ。通常用途ではさほど問題にならないだろう。なお、作例はRAWで撮影し、Image Data Converter SRでストレート現像している。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしのRAW現像画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
NEX-5 / Gズイコー オートS 40mm F1.4 / 4,592×3,056 / 1/1,250秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 40mmNEX-5 / Gズイコー オートS 40mm F1.4 / 4,592×3,056 / 1/640秒 / F1.4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 40mm
NEX-5 / Gズイコー オートS 40mm F1.4 / 4,592×3,056 / 1/1,600秒 / F2 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 40mmNEX-5 / Gズイコー オートS 40mm F1.4 / 4,592×3,056 / 1/1,250秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 40mm
NEX-5 / Gズイコー オートS 40mm F1.4 / 4,592×3,056 / 1/320秒 / F1.4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 40mmNEX-5 / Gズイコー オートS 40mm F1.4 / 4,592×3,056 / 1/125秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 40mm


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2010/8/26 00:00