私はこれを買いました!

雑に使い倒せる、得がたい安心感

Domke F-2(関根慎一)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2023年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

長く支持される名作を手にして、その価値を実感する

Domke(ドンケ)「F-6」から買い増しました。その理由は「必要性を感じたから」と「値上げが近かったから」です。

F-6はおよそ15年ほど使っていますが、気軽に使えるサイズ感や取り回しやすい重量で仕事・プライベート問わず活躍しており気に入っています。15年使っても壊れる気配がなく、普段の取材ではF-6のままでも問題はないのですが、元々荷物を1つにまとめたいたちでもあり、近年はスマホやモバイルバッテリーをはじめ持ち歩くものが増えたので、収納量に物足りなさを感じるようにもなってきました。これを実感したタイミングで、Domke製品の値上げが発表されたことがダメ押しになり購入した次第です。

Domke F-2といえば、古くから広く愛用されている定番のカメラバッグです。カメラバッグ自体はDomke以外にもいくつか持っていますが、F-6の延長線上にある使い慣れたスタイルの気軽さもあって、最近は気づけばF-2ばかり使うようになりました。1年弱使ってみての印象としては、そこそこ大きなカメラバッグのはずなのに、どこに何があるかが手探りでも把握しやすいところが秀逸に思います。これはシンプルな構造もその一因でしょうが、一度もバッグそのものに目を向けることなく、フラップのストッパーを外して収容物を取り出すような使い方に自然となっていく気がします。長く支持されているものには、相応の理由があるのだと実感しました。

筆者の場合、バッグにカメラ機材だけをきっちり収納するというよりは、ミニ三脚や予備の電池、ICレコーダー、メモリーカードケース、ブロワー、グレーカード、スマホ、モバイルバッテリー、各種ケーブル類などを雑にねじ込んで使っています。軽めの取材であれば、フラップ裏や背面ポケットに取材先でもらった資料などを入れておけるので便利です。

間仕切りのケースも本来は複数本の交換レンズを収納できるようについているものだと思うのですが、筆者の場合は必要がないかぎりあまりレンズ交換をしないので、便利な物入れとして使わせてもらっています。F-6でもほぼ同じ運用をしていましたが、ここまでの量は収納できなかったので、今回の買い増しには満足しています。

今年はコロナ禍で減っていたイベントの数が大きく回復した年であり、昨年までよりも仕事でカメラを持ち出す機会が増えました。そうした折に、物価高の煽りを受けたとはいえ密かに欲しかったものを買う踏ん切りがついたのは、むしろ僥倖だったのかもしれない、ということにしておきます。

近況報告

コロナ禍だったから、というわけでもありませんが、もう長いこと大きめのお休みを取ることもなく、思えば最後に旅行したのっていつだっけ? という感じです。でもたまにLightroom Classicで古い地層の旅行写真を眺めていたりすると、別に近場でもいいので出かけたくなりますね。

関根慎一