私はこれを買いました!

フルサイズセンサー搭載のシネマカメラで撮影効率が大幅アップ

Blackmagic Cinema Camera 6K(吉村永)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2023年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

同社製品であればスムーズな移行が可能。クオリティ向上も

人物撮影のカメラマンである自分は、映像キャメラマンとしても働かせてもらっている。その動画撮影のメインカメラは長らく、Blackmagic社の「Blackmagic Pocket Cinema Camera(以下BMPCC)6K」と、その進化版である「BMPCC 6K Pro」の2台だった。

だが、ついにセンサーサイズがこれまでのAPS-Cセンサーサイズ相当から35mmフルサイズセンサーに拡大された「Blackmagic Cinema Camera 6K FF(BMCC6KFF)」が発売。幅も厚みも重さもキヤノン EOS R3を上回る大柄なボディながらも製品名に「Pocket」とあるのが不思議がられていたが、今回の製品名では姿を消した。

これまでレンズマウントとしてキヤノン一眼レフ用のEFマウントを採用していたのだが、今回のモデルからはライカ/シグマ/パナソニックなどのミラーレスカメラ用のLマウントに変更。僕はシグマの高性能単焦点Lマウントレンズに加えて、マウントアダプターを介してこれまで使っていたEFマウントレンズを使用している。

製品名も見た目もほとんど変わらないモデルチェンジだが、フルサイズの画角がそのままに使える便利さと、思った通りの画がすぐに作れる快感はまさに期待通り! 仕事にも本格投入しており、テレビ番組ロケで俳優のイメージシーン撮影に使ったり、インタビュー撮影などで大活躍している。

とっさの撮影時に電源を入れたらすぐにオート撮影ができる、といった製品ではないのだが、同社製品共通の使いやすいメニューのインタフェースや、5インチの大きな画面によって思った通りの撮影が確実にできる点は、写真カメラにはないこのシリーズならではの特徴と言えそう。カメラ製品というと、とかく画質が最優先だと思われがちだが、僕の機種選択はいつも使いやすさと馴染みやすさが第一。この製品は高校生の頃からフィルムのシネマカメラを使い続け、半業務用ビデオカメラで育った僕にとっては本当に使いやすく、さらに高画質なので満足度が高いのだ。

資金調達のために初代のBMPCC6Kは友人に高価で買い上げてもらい手元からなくなり、BMPCC6KProとBMCC6KFFの2カメでの撮影が僕の仕事スタイルになった。カメラを置き換えてもこれまでの撮影方法からスムーズに移行でき、より確実性とクオリティを上げた撮影ができるようになって満足。ここから数年はまた、僕の動画撮影のメイン機として働いてもらおうと思っている。

シネマカメラなので、用途に合わせてのさまざまなシステムアップが可能。僕はこんな感じのセットアップで使うことが多い

セットアップリスト

  • SmallRig BMPCC 6K Pro / 6K G2 ケージ 3270
  • SmallRig BMPCC 6K Pro / 6K G2 HDMI&USB-C ケーブルクランプ 3271
  • SmallRig BMPCC 6K Pro用Samsung T5・T7 SSDホルダー
  • SmallRig Mini Top Handle for Light-weight Cameras (NATO Clamp) HTN2758
  • SmallRig ミニQR NATOレール(48mm)
  • SmallRig DJI RS 2 / RSC 2 / Ronin-S / RS 3 / RS 3 Pro ジンバル用Manfrotto互換QRプレート 3061
  • SmallRig Vマウントバッテリープレート 4064
  • SmallRig D-Tap→DC5525給電ケーブル モニター用 DC5525規格端子付きDSLR-1819
  • SONYポータブルダイバシティチューナーURX-P41D
  • Sandisk Extreme SSD Pro 2TB
  • Gimpro DTap-BMPCC-4K/6K-電源ケーブル
  • Sprig1/4” & 3/8”

近況報告

今年は仕事における動画撮影の割合がいよいよ、増してきたと感じた年。写真の機材の多くは日本製を使っている僕ですが、動画の機材は本当に日本製品が少なくなってきたなと感じる今日この頃。世界は変わり続けていますね!

吉村永

東京生まれ。高校生の頃から映像制作に目覚め、テレビ番組制作会社と雑誌編集を経て現在、動画と写真のフリーランスに。ミュージックビデオクリップの撮影から雑誌、新聞などの取材、芸能誌でのタレント、アーティストなどの撮影を中心とする人物写真メインのカメラマン。2017年~2020年カメラグランプリ外部選考委員。